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Art
2022.01.26

書で「天地創造」を表現! 書家・金澤翔子の現代アートのような個展が絶対見逃せない

この記事を書いた人

書道の展覧会って…なんとなーくハードルが高い感じがしませんか?

実はかくいう私(書道経験ゼロ。「個性的な字だね」と半笑いでいつも言われます)もそう思っていました。

しかし、そんな私の曇った目さえ、冬の朝の空気のようにキリッと爽やかに澄み渡らせてくれる個展が東京・神田神保町で開催中です。

書家の名は、金澤翔子

5歳から⺟・泰⼦さんに師事し、これまでにNHK⼤河ドラマ「平清盛」の題字を担当、ローマ教皇庁に⼤作「祈」を寄贈、天皇陛下御製(現上皇陛下)を謹書、東京2020オリンピック・パラリンピック公式アートポスター制作、紫綬褒章受章…などなど、国内外でのめざましい活躍をご存じの方も多いはず。これまでに延べ200万⼈が彼女の書にふれ、年間10万⼈以上が個展に訪れています。

そんな彼女の最新作が並ぶ個展が現在開催中。

テーマは「天地創造の物語」

そうです。旧約聖書の冒頭、「はじめに神は天と地とを創造された」で始まるあの物語。

“世界の始まり”を、「書」で表現する——。

一体どんな書展なのでしょうか。
ここでは、個展の出品作品を一部ご紹介します!

書家・金澤翔子にしか書けない書、金澤翔子にしかできない表現をお楽しみ下さい。

つべこべ言わずにすぐに見に行きたい!という方のために!
会期:2022年1月14日(金)〜2月19日(土)
場所:東京都千代⽥区神田神保町「UCHIGO and SHIZIMI Gallery」
となっております(文末でさらに詳しく)。

まさにクリエイティブ!現代アートのような書展

旧約聖書「創世記」の冒頭はこんなふうに始まります。

1 はじめに神は天と地とを創造された。
2 地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。
3 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。
4 神はその光を見て、良しとされた。神はその光とやみとを分けられた。
5 神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕となり、また朝となった。第一日である。

この「天地創造」を連想させる作品として、金澤さんが今回披露した書は計14点。
その一つがこちら。

「光」画宣紙、墨。2013年。

ささやかな、のどけき光というのではなく、まさに世界を始めるにふさわしい力強さ。人智の及ばない、ビッグバンのようなものすごい勢いを感じます。

続いてもう1点。

「円相 月」画宣紙、墨。2021年。

光によって「昼」が生まれ、同時に「やみ」が生まれる。まだ生まれたばかりの夜に浮かぶ小さな月。

先程の「光」とは一転して、非常に静かな、吸い込まれてしまうような静寂が感じられます。

ちなみに円相とは禅宗における書画の一つ。欠けることのない無限、始まりと終わり、宇宙などを表しているといわれます。


そんなことを書道ド素人は勝手に思いつつ、同時にこうも思うのです。

え、「書」ってこんなに自由なの?

お手本のように書かなくちゃ、とばかり考えていた自分は(もちろん手本に習うことはとっても大事なことですが)、こんなに自由な「書」に目を見開かされつつ、なぜか心洗われる気持ちがするのです。

「書はアート。自由に感じていい」

この個展を企画した「UCHIGO and SHIZIMI Gallery」ディレクターの和田卓也さんは、「ギャラリスト」としてこれまで⽇本画・洋画・彫刻・版画・写真など、幅広い展覧会を開催し、コンテンポラリーアートの作品展を国内外問わず企画・開催してきました。

和田さんは

「書もアート。書道に親しんでいる人だけでなく、誰でも観て、自由に感じてもらいたい」

と語ります。

今回の個展では、自由な視点で鑑賞できるよう、宇宙になぞらえて作品がギャラリーの上下左右に展示されています。

つまりはギャラリーの天井にも作品が。訪れた人は夜空を見上げるようにして書を鑑賞します。
まあ、なんて自由な書展なのでしょうか。

どんな書が天井に掲げられているかは、ぜひ会場でご覧くださいね


そんな和田さんが「心奪われた」という作品がこちら。

「山」画宣紙、墨。2021年。

…すごい。まるで自らの命を削りながら書いたかのような「凄み」を感じるのは私だけでしょうか。

「神が宇宙にあらゆるものを創りだしたように、真っ⽩な紙にあらゆるものを⽣み出す書で『天地創造』の物語を紡げたら」

そんな案内の一文に、書家もまた世界を創りだす側の存在だったのか、世界を創りだすとはかくも真剣な、魂を削るような行為だったのかと、胸が震える心持ちがします。

この「山」の隣に展示されている作品がこちら。

「雨」画宣紙、墨。2021年。

先ほどの「山」のような険しさとはうってかわって、柔らかくなんだか可愛らしくもある雨模様。
ああこうして大地が潤っていったのかと、神の慈愛さえ漂います。

隣に展示されている作品「海」と併せて、ぜひ”本物”をご覧頂きたい一品です。

展覧会基本情報

金澤翔子にしか書けない書。
金澤翔子にしかできない表現。
金澤翔子だけが持つ世界観。

そんなことを高圧電流のごとくバチバチと感じられるこの個展は

実は和樂webが企画・協力しています!


【2022年1月14日(金)〜2月19日(土)】
【UCHIGO and SHIZIMI Gallery】
(〒101-0051東京都千代⽥区神⽥神保町2-11-4 メゾン・ド・ヴィレ 神⽥神保町1F [神保町さくら通り])

にて開催しています。

金澤翔子さんの来廊日は以下の通りです。
1月26日(水)15時〜
1月31日(月)12時〜
2月5日(土)12時〜
2月8日(火)12時〜
2月16日(水)12時〜

※1月31日、2月5日の在廊は中止となりました。その後の在廊日も急遽変更になる可能性があります。

公式HP「金澤翔子 個展 天地創造の物語」

営業時間は、
【⽉〜⼟ 10:00~18:30】
休廊⽇は、
【⽇・祝】

なお、第2会場として「喫茶さぼうる ビル2階」もございます。
※会期・営業⽇・休廊⽇は同上

ぜひ足を運んでいただければと思います。

【プロフィール】
⾦澤 翔⼦ | 書家
東京都出⾝。5歳から⺟の師事で書を始める。全国の名だたる神社仏閣での席上揮毫を⾏い、個展も数多く開催。ローマ教皇庁(バチカン市国)に⼤作「祈」を寄贈。上皇陛下御製(天皇御在位中)を謹書。東京2020(オリンピック・パラリンピック)公式アートポスター制作アーティスト就任。NHK ⼤河ドラマ「平清盛」題字担当や国連本部での⽇本代表スピーチなど、活動は多岐に渡る。国外ではニューヨーク、チェコ、シンガポール、ロシア、台湾等で個展を開催。これまでに延べ200 万⼈が⾦澤の書にふれ、年間10 万⼈以上が個展に訪れる。東⽇本⼤震災後に発表した⾃⾝代表作「共に⽣きる」を合⾔葉に、被災地への応援や障害者⽀援など、共⽣社会実現に向けた活動にも継続的に取り組んでいる。紺綬褒章受章。⽂部科学省スペシャルサポート⼤使。