2017年、大好評を博した「渡邊省亭(せいてい)」展が、京橋の古美術ギャラリー・加島美術に帰ってきました! 展示されているほとんどの作品が、今回新たに集められたものばかり。1月から12月までそれぞれの月をテーマに描いた、十二幅対の作品が勢ぞろいします。
渡邊省亭は孤高の神絵師!
明治から大正にかけ、主に花鳥画の分野でその才能を発揮した渡邊省亭。花鳥画の作風を得意とした菊池容斎(きくちようさい)に、16歳で入門。画家のしての道を歩み始めました。生涯、弟子もとらず画壇にも属していなかったため、長いあいだ回顧展が催されることもなく、日本美術史では忘れ去られていました。しかし、作品のクオリティの高さが再評価され、近年、再び注目を集めているのです。
花鳥画だけでなく、人物画や挿絵、下絵など、様々な分野で才能を発揮していた。
十二幅対の作品がずらり
今回の「渡邊省亭」展、一番の見どころは、展示室にずらりと並ぶ十二幅対の「十二ヶ月」です。1月から12月まで、それぞれの月をテーマに描いた十二幅すべてが、一堂に展示されることはそうはないので、とても貴重です。
本展会期中の9月の掛け軸に描かれているのは、月夜に照らされる五位鷺(ごいさぎ)!
渡邊省亭×濤川惣助 最強コンビの七宝焼も!
渡邊省亭、濤川惣助(なみかわそうすけ)の共作といえば、赤坂迎賓館の花鳥の間を飾る30枚の七宝焼。四季折々の花や鳥が繊細に表現されており、七宝の最高傑作といわれています。
明治を代表する日本画の巨匠と、天才と呼ばれた七宝作家。なんと、そんなふたりがタッグを組んだ作品を今回の展覧会でも見ることができるのです。
渡邊省亭が精緻に描いた下絵を、濤川惣助が高い技術で美しい七宝に昇華させています。最強コンビの作品をじっくりと堪能してみてはいかがでしょう。
加島美術はガラスケース一切なし!
加島美術の魅力といえば、なんといっても作品との近さ。ガラスケースがないので、普段肉眼ではなかなか見ることのできない、作品の繊細な描写や質感などを、じっくりと鑑賞することができます。省亭の精緻で端正な筆づかいを、ぜひ間近でお楽しみください!
「SEITEI リターンズ! 孤高の神絵師、再降臨‼︎」
会期 開催中〜2018年9月29日
会場 加島美術
公式サイト
渡邊省亭の作品がここでも見られる!
◆迎賓館赤坂離宮
「没後100年 渡邊省亭特別展」
会期 開催中〜2018年10月9日
◆山種美術館
「皇室ゆかりの美術-宮殿を彩った日本画-」
会期 2018年11月7日〜2019年1月20日