京都『木と根』で10年使っても飽きない日常のうつわに出会う

京都『木と根』で10年使っても飽きない日常のうつわに出会う

「この店が東京になくてよかった」と思う。家の近くにあったら通いつめてしまいそうだから。作家もののうつわや職人による生活道具を紹介する「木と根」は、10年前、烏丸(からすま)界隈の路地裏にオープンした。「たぶん、私がちょっと渋好みなんです」という女性店主が選ぶうつわは、たとえばこんな感じだ。シンプルな中に、つくり手のクセが少しだけにじみ出ているようなフォルム。一見、渋めだけれど、使い込むうちに味わいを増す質感。機能的で使いやすく、洗いやすくもあるデザイン。骨董や古道具にも通ずる味わい。
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作家のラインナップが、10年前からあまり変わらないのも凄いことだ。ひとつ置くだけで絵画のような美しさを放つ市川孝(いちかわたかし)のうつわや、岡田直人(おかだなおと)の真っ白な磁器。骨董のような佇まいをもつ田中茂雄(たなかしげお)の陶器。伊藤聡信(いとうあきのぶ)、石川若彦(いしかわわかひこ)、小谷田潤(こやたじゅん)に井山三希子(いやまみきこ)。目利きにブレがないから、作家からの信頼も厚い。数年先まで予定が埋まっている人気作家「木と根」での個展は欠かさないし、この店のために特別な作品をつくる作家もいる。うつわは、作家に愛されている店で買うのがいい。
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いっぽう、京都の木工職人やガラス職人とコラボレーションした、オリジナルの道具も素晴しくって心躍る。持ち手に立ちあがりがあって使いやすいまな板からも、ガラスのゆらぎが美しい小ぶりのピッチャーからも、店主の、生活を慈しむ気持ちや職人への愛情が伝わってくる。

公式サイト

-文/和樂スタッフ輪湖雅江(和樂のインテリア番長。建築にも造詣が深い)-

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