京都の茶筒の老舗「開化堂」の新作はティーバッグのための保存缶

京都の茶筒の老舗「開化堂」の新作はティーバッグのための保存缶

京都の老舗が打ち出す画期的な新商品誕生秘話の裏側に迫る

京都で「老舗」と呼ばれる100年以上続く専門店。こんな斬新な発想が! と驚くものが実は100年以上前につくられたものだったりします。

ベストセラーであり、ロングセラーを抱える老舗であればあるほど、頻繁に新商品を出すことはありません。目先のことにとらわれ過ぎていたら、既存のものが売れなくなる。とはいえ、古いものだけで勝負していたら時代から取り残される。といった絶妙な勘どころで、新しいものを生み出したり、古いものをリニューアルしながらその家に伝わる商品を育てていくのが老舗のやり方。攻めと守りのバランスは当代の腕次第。それぞれの家に伝わる商いの手法で代をつないでいくのは、なんとも興味深いものです。

100年以上のロングセラーと肩を並べるものをつくるには、この先100年以上売るぐらいの自信のあるもの、、、のはず! そんな当代の思いが詰まった老舗の新商品をひもといてみましょう。

開化堂は明治8年創業、日本でいちばん古い手づくりの茶筒専門店

宇治茶の産地として長い歴史をもつ京都。茶葉を湿気から守り、保存するための茶筒も宇治茶の生産・流通に伴い発展してきました。今回取り上げる開化堂は創業明治8年。河原町六条にある小さな工房で創業時と変わらずに現在も手仕事で茶筒がつくられています。
こちらは数年前に改装されたショップ。その隣に工房が併設されていている。

開化堂の原点はブリキの茶筒。イギリスの美術工芸博物館にも収蔵された美しさ

老舗を老舗たらしめる「家宝」と呼べる逸品を毎回紹介していますが、開化堂といえばブリキ製の茶筒です。ブリキとは薄い鉄板に錫(すず)を施したもの。加工しやすく、安定して入手できるこの素材にいち早く目をつけ、日本で初めて開化堂がブリキの茶筒をつくりました。このブリキですが、現在は電気メッキを施したものが主流(仕上がりはピカピカ)。それに対して開化堂では昔ながらの製法でつくられるブリキ(ドボ漬けと呼ばれるもので、錫の中にドボンと鉄板をつけることからこの呼び名になっているそうですよ)にこだわり、ドボ漬けのブリキしか使わないために創業当時とまったく変わらない姿の茶筒を提供することができています。
「茶筒 長型 ブリキ200g」(直径7.8高さ13.6㎝)14,000円(税抜)。
この少しくすんだ色とやわらかな風合いがあるから、無地でも存在感があるし、無地だからこそいい! のですよね。
茶筒の素材はのちに銅と真鍮も加わって3素材の展開になりましたが、機能美に徹したつくりとデザインは海外からも高く評価されています。2014年にはイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(1852年創設。世界中から集められた美術工芸品を所蔵するデザインの殿堂として知られる)のパーマネントコレクションに認定されています。

見た目だけじゃない! 密閉性を高めた構造が世界に誇る開化堂の手わざ

シンプルな美しさも自慢ですが、開化堂の茶筒の真の評価はその構造にあり。まず胴体の部分が二重構造になっています。そしてふたと重なる部分に、少しだけふくらみをもたせてあるのです。そのため、ふたを開けるときは「空気がモチっと抜けていく気もちのよさ」(6代目八木隆裕さんの発言より)があり、ふたと胴体の継ぎ目のラインを合わせると、ひとりでにふたが落ちて閉まるように。これだけ気密性が高ければ、中の茶葉は新鮮な状態が続き、おいしいお茶が飲めるというわけ。これを初代が手を動かしながら考えたというのがすごい!

この後に登場いただく6代目隆裕さん自らがふたの開け閉めを実演してくださいました。「開化堂の茶筒といえば、ふたが閉まる話だけが独り歩きしていますが、開けるときの気持ちよさを僕は!もっと!アピールしたい!」とのこと。”モチっと”空気が抜けていく感じ、動画から感じてくださいね。

ちなみに動画の茶筒は通常の茶筒に溜(ため)の透き漆を重ねた新作。「漆塗茶筒 長型200g」(直径7.8高さ13.6㎝)34,000円(税抜)。

開化堂の大転換⁉︎ 新商品「Tea Bag缶」の発売理由を6代目に直撃

さて今回紹介する新商品ですが、な・ん・と、茶筒ではない!ティーバッグのための収納缶、その名も「Tea Bag缶」です。

京都の茶筒の老舗「開化堂」の新作はティーバッグのための保存缶
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