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2020.08.26

平安京の父・フジワランヌ★道長伝授!運を引き寄せて幸せになる法則 妄想インタビュー

この記事を書いた人

「あなた、このままじゃ没落するわよ!」の決め台詞で人気を集める占い師・フジワランヌ★道長(本名:藤原道長)。娘が天皇となる男の子を2人も産むなど、平安きっての超ラッキーボーイである。

彼の幸運は生まれ持ったものなのか?それとも何かコツがあるのだろうか?元祖行列のできる占い師「平安京の父」に、運を引き寄せて幸せになる法則を伺った。

フジワランヌ★道長プロフィール

本名:藤原道長(ふじわらのみちなが)

966年生まれ。権力者の息子だが末っ子なので、いまいちパッとしないかと思いきや、道長より位の高かった兄やライバルたちが続々と病死。一気に大出世ルートに躍り出ると、残るライバル・甥の伊周(これちか)が自滅し権力を握る。

娘・彰子は一条天皇の后となり、後に天皇となる2人の男の子を産む。道長は天皇のおじいちゃんとして、強大な権力をもつこととなった。さらに一家から3人ものお后を輩出したという、アメリカンドリームならぬ、前例のないヘイアンドリームを叶えた男だ。

『源氏物語』を書いた紫式部を見出したのも、道長である。

幸運の秘訣は「ライバルの自然死」

――はじめまして!このたびは「妄想インタビュー」のご出演ありがとうございます!さっそくですが、フジワランヌさんの幸運の秘訣は何ですか?

フジワランヌ★道長(以下略):こんにちはぁ~!うーん、アタシの場合、ライバルがほとんどみんな死んじゃったことかなぁ?

――えぇ!まさか殺……

やだ違うわよ~!病気病気!伝染病が流行ったこともあって。でもアタシは運よく生き残っちゃったの!

――ライバルで甥の伊周も早くに亡くなっていますね。

伊周とはバチバチの関係だったけど、彼の死因も病気だから~!ちなみに娘・彰子のライバルだった定子も、若くして亡くなっちゃったのよねぇ。

――フジワランヌさんの邪魔者は、まるで呪われたかのように死んでしまうのですね。怖い……。幸運の秘訣は「ライバルの自然死」だそうです。

生涯の伴侶は幸運のカギ

――すみません、ライバルがここまで自然死することは滅多にないと思うので、もうちょっと役立ちそうなこと教えてもらえませんか?

え~!!占い師に「お役立ち」とか聞いちゃう?(笑) 貪欲~!じゃぁ言うけど「生涯の伴侶選び」は大切ね。

――フジワランヌさんの奥さんもかなりの幸運の持ち主だったようですね。

妻の倫子(りんし)は、アタシや家族をしっかり支えてくれたし、子どもにもたくさん恵まれたの。平安時代、子どもが多い方が出世には有利だからね。っていうか倫子が幸運なんじゃなくて、倫子と結婚できたアタシがラッキーボーイなの!倫子、ありがと~~!!

――結果的には権力者の正妻になれたわけですし、倫子さんもラッキーだと思いますよ。

ううん……。倫子はすごく長生きでね、平安時代にしては珍しく90歳まで生きたの。でも長生きしたせいで、家族に次々と先立たれ、それは辛かったと思うわよ……。先に逝ってごめんね、倫子……。うぅっ

人気占い師らしい、ファッショナブルなコーディネート

――ちょっ、泣かないで……。とにかく、しっかり者で健康、財産もたくさん持っていた妻のおかげもあって、フジワランヌさんは出世できたのですね。権力者のフジワランヌさんも、倫子さんには頭が上がらなかったそうです。

ラッキーアイテム「筆」

――では次に、幸運を引き寄せるラッキーアイテムを教えていただけますか?

それはもちろん、筆!「筆は剣より強し」って言うでしょ?

――ペンは剣より強し、ですね。

はぁ?ペンって何よ。アタシ詩とか文学が好きで、今あなたたちが『源氏物語』を読めるのも、アタシのお蔭なのよ~!!ちなみにスポーツも得意で、文武両道だったわけ!やだ自慢~!!

――とにかくラッキーアイテムは筆です!幸運を手に入れたい方は、今すぐ買いに走りましょう!AmazonでもOK!

無料!「幸運を引き寄せる待ち受け画像」をプレゼント!

最後に、この記事を読んでくださった読者のみなさまに「幸運を引き寄せる和歌」をプレゼントするわね。あっここからは有料コンテンツになるのだけど……。

――道長さんの和歌は1000年後まで語り継がれているので、今さら有料と言われましても……。

そうなの?じゃぁ特別に無料で提供しちゃう!そして今ならなんと!待ち受け画像もつけちゃいます!

この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば
訳:この世はまるで私のもののようだ。望月(満月)に欠けたところのないように、何ひとつ足りないものはない。

この和歌を待ち受け画面にしておくと、幸せが訪れます。仲良しのお友達にも送ってあげてねぇ~~!!!

――待ち受け画像、満月じゃなくてハートになってますけど!欠けてますけど!

このアタシにあんまり余計なこと言うと、自然死するわよぉ~★

あとがき

今回は平安時代の権力者・藤原道長に妄想インタビューを行いました。藤原道長と言えば、「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」の和歌が有名です。あまり上手な和歌ではありませんが、これは酔っぱらって詠んだもので、道長は文芸に秀でた人物でした。飲み会の席で言ってしまったことが、延々と仲間内で語り継がれることがあります(その多くは恥ずかしいもの)。道長の和歌は、それの「スケールでかい版」ではないでしょうか。

文芸が好きだった道長は、紫式部のような優れた作家を見出し、パトロンとして彼女たちを支えます。1000年も昔に女流作家がここまで活躍した国は、日本のほかにないでしょう。

歴史の教科書で知る道長は、でっぷり太って権力をほしいままにする悪狸、というイメージ。しかし、男性社会の平安時代で女性の活躍の場を広げたり、孫が生まれた際は周りの目も気にせず大喜びしたりするなど、道長にはさまざまな面がみられます。詳しくは『紫式部日記』を読むと面白いですよ。

紫式部と宰相の君に、和歌を詠むように迫る道長
『紫式部物語繪卷』国立国会図書館デジタルコレクションより

「運は実力のうち」と言うように、道長には政治力・人心掌握術・スポーツ・文芸など、あらゆる実力がありました。それでも、ライバルの死など、説明できない「強烈な運」が彼にはあったように思います。

書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。