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2020.09.25

「特撮のDNA展」で感じたウルトラマンのDNA!世代を超えて愛される秘密とは

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今、ウルトラマンに世界が注目! 2019年にはNetflixにてフル3DCGアニメ『ULTRAMAN』が全世界に向けて配信。日本で最も観られたアニメとなりました。2021年には映画『シン・ウルトラマン』(庵野秀明監督)が公開予定です。テレビ放映開始から50年以上の歴史を持つ特撮ドラマ『ウルトラマン』は、もはや日本の特撮に留まらず、アジアの財産との呼び声も高い作品。今回は東京ドームシティのギャラリーアーモで開催中の「特撮のDNA-ウルトラマンGenealogy」にお邪魔し、世代を超えて深く愛されるウルトラマンが持つ「DNA」を探ってきました。

「特撮のDNA-ウルトラマンGenealogy」で感じたファンのパッション


新型コロナウイルス感染拡大防止のため、日にち指定制となった会場。密に気をつけながらも、会場内にはファンが大集結していました。各作品の実際に使われていた小道具や衣装、懐かしのポスターなど、ファン垂涎のアイテムがずらりと並んでいます。展示品をじっくり見てもらうため、なんとキャプションはなし! 入り口にある解説ペーパーのみで説明されています。
来場者は自分のお目当てをじっくり見たり、一緒に来た人と話し合いながら見たり。思い思いの楽しみ方で会場内をめぐっていました。

「特撮のDNA」展自体は2016年にスタート。これまでゴジラなどを取り扱ってきました。円谷プロダクション作品をテーマにした企画は今回が初となります。円谷プロと言えば多数の特撮作品を手掛けていますが、あえて今回はウルトラマンシリーズにフォーカス。どのように見せるか検討を重ね、15周年や40周年など、メモリアルイヤーの作品を中心に展示品を揃えました。中には巡り巡ってファンが所持していたものを借りた展示もあるのだとか! ウルトラマンファンの熱心さが伝わりますね。こうしたこだわりの甲斐あって、展示開始当初から大評判&大反響。SNSも大盛りあがりとなっています。ツイッターのハッシュタグの熱量、読むだけでも圧倒されますよ。

いつだってウルトラマン世代! 「中の人々」からも長く愛されるその理由


展示を巡る中で印象的だったのは、来訪者の年代の幅広さ。白髪頭の男性が『ウルトラマンタロウ』のデザイン画をゆったり眺めていたり、平成20年代生まれであろう少年が、セブンの前でポーズを取っていたり、女性たちが連れ立ってオーストラリアとの合作『ウルトラマンG』の恰好よさを褒め称えていたりと、会場内でつい、耳をそばだてたくなってしまいます。

ウルトラマンが初めてテレビに登場したのは1966年7月。それから約50年。放映にインターバルこそあったものの、「ウルトラマンが世の中に出回っていなかった世代」はいないと言って差し支えないでしょう。各々が自分のウルトラマンを持ち、なおかつ大抵のファンは他の時代のキャラクターも知っています。というのも、ウルトラの父やウルトラの母という存在があり、近年でもウルトラセブンの息子のゼロや、ウルトラマンタロウの息子のタイガなど、次世代ウルトラマンが主人公になったシリーズも登場。アニメ『ULTRAMAN』でも主人公はかつてウルトラマンとして戦ったハヤタ・シンの息子であり、セブンやタロウの名前を背負ったウルトラマンが戦っています。世代や家族が描かれ、作品世界全体にざっくりと大きなつながりを感じさせる。これもまた、ファンの年齢層の広さ・連帯感の理由のひとつでしょう。中には三世代にわたってウルトラマンファンというご家庭も!

キャストやスタッフ、いわゆる中の人たちも強い「ウルトラマン愛」を持っています。「近年出演してくださった若い方々も、“ウルトラファミリー”の一員となったことを誇りに思ってくれている。嬉しいですね」と、円谷プロダクション藤田さんがお話くださいました。

今回の展示でも、歴代のスーツアクターやキャストがプライベートで訪れてくれるのだとか。実際、取材日に『ウルトラマン80』(ベテラン俳優・長谷川初範さん主演作)のユリアン役を演じた萩原佐代子さんのトークイベントがあったのですが、萩原さん自身も特撮が大好きだそう。

ユリアンTシャツでユリアンのポーズを決める萩原さん

ウルトラマンシリーズに関われて嬉しかったと熱く語り、最後には「特撮を愛していきましょう!」と呼びかけていました。出演者でありながら、熱心なファンそのものの姿に会場は大盛りあがり。
スタッフの皆さんも、やはり『ウルトラマン』という作品に憧れて円谷プロダクションの門を叩いたという方が多いそうです。好きなものに関われるという情熱、思い入れが、長く愛されるアツい作品を生み出しているのですね。

ウルトラマンは地球を救う! ワールドワイドな展開の数々

元々、中国などのアジア圏で人気が高く、オーストラリアやハリウッドとの共同作品もあるウルトラマンシリーズ。インターネットの発達に伴い、その人気はさらに広がることとなりました。ウルトラマン公式YouTubeチャンネルもオープンし、さまざまな番組を配信中。英語字幕も人気です。テレビ放送中の『ウルトラマンZ』(ゼット)の見逃し配信も行い、世界中の人が気になったらすぐ見られるように門戸が開かれています。
また、2020年9月にはアメコミの名門・MARVELコミックスにて『THE RISE OF ULTRAMAN』の発売。MARVELのクリエイターにもウルトラマンの影響を受けという人が多く、今回のオファーにつながったそうです。ウルトラマンのアベンジャーズ入りなんて未来もあり得る? なんて考えるとワクワクしますね。

脈々と継がれるDNA! 光の巨人が照らしてくれるもの


DNAといえば「らせん構造」。連綿と続く形が特徴です。まさにウルトラマンファンの輪は“メビウスリング”のよう。そういえば、メビウスの名を持つウルトラマンもいましたが……。
子どもたちのキラキラした瞳、童心に返った大人たちの目にも目を奪われた「特撮のDNA-ウルトラマンGenealogy」。今回は東京での開催でしたが、新型コロナウイルスが沈静化したら全国どころか、世界に巡回していくのではないのでしょうか。楽しみですね!

ウルトラマンたち「光の巨人」の出身地は光の国。こんなご時世だからこそ、私たちを照らしてくれる存在をより強く感じるのかもしれません。
会場を出る時、「デュワッ」というおなじみの声が聞こえたような気がしました。

※記事中写真は全て©円谷プロ

「特撮のDNA-ウルトラマンGenealogy」

書いた人

歌舞伎を着物で観つつ和菓子を食べ茶を点て過ごす日々。実はTOEIC910点だが、あまり活用していない。旅行とコスメと本が好き。ラグビーとプロレスで叫んでいることもある。今日も漫画は面白い。