Culture
2021.02.11

クイズ!冬の「寒さ」から生まれた和食材とは?ヒントはところてん!

この記事を書いた人
この記事に合いの手する人

この記事に合いの手する人

寒いです。外に出たくありません。一日中ふとんかこたつで丸くなって、みかんかアイス食べていたいです。

わかる~!

そんな風に愚痴りたくなる、このところの寒さ。でも、厳しい寒さがあったからこそ生まれた、絶品和食材があるんだそう。
食いしん坊としては、これは見逃せない!

逆転人生みたいでぐっとくる、「あの食べ物」とは何でしょうか?

なに、なに、気になる!

答えは、寒天!

それは寒天。

天草(てんぐさ)などの海藻を、釜茹での刑でドロドロにし、型にはめて冷ました「ところてん」が寒天の親です。
このところてんが食べ残され、さらに真冬の屋外にうち捨てられたことから、物語は動き始めます。

舞台は江戸初期の冬、京都伏見の宿・美濃屋太郎左衛門方。
参勤交代途中の大名一行がこの宿を利用した際、食べ残したところてん君を屋外に遺棄します。

夜の間に凍りつき、日が上ると溶け、やがてカラカラに干からびた、哀れなところてん。宿の主人がそれに気づき、拾い上げました。

と、なんということでしょう。自然という匠の技によって、ところてんは見事に生まれ変わっていたのです。

知らなかった~!

これが寒天誕生の物語です(詳細については諸説あり)。
万福寺の隠元和尚が「僧侶の食べ物としてこれに勝る清浄なものはない」と絶賛し、「寒天」と命名したと伝わります。現在では料理・和菓子の材料のみならず、医療用・工業用、また化粧品の材料などとしても重要な地位にある寒天。ごく身近な存在ですが、どん底から頂点まで駆け上がった、シンデレラ食材だったのですね。

そういえば、寒天って名前に「寒」の字が入っていました。今まであまり繋げて考えたことがなかったのですが、一説に「寒ざらし」された「ところてん」が語源なのだといいます。マイナスの経験がもたらした栄光の歴史が、その名前に残されていたのですね(氷点下だけに)。

うまい! 

凍り豆腐も製法は似ている

寒天と製法が似ているのが、凍り豆腐です。別名「高野豆腐(こうやどうふ)」「凍(し)み豆腐」「凝 (こごり) 豆腐」「一夜(いちや)豆腐」などとも言い、豆腐を四角く切って氷点下の屋外で凍らせ、解凍・乾燥させます。

高野山の僧が作ったとされることから「高野豆腐」と呼ばれますが、武田信玄や真田幸村 が携帯食として考案したという説、幸村が高野山に隠れていたときに考え出したという説もあります。

高たんぱくで消化もいい、おいしい保存食です。

寒天も高野豆腐も大好きな食材!寒いの苦手だけど、寒さが生んだ食べ物なのね!これからも、美味しく頂きます!

主要参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・『国史大辞典』吉川弘文館

書いた人

人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。

この記事に合いの手する人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。