難攻不落の城
小田原城の起源は15世紀にさかのぼり、当初は地方豪族・大森氏の居城でした。
その後、伊勢宗瑞(北条早雲)がこの城を奪い、後北条氏五代の拠点としての歴史が始まります。以降、北条氏綱、氏康、氏政、氏直と続く歴代当主のもとで城は拡張を重ね、城下町を含む総延長約9キロメートルにも及ぶ「総構え」と呼ばれる巨大な防御施設を備えるまでになりました。
これは当時の日本最大級の城郭都市であり、難攻不落の城として恐れられました。その堅固さは1561年の上杉謙信、1569年の武田信玄による攻撃をも退けたことで証明されています。

しかし1590年、天下統一を目指す豊臣秀吉が、約20万ともいわれる大軍で小田原城を包囲(小田原征伐)。約3カ月にわたる籠城戦の末、後北条氏は降伏し、戦国大名としての北条家は滅亡しました。この戦いは、秀吉による天下統一の総仕上げとして日本史上重要な出来事とされています。
江戸時代に入ると、小田原城は徳川幕府のもとで大久保氏や稲葉氏などが城主を務め、東海道の要衝を守る城として整備されました。天守閣もこの時期に築かれています。ところが、1703年の元禄大地震で天守閣は焼失し、1706年に再建されたものの、1870年の廃城とともに解体・撤去されてしまいました。1923年の関東大震災では、すでに天守閣自体は存在しなかったものの、天守台の石垣など残された遺構が被害を受けています。
現在の天守閣は1960年に鉄筋コンクリートで復興されたもので、江戸時代の設計図をもとに外観が再現されています。 内部は歴史資料館として公開されており、後北条氏の歴史や城の変遷を学ぶことができます。周辺には常盤木門、銅門(あかがねもん)、馬出門などが復元され、当時の姿を今に伝えています。
富士山を望む天守閣と、風魔忍者の世界
天守閣からは小田原市街や相模湾、晴れた日には富士山まで一望でき、絶好の撮影スポットとなっています。春には桜、夏には花菖蒲、冬にはイルミネーションなど、四季折々の景観も魅力です。
また、城内には忍者をテーマにした体験型施設「NINJA館」もあり、小田原北条氏に仕えたとされる忍者集団「風魔」を題材にした忍術体験や甲冑体験など、外国人観光客にも人気のコンテンツが充実しています。
JR小田原駅から徒歩約10分とアクセス良好で、箱根観光と組み合わせて訪れる旅行者も多く見られます。
小田原城 施設概要
開館時間:午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:12月31日、1月1日
12月第2水曜日※館内整理のため
入館料:天守閣入館券
(個人)大人 1000円、小中学生 300円
※天守閣入館券でSAMURAI館も入館いただけます
アクセス:JR東海道新幹線・東海道本線「小田原駅」から徒歩約10分
※小田原城址公園には、一般駐車場はありません。周辺の有料駐車場をご利用ください。

