春を感じさせる淡いピンクの着物で華やかに、優しげに!
和樂:春を感じさせる淡いピンクの訪問着がお似合いの石井さん。春の着こなしについて、こだわりはどんなところでしょう?
石井:今回、訪ねたのは重要文化財でもある洋館の美術館、「東京都庭園美術館」。アール・デコ様式の重厚さもモダンさもある素敵な空間に合うように、いつもよりフォーマル感のある装いを心がけました。淡いピンク地に金銀が華やかに、桜をはじめとする百花が咲き乱れるような訪問着は、まるでアートの一部のようではありませんか!季節を先取りするのが着物の魅力でもあるので、お先に春を満喫します。
和樂:小物のコーディネートはいかがでしょう?
石井:着物の裾に金銀があしらわれていますので、帯にも金銀を取り入れて少しフォーマル感を出しました。帯締めは、明るめのグリーンで、半衿にシックなオレンジを覗かせて、春らしい明るく優しげな雰囲気でまとめています。
和樂:本当にアートの一部になりそうな、素敵な装いです!
メイクは輝きを抑え、柔らかい雰囲気を出します
和樂:淡いピンクの着物に合う春のメイクについてお伺いできますか?
石井:歴史的な建物ですから、キラキラの輝きを極力抑えてシックな仕上がりを目指しました。肌はサテン仕上がりの美容液ファンデーション、「ジバンシイ ソワン ノワール セラム ファンデーション」で内側からわき出るようなツヤ肌にしておいて、「SHISEIDO ベネフィアンス ブライトニング スキンケアパウダー」でシルキーマットに整えます。どちらもスキンケア重視のベースなので、春先の肌をしっとりと美肌キープができます。
アイシャドウはブラウン〜ベージュ系の「ルナソル アイカラーレーション 05」で自然な陰影をつけ、「シスレー リンニュ ノワール ケア アイライナー 1 ディープブラック」で、目元を濃密でツヤのある漆黒で引き締めます。チークは、ミルキーペールピンクの「YSL メイクミーブラッシュ パウダー 42」を、目の下付近にふわりと入れて、自然な血色感を出しています。リップは、「コスメデコルテ ルージュデコルテ クリームグロウ 11G」でツヤツヤしすぎない、エレガントな仕上がりに。
心が映し出されるような貴重な体験が楽しめるアートの魅力
和樂:アートとの出会いは、まさに一期一会。美保さんにとってアートの魅力とは?
石井:その一瞬の時間を感じ取ることが、私にとってのアートの醍醐味ですね。今回の展示では光の移ろいも感じられて、「今ここにいて、この光を感じて、自分の気持ちがどう動くか」ということを大切にしたいと思いました。
和樂:感銘を受けた作品があるそうですね。
石井:三嶋りつ惠さんのガラス作品《宇宙の雫》です。天井からまっすぐ降りたガラスの雫に魅了されました。
和樂:部屋自体も特別な空間で、学芸員の森さんのお話では、森を描いた壁画は、建物の竣工時に、フランスから船でわざわざ運んだものだそうです。その森の景色もガラスに写し込まれて、ひとつの世界が浮かび上がっているように見えます。
石井:ここで私は一瞬で宇宙と繋がるような感覚を持ちました。そんな素晴らしいアートの世界、ぜひ楽しんでみてほしいです!
和樂:美術館の楽しみのひとつに、カフェがありますよね?
石井:ここのカフェは、大きなガラス窓からさんさんと光が降り注ぎ、とても素敵な空間です。ここでゆったりお茶を飲んで、もう一度展示を見たりしたいです。庭も広いし、ひとりで過ごす時間は本当に贅沢。美術の〝美〟と美容の〝美〟は、ともに心が豊かに美しくなる素晴らしいことだと実感できました。みなさんもちょっとおしゃれして、美術館へ出掛けてみてはいかがでしょう。
Café TEIEN(カフェ庭園)
営業時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで) 月曜定休
問い合わせ
東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5丁目21−9
電話: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
営業時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)
公式ウェブサイト
取材した展覧会:「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」
2025年2月16日(日)まで