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Fashion&きもの

2025.01.28

シックでありながら華やかに。アール・デコ様式の東京都庭園美術館で磨く美の造詣。 美容家・石井美保の「和魂美才」vol.10

白金台にあるアール・デコ様式の「東京都庭園美術館」を訪れた石井美保さん。淡いピンク地に金銀や百花があしらわれた訪問着に合わせた、春の光に映える柔らかで上品なメイクについてお聞きします。

春を感じさせる淡いピンクの着物で華やかに、優しげに!

華やかな金銀と百花があしらわれた、ピンクの訪問着の美保さん。展示作品の存在感にもフィットし、自然に映えます。作品は、東京都庭園美術館新館ギャラリーに展示されている青木野枝さんの《ふりそそぐもの−赤》

和樂:春を感じさせる淡いピンクの訪問着がお似合いの石井さん。春の着こなしについて、こだわりはどんなところでしょう?

石井:今回、訪ねたのは重要文化財でもある洋館の美術館、「東京都庭園美術館」。アール・デコ様式の重厚さもモダンさもある素敵な空間に合うように、いつもよりフォーマル感のある装いを心がけました。淡いピンク地に金銀が華やかに、桜をはじめとする百花が咲き乱れるような訪問着は、まるでアートの一部のようではありませんか!季節を先取りするのが着物の魅力でもあるので、お先に春を満喫します。

和樂:小物のコーディネートはいかがでしょう?

石井:着物の裾に金銀があしらわれていますので、帯にも金銀を取り入れて少しフォーマル感を出しました。帯締めは、明るめのグリーンで、半衿にシックなオレンジを覗かせて、春らしい明るく優しげな雰囲気でまとめています。

和樂:本当にアートの一部になりそうな、素敵な装いです!

ガラス越しの光を浴びる美保さんの微笑みは、とてもエレガント!

メイクは輝きを抑え、柔らかい雰囲気を出します

輝きを抑えた上品な春メイクの美保さん。

和樂:淡いピンクの着物に合う春のメイクについてお伺いできますか?

石井:歴史的な建物ですから、キラキラの輝きを極力抑えてシックな仕上がりを目指しました。肌はサテン仕上がりの美容液ファンデーション、「ジバンシイ ソワン ノワール セラム ファンデーション」で内側からわき出るようなツヤ肌にしておいて、「SHISEIDO ベネフィアンス ブライトニング スキンケアパウダー」でシルキーマットに整えます。どちらもスキンケア重視のベースなので、春先の肌をしっとりと美肌キープができます。

アイシャドウはブラウン〜ベージュ系の「ルナソル アイカラーレーション 05」で自然な陰影をつけ、「シスレー リンニュ ノワール ケア アイライナー 1 ディープブラック」で、目元を濃密でツヤのある漆黒で引き締めます。チークは、ミルキーペールピンクの「YSL メイクミーブラッシュ パウダー 42」を、目の下付近にふわりと入れて、自然な血色感を出しています。リップは、「コスメデコルテ ルージュデコルテ クリームグロウ 11G」でツヤツヤしすぎない、エレガントな仕上がりに。

目を伏せた美保さん。色を抑えた、マット質感の仕上がりが上品です。

着物の裾も華やかな百花で覆い尽くされています。草履は歩きやすいクッション性のあるものを。

心が映し出されるような貴重な体験が楽しめるアートの魅力

「一瞬で宇宙と繋がることができそう」と言う美保さん。

三嶋りつ惠さんのガラス作品は、その名も《宇宙の雫》

和樂:アートとの出会いは、まさに一期一会。美保さんにとってアートの魅力とは?

石井:その一瞬の時間を感じ取ることが、私にとってのアートの醍醐味ですね。今回の展示では光の移ろいも感じられて、「今ここにいて、この光を感じて、自分の気持ちがどう動くか」ということを大切にしたいと思いました。

和樂:感銘を受けた作品があるそうですね。

石井:三嶋りつ惠さんのガラス作品《宇宙の雫》です。天井からまっすぐ降りたガラスの雫に魅了されました。

和樂:部屋自体も特別な空間で、学芸員の森さんのお話では、森を描いた壁画は、建物の竣工時に、フランスから船でわざわざ運んだものだそうです。その森の景色もガラスに写し込まれて、ひとつの世界が浮かび上がっているように見えます。

石井:ここで私は一瞬で宇宙と繋がるような感覚を持ちました。そんな素晴らしいアートの世界、ぜひ楽しんでみてほしいです!

香水瓶を思わせる三嶋りつ惠さんのガラス作品《香》は、本館入り口付近の来客用化粧室に。

本館3階には、青木野枝さんの《ふりそそぐもの/朝香宮邸 Ⅷ》と、三嶋りつ惠さんの《HELIOS Ⅰ,Ⅱ》が展示されている。

和樂:美術館の楽しみのひとつに、カフェがありますよね?

石井:ここのカフェは、大きなガラス窓からさんさんと光が降り注ぎ、とても素敵な空間です。ここでゆったりお茶を飲んで、もう一度展示を見たりしたいです。庭も広いし、ひとりで過ごす時間は本当に贅沢。美術の〝美〟と美容の〝美〟は、ともに心が豊かに美しくなる素晴らしいことだと実感できました。みなさんもちょっとおしゃれして、美術館へ出掛けてみてはいかがでしょう。

大きなガラス窓が印象的な、東京都庭園美術館新館1階の「Café TEIEN(カフェ庭園)」での美保さん。

Café TEIEN(カフェ庭園)

営業時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで) 月曜定休

人気のスイーツは、抹茶とマスカルポーネチーズの相性が抜群の「TEIENティラミス」(税込800円)。表面を覆う抹茶で庭園の芝生をイメージしているそう。

問い合わせ

東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5丁目21−9
電話: 050-5541-8600(ハローダイヤル)
営業時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)
公式ウェブサイト

取材した展覧会:「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」
2025年2月16日(日)まで

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石井美保

美容家、トータルビューティーサロンRiche代表。深い美容愛とさっぱりした物腰で、幅広い層にファンが多い。自身の経験に基づく美容法とコスメ選びは、常に注目を集めている。

インタビュー・本文/國藤直子(STRIPE) 写真/目黒智子 着付け/星山奈保子 ヘア/高倉里美 撮影協力/東京都庭園美術館
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