「ブルガリ」を象徴する圧倒的なボリュームと大胆な宝石のコンビネーション──
その驚きに満ちたクリエイションをさらに特別なものにしているのは、自然界からもたらされた類い希な宝石の数々にほかなりません。
高級宝飾の世界では、これまで以上に宝石の産出地やクオリティが重要視されるようになってきました。そうした流れを生み出した先駆者たる「ブルガリ」のハイジュエリーコレクション「ブルガリ エデン ザ ガーデン オブ ワンダーズ」をご紹介します。
注目のカラーストーンがメゾンの重要な宝石、エメラルドを鮮麗に彩る
イタリア・ルネサンス期の華麗な芸術様式を継承するローマのハイジュエラー「ブルガリ」。そのハイジュエリーコレクション「ブルガリ エデン ザ ガーデン オブ ワンダーズ」は、想像を超えたクリエイションで私たちを〝驚きに満ちた世界〟へと誘います。
自然界を讃えた点以上のハイジュエリーと宝飾時計で構成されるコレクションには、メゾン史上初となる30点以上の壮麗なエメラルドジュエリーの作品群が含まれていることも注目に値するでしょう。
シンメトリーのデザインが優美なモチーフを力強く
カラーストーンの配置までもシンメトリーにこだわったデザインが、花を思わせるモチーフを力強く、洗練された印象に。中央のエメラルドは理想的な緑色が魅力のコロンビア産。
エメラルドと澄んだ宝石が瑞々しいハーモニーを奏でる
コロンビア産エメラルドを透明感に溢れた宝石が彩ります。パープルとピンクの石は、見る角度を問わず鮮麗なスピネル。パライバトルマリンのブルーが軽快なアクセントに。
希少な宝石が壮麗な美しさにさらなる価値をもたらす
デザイン性の高さか、価値ある宝石か──ジュエリーを愛する人々は、常にこの選択を迫られてきました。具体的に、前者は金工などの技巧による細工の素晴しさで魅せるジュエリーを、後者は希少な宝石を主役にしたシンプルなジュエリーを示しています。特別なオーダーなどを除いて、両者が融合することはほぼありませんでした。それが宝飾界の不文律でもあったのです。
しかし、世の価値観も変わり、そうした状況にも変化が…。そんな時代のムードを敏感に察知し、先んじてクリエイションに反映させたメゾンが「ブルガリ」でした。そのハイジュエリーには不純物を含まない無色の「タイプⅡaダイヤモンド」や、色を鮮やかにする加熱処理を施していない「非加熱サファイア」など、宝石コレクター垂涎のレアストーンが使われています。また、以前にも増して産出地の選択にこだわりが感じられるようになりました。
このハイジュエリーコレクションにも、価値ある宝石が積極的に用いられています。なかでも注目すべきは最上級のコロンビア産エメラルドで、数百の数をそろえるには何年もの歳月が費やされました。
創造性豊かな「ブルガリ・スタイル」のハイジュエリーが希少な宝石によって、さらに価値あるものに。それは、身に纏って楽しめる芸術であり、資産といっても決して過言ではないでしょう。
幸福と繁栄のシンボル「シダ」をモチーフにした輝きは、美の女神へのオマージュ
エメラルドと巧緻な細工の息を吞むほど見事な調和
イタリア語で「ヴィーナスの髪」という意味をもつシダ科の植物「カペルヴェーネレ」から着想を得た、優雅で軽やかなデザイン。中央のエメラルドは透明感を生かしてオクタゴナル(八角形)カットに。アシメトリーに配されたエメラルドのビーズが繊細に揺れ動きます。
若葉にも似たグリーンの鮮明でいてやわらかな色彩
育まれた環境が色や内包物でわかるエメラルドは、実に神秘的な宝石。イヤリングの先端で揺れるペアシェイプのエメラルドは彩度が高く、それでいてやわらかな緑色がコロンビア産ならでは。カラーレス(無色) のダイヤモンドがその鮮明な色を引き立てます。
本記事は『和樂』2022年10.11月号の転載です
撮影/戸田嘉昭