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2024.01.15

ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ」アールデコ様式をモチーフにした新作を発表

昨秋ドバイでヴァシュロン・コンスタンタンからあらたに「レ・キャビノティエ - レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録)」が発表されました。その魅力を探るシリーズ後編では、グランドコンプリケーションと呼ばれる複雑機構にスポットを当てます。もちろんメティエ・ダールによる美しき工芸装飾も。そこには270年近く続くマニュファクチュールの伝統が息づきます。

前編はこちら
美と技を極めるヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ」の世界

時計の文化と芸術を継承する「レ・キャビノティエ」

コレクション名である“キャビノティエ”とは、卓越した技術を持つ職人を示す言葉であり、17世紀スイスの時計工房では採光に恵まれた屋根裏部屋(キャビネット)で時計職人始め、彫金師や宝飾職人などが精密な作業に従事したことに由来します。ヴァシュロン・コンスタンタンはキャビノティエと名付けた顧客向けユニークピース専門の部署を設け、この伝統を現代に受け継ぎます。それは1755年の創業以来一度も途絶えることなく時計作りを続ける名門の矜持であると同時に、次世代へとつなぐための大きな使命なのです。

「レ・キャビノティエ」は、特別な顧客が依頼するオートクチュールを基本にした、オーダーメイドによる1点製作のユニークピースであり、これまで培ってきた高級時計製造や装飾技法を駆使したモデルを発表しています。時計の文化と芸術の継承とともに、いまも自社内で研鑽を続ける技術を誇示します。

先人の旅への敬意をアールデコ様式に込めて

今回テーマとなったのが「レシ・ドゥ・ヴォヤージュ(旅の見聞録)」。これは、19世紀初頭に新たな販路を求めて世界を旅した共同経営者フランソワ・コンスタンタンの冒険心とチャレンジに敬意を表します。フランソワの旅は、スイスから中央ヨーロッパやアメリカ、北欧、アジアを巡り、ブランドの名を世界に広め、繁栄をもたらしました。そのなかでも大西洋を越えたアメリカでは1810年代から取引が始まり、1832年にはニューヨークに最初の拠点を構えます。そして20世紀初頭にはアメリカを代表する名家や名士たちに愛用され、スイス高級時計の地位を確立したのです。そうした歴史的な結びつきから、舞台となったニューヨークを象徴するアールデコ様式をモチーフにした新作が2本発表されました。

二大コンプリケーションの華麗なる競演
「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン – アールデコ様式への賛辞 –」

「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン – アールデコ様式への賛辞 –」は、マンハッタンの摩天楼を代表するクライスラービルのアールデコ様式をデザインに取り入れました。下方から放射状に伸びた剣型の幾何学パターンには、木工のマルケトリー技法を採用。これは梨の木とユリノキの110枚の小さな木片をモザイクのように組み合わせ、絵柄を描写します。さらに地金を削り取り、縁取りした凹部に象嵌するシャンルベ・エナメルの技法をブランドでは初めて合体し、天然木の色合いをより美しく際立たせます。そしてこれを取り囲む外周のリングには、長さの異なるバゲットカットダイヤモンドをセッティングし、その輝きは天に伸びるビルディングの躍動感を演出するのです。

狂騒の20年代を彷彿とさせる華やかさと先進性の表現の中心に据えたのが、精緻な技術を象徴するトゥールビヨンです。ブランドロゴでもあるマルタ十字が象られた大径キャリッジのダイナミックな回転は、高精度を担保するとともに時を刻み続ける力強さを印象づけます。そしてケースサイドにさり気なく設けたスライダーこそ最高峰コンプリケーションの証、ミニットリピーターです。これをスライドさせると、内蔵した二つのハンマーがリング状のゴングを叩き、クォーター(15分)と分を組み合わせた美しい音色で現在時刻を知らせます。

掘り込んだ地金にカットした木片を象嵌する。こうしてでき上がったプレートを文字盤には2層に重ね、奥行きを表現する。

「レ・キャビノティエ・ミニットリピーター・トゥールビヨン – アールデコ様式への賛辞 –」

18KPG、ケースサイズ44mm、手巻き式、ミシシッピーアリゲーターストラップ

独創の技術とともに時計職人の情熱を次世代へ
「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン – アールデコ様式への賛辞 –」

アールデコ様式をデザインモチーフにしたもう1本が「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン – アールデコ様式への賛辞 –」です。文字盤の右半分には、半円で時分を差すダブルレトログラード式表示を採用します。これは、天頂から進み始めた時針が12時間で半周した後、元の位置に戻り、同じように分針も60分で半周し、それぞれの針が再び時分を刻み始めるという独創的な機構。このユニークな針の動きに加え、ローマ数字を象ったミニッツトラックは、アールデコ様式のエレベーター昇降表示を想起させます。

その左に備える独自のアーミラリトゥールビヨンは、2軸にすることでキャリッジの動きを平面からより複雑な3次元に展開します。文字盤を覆う風防のトゥールビヨン部分だけがドームのように盛り上がっているのもこのため。さらにヒゲゼンマイも筒状になったシリンダー型を搭載します。アーミラリとは天球儀を意味し、スケルトン文字盤から球体のトゥールビヨンの動きが楽しめるのです。

こうした独創的な自社キャリバーをゴールドとブラックでシックに彩るのに対し、裏蓋ではアールデコ様式のデザインをブリッジ全面に施します。3分割でありながら、その隙間も感じさせない連続したバ・ルリエフ(浅浮き彫り)はブランドでも初であり、制作には1か月を要します。

3分割のブリッジには、バ・ルリエフと呼ばれる浅浮き彫りをした上、ベルサージュ(点刻)で縁飾りを仕上げる。さらに周囲の地の部分を削り、グレイン仕上げを施す。

「レ・キャビノティエ・アーミラリ・トゥールビヨン – アールデコ様式への賛辞 –」

18KYG、ケースサイズ45mm、手巻き式、ミシシッピーアリゲーターストラップ

文/柴田 充

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和樂web編集部

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