「ブシュロン」に創業から伝わる自由で革新的な精神を継承したハイジュエリーコレクション「カルト ブランシュ」。その新作のテーマは、「水」。躍動する水の一瞬の姿を捉え、生命力にあふれる水のあらゆる形態と美しさに着目した作品が、私たちに驚きと感動をもたらします。
革新的な作品に誘われ、新たな創造の旅へ
豊かな創造力から生まれる「ブシュロン」のハイジュエリーコレクション。今年は「水」をテーマに、26作品からなる「オル ブルー」と名づけたコレクションが発表されました。
創作の具体的なインスピレーション源となったのは、力強く、エネルギーに満ちたアイスランドの水。波に、氷河に、瀧に、無限に変化する水は、クリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌによって、永遠にその美しさを封じ込められることに…。雄大な自然の美に魅せられたクレールは、水の色、質感、流れ、反射する光、透明感などはありのままに表現しながらも、クリエイティビティあふれる作品を生み出しました。そのひとつひとつが大自然のパワーを感じさせ、壮大な地球の物語を想起させます。
パリで披露されたコレクションのプロローグは、雄大なアイスランドの映像から始まりました。クレールがインスパイアされた風景は、著名なアート写真家ヤン・エリック・ワイダーによる幻想的な写真となって、ハイジュエリーとともに展示。会場のBGMは、環境音をエレクトリックミュージックに取り入れるサウンドアーティスト、モレキュールが手がけました。
クレールのイノベーティブな作品づくりは、今回のコレクションにおいても変わらず。技術面における難度とこだわりは、以前にも増して高まっているように思えます。たとえば、水の波紋を表現した作品は、透けるほど薄く研磨したロッククリスタルに彫刻を施し、3Dソフトウェアで解析した波紋の〝動き〟までも再現。素材にはアルミニウム、チタン、大理石、黒曜石、そして黒い砂も使われました。また、本コレクションではメタルの存在感が消されています。水と氷の世界に、金属の人工的な輝きはそぐわなかったのでしょう。完璧主義者のアーティスト、クレール・ショワンヌはこだわりを突き詰め、実現していくことでまたひとつ、不可能を可能とする術を手にしたのです。
極薄のロッククリスタルに水の波紋の〝動き〟を再現
〝北斎の波〟が時を経て再びインスピレーションの源に
エッチングで描かれたリアルな波打ち際の情景
モダンな意匠に昇華された流氷と黒砂に打ち寄せる波
宝石のなかに宝石を彫った遊び心にあふれるデザイン
光と影のように寄り添う宝石が生み出す調和の美
宝飾技巧にとどまらない! あらゆる技術をジュエリー制作に生かして
これまで木材や隕石、産業廃棄物などの宝飾界には未知の素材を採用し、宇宙工学といった先端技術までもハイジュエリー制作に生かしてきた「ブシュロン」。今回は、版画に使われるエッチング技術が取り入れられました。
また、金属はチタンやアルミニウムがよく使われるように…。加工の難しい素材を扱える職人が揃っていることも、「ブシュロン」のアトリエの強みといえます。
お問い合わせ先/ブシュロン クライアントサービス フリーダイヤル 0120・230・441
撮影/武田正彦 コーディネート/鈴木春恵
※文中のWGはホワイトゴールド、ctはカラットを表します。
※価格表記はすべて税込み価格です
※本記事は『和樂』2024年10,11月号別冊付録の転載です
※価格は2024年9月1日時点のものです
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