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12,1月号2025.10.31発売

今こそ知りたい!千利休の『茶』と『美』

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2025.10.31

「ディオール」ときもの──────匠の技が紡ぐ、美の系譜

パリのオートクチュールメゾン「ディオール」と日本のきもの──両者に共通するのは、 匠の技へのオマージュ。今、東西の手仕事の美が響き合い、「ディオール」のファインジュエリーや時計、 そしてバッグが、日本伝統の装いをモダンで遊び心あふれるスタイルに昇華させます。

パリのメゾンのジュエリーと日本の装い──職人技の融合が新たなスタイルを生み出す

無難なイメージから脱する、モダンなジュエリー使い

幾何学的な「カナージュ」モチーフが、日常のきものを一瞬にしてモダンに。「マイ ディオール」イヤリング[PG]¥720,000・リング[ダイヤモンド×PG]¥1,500,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) 「レディ D-ジョイ」バッグ[縦11×横22×マチ6㎝]¥770,000(クリスチャン ディオール〈ディオール〉) 結城紬のきもの・帯(銀座もとじ 和織) 帯揚げ(加藤萬〈みふじ〉) 帯締め(龍工房)

訪問着には鮮麗なイヤリングを合わせて、装いに個性を。イヤリングの下部は取り外せ、2通りに着用できる。イヤリング[WG×PG×YG×ダイヤモンド×スペサルタイトガーネット×ピンクオパール×エメラルド×ルビー×ツァボライト×ピンク&イエローサファイア]参考価格¥34,000,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) きもの(千總)

「ディオール」ときもの──響き合うサヴォアフェールと手仕事への敬意

「ディオール」と日本のきもの。両者のクリエイションには、究極のサヴォアフェール(匠の技)と手仕事への深いオマージュ、さらに繊細な美意識が息づいています。
きものの制作現場に見られる職人の高度な分業体制は、オートクチュールのアトリエを彷彿とさせます。双方に共通するのは、効率重視のものづくりとは対極にある、手間と時間をかけるからこそ生まれる価値とそのプロセスを尊ぶ精神にほかなりません。
1953年から’54 年にかけて、メゾンの創設者クリスチャン・ディオールは、京都の「龍村美術織物」の職人技に魅せられ、協業で作品を制作。龍村は古裂や名物裂などを復元・創造してきた名門織物工房です。「ディオール」は龍村の「早雲寺文台裂」や「宗薫緞子」といった織物を用いて、「歌麿」「東京」「羅生門」と名づけられたオートクチュールの作品を生み出し、’54 年の秋冬コレクションで発表しました。
そして、その出合いから約70年を経た2025年、「ディオール」は京都で開催するコレクションのために再び龍村に織物の制作を依頼。この出来事は、時を超えてなお両者の創造性が共鳴していることを意味しています。
こうした職人技への敬意は、「ディオール」が展開するファイン ジュエリーやタイムピース、バッグをはじめとするレザーグッズの創作にも継承されてきました。それが今日、永遠に色褪せない普遍的な美を創造し続けているのです。

卓越した金工技が幾何学モチーフを昇華させて、芸術的な輝きに…

日本の伝統柄と調和する、グラフィックなジュエリー

卓越した金細工の技から生まれた、ふたつのアイコンジュエリー。「マイ ディオール」は、「カナージュ」モチーフが編み込まれているかのように連なる。このモチーフは、クリスチャン・ディオールが1947年に最初のオートクチュールを発表した際、会場に置かれた椅子の籐の座面に着想を得て生まれた。今やメゾンを象徴するモチーフとなり、ファイン ジュエリーのほか、あらゆるアイテムに用いられている。「ジェム ディオール」は、鉱物の地層を幾何学的に表現したモチーフ。それが、高低差をつけて絶妙なバランスで配置されている。菱文様など日本の伝統柄との相性もよく、装いをモダンな印象に。リング〈上から〉「マイ ディオール」[ダイヤモンド×WG]¥1,600,000・「ジェム ディオール」[ダイヤモンド×WG]¥1,300,000・[ダイヤモンド×PG]¥610,000・「マイ ディオール」[PG]¥530,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) 菱の地紋に金箔の四つ割菱を配した反物(最上)

象徴的なモチーフを重ねて、華やかな装いに遊び心を

正統派の訪問着にはあえてモードなジュエリーとバッグを合わせて、現代的な着こなしに。リングはゴールドの色違いを重ねづけ。華やかなシーンには、小さめのバッグを選んでバランスよく。「カナージュ」ステッチを施したラムスキンのバッグは、パウダーベージュが上品。取り外し可能なチェーンショルダーストラップ付きで、和装に限らず愛用できる。リング「ジェム ディオール」〈指先から〉[ダイヤモンド×WG]¥660,000・[ダイヤモンド×PG]¥1,200,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) バッグ「レディ ディオール」[縦15×横17×マチ7㎝]¥815,000(クリスチャン ディオール〈ディオール〉) きもの・帯(千總) 帯締め(龍工房)

きものの着こなしも、現代の息吹を取り入れて進化を遂げていくべき

日本の伝統美を象徴するきものは、時代を超えて人々を魅了してきました。その繊細な意匠と品格のある佇まいは、まさに日本文化の精華といえます。
しかし、きものの着こなしは決して不変ではありません。時代ごとの感性や生活様式に呼応し、静かに、しなやかに潮流を取り入れながら、姿を変えてきたのです。
近年は、洋のエレガンスを融合させたスタイルも注目を集めています。私たちは、そうした変化を柔軟に受け入れ、洋服を纏うときと同じような感覚で、ジュエリーやリストウォッチ、バッグなどを自由に選びたいもの。その選択が少し大胆に思えたとしても、今を象徴するデザインが伝統の装いを進化させ、きものの新たな魅力と表情を引き出します。
また、きものは日本人のしなやかな感性と美意識を映し出す鏡ともいえるでしょう。過去の様式を尊びながらも、そこに現代の息吹を重ねていく──それこそが、今にふさわしい着こなしへの早道でもあるのです。

光の刺繡を思わせるダイヤモンドの眩い輝きが、装いの格を高めて…

モードな気品を添える、煌めくブローチを帯留めに

多様なカットのダイヤモンドをあしらったブローチが、装いにモードな気品をもたらす。ブローチ「ガロン ディオール」[ダイヤモンド×WG]参考価格¥18,000,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) きもの・帯(永井織物〈永治屋清左衛門〉) 帯揚げ(加藤萬〈みふじ〉)

コンテンポラリーな輝きは、クチュールの縁飾りが着想源

クチュールのブレード(縁飾り)に着想を得た、コンテンポラリーでいてエレガントなデザイン。季節やきものの柄を気にせずコーディネートが楽しめる。「ガロン ディオール」ブローチ[ダイヤモンド×WG]参考価格¥18,000,000・イヤリング[ダイヤモンド×WG×PG]参考価格¥13,500,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) 帯地(銀座もとじ 和織) 扇子/スタイリスト私物

大人にこそ似合う!
個性的なモチーフの輝きが、いつもの装いを新鮮に

シンボリックなモチーフは、大胆なアレンジが現代的

「ディオール」では、創設者が愛した薔薇モチーフのリングが豊富に揃う。リング〈右から〉「ローズ ディオール プレ カトラン」[ピンククオーツ×ダイヤモンド×PG]¥1,900,000・「ボワ ドゥ ローズ」[ダイヤモンド×PG]¥1,050,000・[ダイヤモンド×WG]¥1,100,000・「ローズ ディオール バガテル」[ダイヤモンド×PG]¥5,400,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) 反物(永井織物〈永治屋清左衛門〉)

エレガントな訪問着に、グラフィカルな意匠のジュエリーを合わせて現代的に。スターのモチーフは、風配図が着想源。ピアスの下部のメダイヨンはリバーシブルで、裏面にダイヤモンドが輝く。取り外しも可能。「ローズ デ ヴァン トライバル」シングルピアス[ダイヤモンド×PG]¥2,200,000・「ローズ デ ヴァン」リング[ダイヤモンド×PG]¥1,950,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) きもの(永井織物〈永治屋清左衛門〉)

彫金技による「カナージュ」モチーフが手仕事の美を伝えて

印象を決める3大小物は、旬の色と意匠を取り入れて

ジュエリー、時計、バッグの3大小物にトレンドを取り入れて、きものスタイルの刷新を。今、ターコイズは注目の宝石でありトレンドカラー。バッグは世界的アーティスト、ソフィア・ローブによる作品で、カーフスキンにエンボス加工を施し、手塗りで仕上げられている。「ラ デ マイ ディオール」ウォッチ[ダイヤモンド×YG、ターコイズラッカー、ケース径19㎜、クオーツ]¥6,600,000(クリスチャン ディオール〈ディオール タイムピーシズ〉) 「マイ ディオール」[ターコイズラッカー×YG]¥540,000(クリスチャン ディオール〈ディオール ファイン ジュエリー〉) 「レディ ディオール」バッグ[縦15×横17×マチ7㎝]価格非公開(クリスチャン ディオール〈ディオール〉) ©DIOR LADY ART LIMITED EDITION IN COLLABORATION WITH SOPHIA LOEB きもの(銀座もとじ 和織)

ケース径19ミリで薄型の理想的なきもの用ウォッチ

「カナージュ」モチーフが文字盤とストラップを繫ぐ、優美かつ精巧なデザイン。「ラ デ マイ ディオール」ウォッチ[ケース径19㎜、クオーツ]〈上から〉[ダイヤモンド×SS、グレーMOP]¥1,170,000・[ダイヤモンド×YG]¥6,400,000・[ダイヤモンド×SS×YG、MOP]¥1,430,000・[ダイヤモンド×YG、ブラックラッカー]¥6,600,000(クリスチャン ディオール〈ディオール タイムピーシズ〉) 帯締め(龍工房)
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福田 詞子(英国宝石学協会 FGA)


撮影/生田昌士(hannah) スタイリスト(きもの)・着付け/小田桐はるみ ヘア/hiro TSUKUI(ペールマネジメント) メーク/三澤公幸(ペールマネジメント) ネイル/井上由美(Hands-On) モデル/松田珠希 きものアドバイザー/吉川明子 編集協力/バックグラウンズファクトリー

※文中のWGはホワイトゴールド、YGはイエローゴールド、PGはピンクゴールド、SSはステンレススティール、MOPはマザーオブパール、ctはカラットを表します。
※この特集での価格表記は、すべて税込価格です。
※本記事は『和樂』2025年12月号の転載です。
※価格は2025年10月31日時点のものです。
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