美術界が大注目!田村大さんが描く驚異的なイラスト作品を見逃すな!【ロングインタビュー前編】

美術界が大注目!田村大さんが描く驚異的なイラスト作品を見逃すな!【ロングインタビュー前編】

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和樂Web読者の方にご紹介してみたい、とんでもなく個性的で凄いアーティストに出会ってしまいました!その方とは、現在イラストレーター/アーティストとして国際的に活躍する田村大さんという方です。

20代後半までごく普通の会社員として勤め上げた後、仕事を通じて「似顔絵」の楽しさに目覚め、商業施設で似顔絵制作会社に転職。入社後7年間で3万人以上の似顔絵を描きまくり、2016年、「似顔絵」世界大会であるISCAカリカチュア世界大会で総合優勝。その後、コツコツと投稿を続けていたアメリカのプロバスケットボール選手の似顔絵がSNS上で「凄い!」と大評判に。Instagramで世界中から注目され、2019年7月現在では、現役NBA選手を含め10万人以上のフォロワーから熱い支持を受けるなど、世界的に知名度を上げている大ブレイク中のイラストレーター/アーティストなのです。

今回、筆者も親しくさせて頂いているアートブロガー「青い日記帳」管理人のTakさん(@taktwi)から「田村さんにインタビューさせて頂けそうだけど、一緒に来る?」とお誘い頂き、二つ返事で参加。2019年、イラストレーターとしてだけでなく、一人のアーティストとして活動の幅を広げようとしている田村さんにじっくりとお話を聞くことができました。(Takさんの記事はこちら。記事1
記事2

10万人以上のフォロワーがInstagramで心待ちにする田村大さんの作品の魅力とは?

―インタビューにあたって、改めてInstagramやYoutubeを拝見させて頂きました。主にNBAのバスケットボール選手を描いていらっしゃいますが、どの作品も非常に迫力満点でしびれました。つい最近まで似顔絵を描いていらっしゃっただけあって、各選手のちょっとした仕草や特徴を的確に捕らえつつ、非常にカッコよく描かれていますよね?

ほぼ毎日自身の作品をアップしているInstagram。ここ1~2年の田村さんの画業の全てがここにあるといっても過言ではありません。

ありがとうございます。僕は小学生の時に鳥山明さんの世界にあこがれてから、ずっと男性のスーパーヒーロー像を描くことが好きなんです。中学の時からバスケットボール一筋だったので、僕にとっての身近なスーパーヒーローといえば、やはりNBAの選手たちなんですよね。スポーツ選手って、お立ち台に立った時「ヒーローインタビュー」って言われるように、大人も子供も一種のスーパーヒーローとして自分を投影してゲームを眺めていたり、夢を託していたりするんじゃないかなと思うんです。だから、僕はそういう彼らのかっこよさや躍動感みたいなものが良い意味で誇張されるようなスタイルで描くことを心がけています。

―確かに!カリカチュアでの様々なテクニックを駆使して、アメコミヒーローがやるようなカッコいいポーズをリアルに描いていらっしゃいますよね。

そうですね。ただカリカチュア的にものすごく誇張してマンガっぽくするのではなく、筋肉を少し多く描いたり、本物よりは動作を大げさに描いたりしますが、それはあくまで選手たちの魅力がより伝わるように意識してのことなんです。

―絵の中の効果などにも、マンガ的な要素を取り入れていらっしゃいますね。動きの線とか。

これらは躍動感を出すためにやっています。面白いのは、僕の絵を見てくださるファンの方の反応なんです。僕のインスタってフォロワーが今10万人いるんですが…

―ええっ?!10万人もいるんですか?!

はい、おかげさまで(笑)面白いのは、フォロワーの約半数はアメリカ人なんです。作品を投稿するたびに日本とアメリカ両方の方からコメントを頂くのですが、日本人とアメリカ人では僕の絵に対する感想が全く違うのが面白いんですよね。日本人が僕の絵を見ると「アメコミ」に見えるみたいですが、アメリカ人の認識では「ジャパニーズマンガ」として捉えられているようなんです。鳥山明さんなどジャンプのキャラクターを繰り返し描いてきた子供時代のスタイルと、前職でカリカチュアを描いていたスタイルが融合したような感じで、ちょうど日本のマンガとアメコミの要素がミックスされたような画風が今の僕のオリジナルじゃないかなと思っています。

-また、動画を拝見すると色鉛筆やマーカーなど色々な画材を使われていますが、イラストを描く時どれを一番使われますか?

一番使うのは漫画家が良く使う「コピック」という油性のマーカーですね。最近は結構デジタルでスマートに描くのが主流になってきてるんですが、デジタル系の画材って、画面で観る時はよく見えるんですが、印刷すると良さが失われてしまうんですね。だから僕は敢えて手描きにこだわっています。それに、これはカリカチュアの現場で描いたり、世界大会に出ている時に学んだのですが、イラストって、描いているところもパフォーマンスなので。デジタル機材を駆使して描いても、もう一つその技術的な「凄さ」が伝わりにくいんです。むしろ、だれもが入手できる「コピック」のようなライトに仕上がるお手軽な画材で、だれも描けないような重い作品が描ければ、対外的なアピールも含めて絵の価値がわかっていただけるかなという計算もあります(笑)

―Youtubeの動画で拝見しましたが、油性マーカーって失敗がきかないように見えるので、ハラハラしながら見ていたんですが…どの作品も凄く精密なのに失敗することなくササッと素早く描かれてしまうところに、本当に凄い作画技術をお持ちなんだなと思いました。

ありがとうございます。そうなんですよ。前職ではお店でお客さんの似顔絵を即興で描くのが仕事で、やり直しが許されない中、10分程度で消しゴムなしで下書きから彩色まで一気にこなすセッションを3万人以上経験してきたのが今活きていると思うんです。しかも、ギャラリーに見られながら、お客さんと軽く会話しながら1人の人を描くって思った以上にタフな仕事なんですよね。そんな中、一発で仕上げまで持っていくための根性や思い切りみたいなものが知らず知らずに培われていったのかもしれません。

―面白かったのは、何色も派手に色を使うのではなく、微妙に濃淡をつけながら1色のマーカーを塗り重ねていくような、水墨画の世界に似たような技術が必要とされるんだなというところですね。

画像提供:アートブログ「青い日記帳」Takさん

これは見た目以上に難しいんです。習得するのに相当時間がかかりました。水墨画でもそうなんでしょうけど、シンプルな画材だからこその難しさっていうのはあると思います。ちょうど歌舞伎の絵もコピックを使って、カリカチュアの世界大会で優勝した技法を使って描きました。

「遅咲き」のアーティスト、田村さんの画業のルーツは小学生時代?!

―ところで、田村さんがイラストを描くきっかけは何だったのでしょうか?

思い返すと、幼少時からかなり絵を描いていました。保育園の時は頭の中にあるものをただ描いてましたね。自宅を建て替えるから、壁に描いていいよっていわれて部屋の壁一面に絵を描いたりしたのも良い思い出です。そういうの全くダメって言わない親で、のびのび描かせてくれたんですけど、結局家建て替える時期がどんどん遅れて、壁を塗り替えるハメになりましたが、塗り直した後またそこに描いてましたね。そして、それをずっと両親が叱らずに褒めてくれていたのは大きかったと思いますね。

―小学生になって、少年ジャンプなどの人気キャラクターを描くようになったんですね?

そうです。父と兄が買ってきたジャンプ・マガジン・サンデーをいつも読んでいました。その中でもドラゴンボールが好きで、内容よりも絵の方を見ていました。自分も鳥山明さんのようにかっこ良くスーパーヒーローを描きたいなと思って、良く自由帳に書き写していました。

―鳥山明さんの絵のどのようなところに惹かれたのでしょうか?

男性を描くのが好きで、鳥山明さんが描く男性の絵、特に筋肉とか、躍動感っていうところにその頃から自分は興味があったのですが、上手ですよね。あの方すごく。人を描かせても上手いし、機械も動物もすべて上手なので。凄いなぁと思ってました。

―でも、高校~大学に進学するあたりまでは、どちらかというと体育会系的なキャリアを歩まれていたのですよね?

小学校では野球をやっていて、中学~大学まで一貫してバスケットボールをやっていました。美術部っていう選択肢もあったかもしれないですが、当時は体を動かすほうが好きで、部活やってるか授業中に絵を描いているかっていう感じでした。でも高校時代の友達に久々に会ったりすると、絵が上手な印象があったっていうふうに言ってくれるんですよね。せいぜいノートの切れ端に絵を描くくらいで、作品を大々的に披露したつもりはないんですけど、周りの人たちは見てくれていたのかもしれないですね。

負けず嫌いな熱さと、冷徹な行動力で頭角を表した専門学校での修行時代

―転機が訪れたのは、大学卒業間際だったのですね?

そうですね。それまでバスケットボール一筋だったんですが、大学3年生で就活の時期を迎えていろいろ考えました。このまま普通の仕事に就いたとして、あれこれまた仕事中の合間に絵を描いて終わってしまうんでは?俺の人生ってその繰り返し?と、ふと考えるとこのまま就職するのが嫌になったんですよね。どこかで絵を極めたいという思いがずっとあったんです。でも、それまで一度もきちんと絵を習ったことがなくて。だったらもう絵の世界に飛び込んで、勉強すれば、そういったハードルを越えられるんじゃないかと思って。親にお願いして、3年生から受験勉強をして桑沢デザイン研究所という専門学校に通うことになりました。

―桑沢デザイン研究所では、絵画よりも主にデザインを学んでいらっしゃったのですか?

もうデザインですね。1年生の時はオールジャンルまんべんなく学びました。ファッションとかプロダクトだとかすべてのものをイチから学んだ上で、2年生で進路を絞るというカリキュラムでした。でもイラストレーションという選択肢が当時は現実的ではなくて。やっぱり絵で食うっていうのが難しいっていうのはすごくわかってたので、デザインの世界に進んで、そこで好きな絵を活かすのがいいのかなって。それで、ヴィジュアルデザインのコースに決めました。

―結構厳しい学校だったそうですね?

いや、もう格別に厳しかったですね。課題が週8個~9個出される超大盛りで…。学校は原宿と渋谷の中間にあって、遊ぶには絶好のロケーションなんですが、遊んでるヒマなんて一切ありません(笑)授業が終わったら真っ先に帰って課題やってました(笑)

―数々の誘惑に打ち勝って?!

そうですね。本当はアルバイトなどをやりながらのほうが良いんでしょうけど、そこでバイトしちゃうとせっかく学校通っているのにもったいないと考えて、そこから仕事してから取り返せばいいやと割り切って勉強に専念しました。

―それがちょうど20代前半の頃だったのですね。

22歳で卒業して、そこから専門学校なので、大学の同級生に比べるとすでに周回遅れですよね。しかも専門学校は補欠合格だったんです。準備が遅かったこともあり、受験生の高いレベルに追いつくことができず、ギリギリ入学できました。ただ、入学してすぐの1年生の前期でクラストップの成績を取ることができたのは嬉しかったですね。やっぱり学校に入ると受験勉強って意味なくて、みんなそのための勉強はしてきているんですが、デザインの勉強になると、一旦リセットしなきゃいけないんです。そこで、「ここはチャンスだ」と思って、すごく一生懸命勉強して、1位を取りました。負けず嫌いな所があるんです。後半へ続く)

田村大さんのプロフィール

田村大(たむらだい)
1983年八王子市出身。イラストレーター/アーティスト。
似顔絵の世界大会であるISCAカリカチュア世界大会にて、2015年4位、2016年総合優勝。インスタグラム(@dai.tamura)のフォロワーは10万人を超え、シャキール・オニールやクリス・ブラウン、デニス・ロッドマンやアレン・アイバーソンなど多くの有名人らにイラストがシェアされ、支持を得ている。2017年までの7年間、似顔絵制作会社に勤務し、累計3万人の似顔絵を制作。2018年より独立し、イラストを通じて企業のマーケティングを支援するDT合同会社を立ち上げ、代表に就任するとともに、2019年からはアーティストとして本格的に活動の場を広げている。

Instagram:@dai.tamura
Facebook:https://www.facebook.com/dai.tamura
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCDvzOm7aeTsgKBVE2zTMfBQ

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