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大人だけが知っている!「静寂の京都」

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Art
2018.02.22

杉本博司の名画はここで見られる!

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写真、建築、演劇、造園、著述、古美術蒐集、そして料理まで。特定の肩書きをつけることが無意味に思われるほど、幅広い分野で独創的な活躍を続ける杉本博司。2017年10月には、神奈川県小田原の海を見渡す、9,000㎡を超える広大な敷地に、複合文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を開館し、大きな話題となりました。「アートで得たお金はアートに還元したい」と、日本の文化と技術をさまざまな形で守り、伝えるための施設は、「杉本芸術」の集大成だと言えます。

杉本博司

写真家としての杉本博司は、1974年にN.Y.に活動の拠点を移し、翌年には、ライフワークのひとつである「劇場」シリーズをスタート。’80年に始めた「海景」シリーズとともに、海外でいち早く評価され、日本では’88年の個展をきっかけに、たいへんな注目を集めました。一瞬を切り取るはずの写真という手法を使いながらも、流れ続ける時間や積み重ねられてゆく記憶を表出させる。杉本博司の作品には、つねに、「人類の意識はどのようにして生まれたのか」という壮大なテーマが通底しています。今回は、観る者を悠久の意識の中に引きずり込む力をもつ、代表作をピックアップ。ぜひ足を運んで、作品に対峙してみてください。

原美術館

2018年1月6日〜2018年6月3日

杉本博司杉本博司 「仏の海」039 Sea of Buddha 039, 1995 ゼラチン・シルバー・プリント ©Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

京都蓮華王院三十三間堂の千体の千手観音立像を、48カットに分けて撮影。撮影交渉は7年に及んだといいます。蛍光灯や、近世以降に取り付けられた装飾などをすべて取り除いて、平安貴族が見ていたであろう朝の光で撮影された観音立像は、当時の人々が望んだ極楽浄土の再現でもあります。館長自らが選んで構成する所蔵作品展「現代美術に魅せられて-原俊夫による原美術館コレクション展」にて展示予定。

公式サイト

江之浦測候所

常設展示中

杉本博司杉本博司 「海景」 Sea of Japan, Oki 1987 ゼラチン・シルバー・プリント ©Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

「幼いころに見た小田原の海景が最初の記憶」という杉本博司の代表作シリーズ。「古代人が見た風景を現代の人間が同じように見る」というコンセプトで、世界各地の海を同じ構図で撮影。2018年半ばまで展示中。

公式サイト

和歌山県立近代美術館

展示予定は未定

杉本博司杉本博司 「カボット・ストリート・シネマ、マサチューセッツ」 Cabot Street Cinema, Massachu-setts, 1978 ゼラチン・シルバー・プリント ©Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi

世界各地の劇場を、映画の上映中にシャッターを開け続け、長時間露光で撮影した「劇場」シリーズも人気の高い作品。歴史を感じさせる老舗の劇場の、建築物としての美しさも見どころ。展示予定はウェブサイトなどで確認を。

公式サイト