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2023.08.29

坂東玉三郎新連載「私の日課 my routine」開始! 玉三郎さん御用達・京都てっさい堂へ

「染付はどのお料理にも合うことを知りました。染付の器を見ていると、絵付けも手で描いたもので、職人さんが仕事として描いていながらも今になって芸術品となっている素晴らしさをヒシヒシと感じるのです。江戸時代から時を超えた染付のお皿の上に、出来立ての料理が乗る‥‥時の流れの不思議を感じるのです」(『和樂』2023年10,11月号新連載「坂東玉三郎 私の日課」第一回「食育」より)。

現在、玉三郎さんのご自宅で使われている江戸中期から後期の染付の多くは、京都のてっさい堂さんで手に入れたものだそうです。そこで、京都にある3軒のお店を訪ねてみました。

2022年10月にリニューアルオープン! 古門前通北側の「てっさい堂道具店」

古門前通りにある「てっさい堂道具店」はご覧の通り、品数の豊富さに圧倒されます。かつて1970年代初頭にオープンした店は、10客、20客と揃った器をそのままに積み上げて陳列し、お皿1枚ずつを販売するという、かつてないスタイルで、京都を代表する骨董店となりました。

こちらはリニューアル以前のお店に玉三郎さんが訪ねたときの写真です。マダムの貴道裕子さんのセンスの良さには一目置いている様子。店内には、豆皿、そば猪口といった小さなものから、古伊万里の大皿、大鉢など、価格帯も手ごろなものから稀少な逸品まで幅広くぎっしり詰まっていました。2022年10月にリニューアルオープンして、古伊万里を中心に見やすいように工夫されました。


                        

江戸後期の古伊万里の器がずらりと並ぶスタイルは以前と変わらず、アイテムごとに壁面にディスプレイされ、人気の豆皿は中央アイランド型の台に陳列されています。骨董入門者にとっても嬉しく、いずれも現代の感覚に通じる品々が数多く揃っています。陳列台の上に器を置ける可動式のトレーを設け、思い思いにコーディネートし、吟味しながら選べるスタイルになりました。器は1客から購入可能。豆皿、猪口各5000円~のほか中皿、大皿なども多数揃います。

靴を脱いで上がる2階スペースには、アンティークの華やかで粋な帯留めや、簪などを陳列しており、ブローチから帯留めへのリメイクも注文できます。ガラス器も江戸から明治、大正時代までの物まで充実しています。

浅田八代江さんが40余年かけて香港や上海、パリ、シンガポール、チベットなどを巡って集められた宝玉で制作した「YOYO’s オリエンタルジュエリー」も扱っています。また、西洋のガラスも、ガレ、ラリック、セーブルなど100年ほど前の作家や工房の作品を中心に並んでいて、まるで小さな美術館のようです。

【てっさい堂道具店】
所在地 京都府京都市東山区古門前通り大和大路東入ル北側
営業時間 10時~18時
年末年始休
電話 075-531-2829

暮らしのヒントがいっぱい! 古門前南側の「てっさい堂書画店」

「てっさい堂道具店」と道を隔てた古門前の南側には、店主の貴道俊行さんが常駐する「てっさい堂書画店」があります。昔のよい物を今に生かし、生活様式の変わった現代にも合うように、工夫することも大切だと教えてくれる空間。自分のセンスでときには手を加え、生活に生かす方法を考えるのも、骨董の一つの楽しみ方です。テーブルに並んだ一輪挿しに心そそられます。

辻村史郎氏作信楽の壺のある空間。

細川護煕氏作一輪挿しが可愛らしい。

【てっさい堂/書画店】
所在地 京都府京都市東山区元町381-4
営業時間 10時~18時
年末年始休
電話 075-525-3025

風情ある店構えも見どころ。「てっさい堂 高台寺店」

ねねの道沿いにある「てっさい堂高台寺店」は、漆器の茶道具や食器、弁当箱、折敷、そして古い版画などを扱う店です。

こんな素敵な漆器に出会えます。1点から購入できるのも嬉しい。

座敷に敷き詰められた漆器類。10客以上揃っているものも多数扱っています。

江戸時代から昭和初期までの肉筆画、版画も豊富です。三十六歌仙やボタニカルアートが人気。

高台寺の傍に佇む風情ある一軒家。

【てっさい堂 高台寺店】
所在地 京都府京都市東山区下河原町
営業時間 10時~18時
年末年始休
電話 075-531-9566

撮影/岡本隆史

新連載「坂東玉三郎 私の日課」は『和樂』本誌で

2023年10,11月号からスタートした新連載「坂東玉三郎 私の日課」は、2023年10,11月号『和樂』本誌(9/1発売)でお読みいただけます。5ページにわたって、玉三郎さんの日常から日本文化に迫る本連載。ぜひお見逃しなく!

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▼過去に開催されたイベントの模様はこちら。
ハイレベルな作品に驚き!『坂東玉三郎の歌舞伎ぬりえ』コンテスト 結果発表

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新居 典子

東京都港区在住。2001年『和樂』創刊準備号より現在に至るまで、歌舞伎及び、日本の伝統芸能を主に担当してきた。プライベートでも、地方公演まで厭わず追っかけてしまうほど歌舞伎や能・狂言、文楽が大好き。
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