Lifestyle

2023.09.14

新米がもっと美味しくなる!土鍋ご飯の炊き方指南その2「江戸前芝浜」

ご飯に定評がある東西の一流店紹介、京都「草喰(そうじき)なかひがし」に引き続き、今回は東京「江戸前芝浜(しばはま)」の料理人に、土鍋ご飯の炊き方を教えてもらいました。 ご飯好きが心待ちにしていた新米が、もっと美味くなることは請け合いです!

その1はこちら

東京「江戸前芝浜」の流儀
江戸前のご飯は粒立ちが命です!

江戸料理とは看板にあるものの、提供したいものは「普通の和食」と語る海原大(かいばらひろし)さん。「地方に行けば、当然のように地元の特産品が食べられるように、東京にいる僕はこの地のベースになっている江戸の料理をお出ししているんです」

ということで、〝徹底した普通〟にこだわる海原さんにとって、白いご飯は献立の要であり、いちばん自信のある料理。修業時代、ご飯が評判の店で経験を積んだのもそのためで、お米に対するアプローチは揺るぎのないものがあります。

「目ざしているのは、〝逆アルデンテ〟のご飯。外は硬くて中はふわっと炊きあがっていて、嚙めば嚙むほどお米の味わいが出てくるご飯です」。店主の言葉どおり、炊きたてのご飯はピンとお米の粒が立っていて、口あたりはさっぱり。ご飯の味わいとして好まれる、もっちりやわらかな食感とは対極にあり、さすがの江戸風味です。

ご飯の粒を立たせるおひつの力

嚙みしめるほどにご飯の甘さが広がる江戸好みのご飯。

お米の甘み、旨みが強く味わえるので、ご飯だけでも十分。漬物や味噌汁があれば、なおご飯が進みます。江戸っ子は1日に5合も白いご飯を食べたそうですが、「江戸前芝浜」の白ご飯なら、飽きもせずにお腹に入りそう!

粒立ちのいいご飯を叶える道具として選ばれたのは、萬古焼(ばんこやき)の土鍋。萬古焼はその陶土に特徴があります。一般的な土鍋に比べると薄い肌になりますが耐熱性は十分にあり、炊飯すると羽釡(はがま)と土鍋の中間ぐらいの炊き上がりが狙えます。近年、料理人の間でも使い勝手がいいと評判です。海原さんは修業先の店で萬古焼を知ったそう。

左/水加減は〝目秤〟がいちばん信用できるというのが店主の考え。米の表面から1㎝くらい水が出ているのが目安。炊き上がりはやや硬め。右/土鍋は三重県「萬古焼」を使用。

炊飯までのひと通りを見せてもらって驚いたことは、お米(のちにご飯)には極力手を触れないこと。炊き上がりも、鍋の中を混ぜることはしません。おひつに移すときに、上からバサッと、空気に触れさせるようにご飯を入れて、水蒸気を飛ばして米の温度を下げる。少量ずつ、まんべんなくご飯を重ねることで、ご飯がひと粒ずつふっくらと仕上がります。なにげない動作に見えて、美味しいご飯のために考え抜かれた手の動きでした。

左/店主・海原大さん。「なべ家」に感銘を受けて江戸料理を志す。「日影茶屋」「心米(こころまい)」などで修業後、2016年「太華」を開店。2022年に現店を開業する。右/食事の味噌汁は仙台味噌を使い、江戸っ子に好まれた根菜がたっぷり入る。鰹だけでとる出汁もまた絶品。

海原さん流、土鍋ご飯を美味しく炊く3つのコツ

♦米を極力触らない。米は洗うというより水を通す感じ。米に傷をつけない。
♦米の浸水は1時間。粒立ちの炊き上がりのために水をたっぷり吸わせる。
♦炊き上がったらおひつへ。ご飯をまんべんなく広げて入れ、水蒸気を飛ばす。

土鍋炊きごはん最強データ

=栃木県産「こしひかり」が基本。炊き込みご飯の場合はそれに応じた米を用意。
=ミネラルウォーター
土鍋=三重県産「萬古焼」の土鍋

店舗情報

江戸前芝浜(えどまえしばはま)
住所:東京都港区芝2-9-13
電話:03-3453-6888
営業時間:17時30分~24時(最終入店21時)
休み:不定
料理:おまかせコース13,500円~(税込)※要予約

撮影/石井宏明 構成/藤田優
※本記事は雑誌『和樂(2020年10・11月号)』の転載です。掲載データは2023年9月現在のものですが、お出かけの際は最新情報をご確認ください。

Tag
Share

和樂web編集部

おすすめの記事

「ママ、話ちゃんと聞いて!」周囲が見えなくなりがちな自分に響いた禅語【SHIHOの楽禅ライフ4】

連載 SHIHO

【終了】贈り物リストに加えたい!「テタンジェ」上質シャンパーニュギフトを10名様にプレゼント

土屋 利沙

坂東玉三郎連載 美しいアンティークグラスと共に、日々、愉しく美しく 「私の日課my routine」 第十二回

連載 新居 典子

坂東玉三郎連載「私の日課 My routine」第二回「日々、お茶を一服」

連載 新居 典子

人気記事ランキング

最新号紹介

2,3月号2025.12.27発売

これぞ国宝! 坂東玉三郎

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア