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2016.10.19

禅の名画対決!雪舟と白隠の『慧可断臂図』を比べてみました

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テーマ「慧可断臂図」(えかだんぴず)

慧可断臂図とは達磨大師に弟子入りを訴える慧可決意の図。禅にとって非常に深い意味をもちます。少林寺で壁面に向かって坐禅を続ける達磨大師のもとを訪ねた神光(しんこう)は、弟子入りを願い出るも返答はなし。何度も何度も願う神光に大師はその難しさを説くと、神光はやおら刀を取り出して自らの左腕を切り落とします。その心に答えて大師は弟子入りを許し、神光は慧可と名をかえ初祖の達磨大師を継いで二祖となりました。ある種、凄惨(せいさん)な逸話ですが、その画題には名作が多いことでも知られています。

雪舟等楊(せっしゅうとうよう)

水墨画の巨匠である雪舟が77歳で手がけた禅の最高傑作。
重々しい岩盤の中で9年もの面壁坐禅(めんへきざぜん)を行う達磨大師を白い衣と太い線で描き、厳しい中にあっても微動だにしない大師を描き上げ、しかも腕を切った凄惨さは感じさせない。禅の厳しさを背景に達磨の存在感と慧可の悩みが表現されています。

s_スクリーンショット 2016-10-18 17.03.01雪舟等楊「慧可断臂図」国宝 一幅 紙本墨画淡彩 室町時代 明応5(1496)年 183.8×112.8㎝ 所蔵:愛知県 齊年寺

白隠慧鶴(はくいんえかく)

墨画で仕上げた白隠の慧可断臂図では、達磨大師を円の中に描くことでその崇高(すうこう)さを象徴的に表現。歯を食いしばって左腕を差し出す神光(慧可)の姿をリアルに感じさせているのは、禅画として説明するための工夫なのでしょうか。

s_スクリーンショット 2016-10-18 17.02.34白隠慧鶴「慧可断臂図」一幅 紙本墨画 江戸時代(18世紀)112.0×49.0㎝ 所蔵:大分県 見星寺