2016年11月22日、北斎のふるさと墨田区にすみだ北斎美術館が開館。テレビのニュースなどでもとりあげられ、大きな話題になりました。東京で初めての北斎専門美術館、気になります!
というわけで日本美術初心者 yu の今回のレポートは「すみだ北斎美術館に行ってみました!」です。
すみだ美術館は、都営地下鉄大江戸線 両国駅から徒歩5分ほど。せっかく来たので、下町情緒を味わいながらゆっくりと美術館に向かって歩いていると「北斎は90回以上引っ越しをしてたんだよ〜」とか「3食とも出前だったから家に食器がなかったんだよ〜」とか、あちらこちらから北斎ウンチク話が聞こえてきました!さすが北斎ゆかりの地。北斎ファンが多くいるのですね。そんな豆知識に耳を傾けているうちに、あっという間に入り口に到着です。
建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞するなど、世界的な評価を得ている建築家の妹島和世さんがデザインを手がけたという外観は近未来的。今までの美術館とは全く違った印象でした。
編集長の洗馬さんは「そんな混んで無いでしょう」といつも通りにイライラしながら言っていましたが、平日にも関わらず沢山の人が!さすが北斎、人気ですね。
エントランスでチケットを購入した後は、エレベーターで4階まで上がり、階段を降りながら展示を見ていきます。この美術館は4階と3階が展示室になっているんですよ!
とにもかくにもエレベーターを降りると常設展示のスペース。この常設展に足を踏み入れて一番最初に迎えてくれるのは、北斎晩年の傑作とされる大絵馬「須佐之男命厄神退治図(すさのおのみこと やくじん たいじのず)」です。
こちらは関東大震災で焼失してしまったという、北斎幻の傑作。モノクロの写真しか残っていないというところから最新の技術により推定復元されました。モノクロの写真たった1枚からどのようにしてここまでカラフルな復元をすることができたのか、その秘密は4階展望ラウンジの動画でわかりやすく学ぶことができます。この絵の復元プロジェクトはNHKの「ロスト北斎」という番組でも取り上げられていましたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
そして常設展の中で一番人を集めていたのが、リアルに再現された北斎のアトリエ。ここにはまさかのトリックが!思わずビクっとしてしまいました。ネタバレになってしまいますので、ぜひ実際に見てください!
現在は常設展示のほかに開館記念展として「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」が開催されています。「北斎のイメージ」「北斎の描いたすみだ」「幻の絵巻-隅田川両岸景色図巻-」「名品ハイライト」の4つの章から構成されていて、前後期合わせて約120点の名品を見ることができます。
こちらの企画展の最大のみどころは「隅田川両岸景色図巻」(すみだがわりょうがんけしきずかん)。約100年余りも行方知れずとなっていた為、幻の絵巻といわれていましたが、なんと平成27年にフランスで再発見され日本に戻ってきたのです。6m以上といわれるその長さは想像以上にとても長く、雑誌でもネットでも6m全体が見れるものは、なかなかありません。これは足を運んで見に行く価値がありますね!
『隅田川両岸景色図巻』紙本着色一巻 28.5×716.0㎝
すみだ北斎美術館にはそこかしこに北斎キャラが隠れています!そんなキャラクターを探しながらあるくのもこの美術館ならではの楽しみですね。
すみだ北斎美術館
【開館時間】9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
【休館日】毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(2016年12月26日~2017年1月1日)上記以外にも臨時休館する場合がございます。
【住所】東京都墨田区亀沢2丁目7番2号 地図
●常設展示
【観覧料金】一般400円/高校生・大学生・65歳以上300円/中学生以下無料
※高校生・大学生の方は生徒手帳・学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証・運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
※観覧券は1階チケットうりばでお買い求めください。
※団体(学校団体以外)でのご来館の方は団体のみなさまへをご確認ください。
※学校団体でのご来館の方は、学校の先生方へをご確認ください。
●企画展示
開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」
【期間】2016年11月22日(火) 〜 2017年1月15日(日)
前期:11月22日(火)~12月18日(日)
後期:12月20日(火)~1月15日(日)
※作品保護のため前後期で一部展示替えを行います。また、各期においても途中で一部展示替えを行います。
【観覧料金】一般1200円/高校生・大学生・65歳以上900円/中学生・障がい者400円
※小学生以下は無料。
※中学生・高校生・大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。
※65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。
※身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで障がい者料金でご覧いただけます(入館の際は、身体障害者手帳などの提示をお願いします)。
※開館記念展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、常設展もご覧になれます。
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