2018年4月8日まで、九州国立博物館で開催中の特別展「王羲之と日本の書」。現在、国宝「誓願寺盂蘭盆縁起」を公開中です。
誓願寺盂蘭盆縁起 栄西筆 国宝 治承2年(1178) 紙本墨書 1巻 35.1×154.0cm 誓願寺 福岡 展示期間:展示中~4月8日
臨済宗の開祖・栄西の直筆
臨済禅を日本にはじめて伝えた僧・栄西は、1度目と2度目の入宋の間、福岡の誓願寺に滞在していた。本作は、同寺で治承2年(1178)7月15日に行なわれた、盂蘭盆会という先祖供養の行事の由来を、栄西が自ら綴ったもの。栄西の筆跡を伝える貴重な遺品である。紅・白・藍の色鮮やかな紙を継ぎ、そこに雲母という鉱物の粉末で、雲や鳥の細かい文様が摺りだされる。力強い書には、中国の詩人・能書家の黄庭堅の影響が認められる。1度目の宋滞在で、若き栄西が、最先端の書法を果敢に吸収したことが想像できる。
◆ここで見られる!
九州国立博物館 公式サイト