美術館でのマナーを伝える絶好のチャンス
館内や展示室に入る前に「走らない、騒がない、作品には触らない」というマナーについて話すことを忘れずに。園児など理解できる年齢になれば、マナーを伝えることは大きな学びになるでしょう。
子供向けのガイドブックでは、イラストなどを用いて丁寧にマナー説明をするところもあります。ガイドブックがある場合はぜひ活用を。
キッズガイドなどは丁寧に作られていて大人の情報源にも!
まだ理解が難しい小さな子供には、お気に入りのぐずり対策グッズを準備しましょう。音の出ないおもちゃや本など、館内で使えるものをすぐに取り出せるようにしておきます。また作品を守るための空調が子供には不快に感じ、ぐずりの原因になることも。暑さ、寒さの対策にも注意が必要です。
それでも落ち着かず泣き止まないときは、いったんその場を離れることがマナーです。係の人に声をかければ休憩場所や途中退出口を教えてくれるので、焦らず。
再入場が可能な施設も多くあるので、いったん退室し、おむつ替えや授乳で様子を見たり、カフェでの休憩や庭を散策するなどして気分転換をしてみましょう。
泣いたりぐずったりしたらどうしよう…とドキドキして行くよりも「きっと泣いてしまうはず」という心の準備と「泣いたときにはこれ! 」という味方を用意しておいて、ママやパパも美術館を楽しみたいですね。
子供の興味のままに、子供のペースで楽しむ
森美術館「おやこでアート ファミリーアワー」風景(「カタストロフと美術のちから展」2018-2019年)撮影:田山達之 画像提供:森美術館
子供と一緒に行く美術館では、じっくり鑑賞するというのはやはり難しいものです。
「面白いね」とか「かわいいね」と、お話しながら子供が行きたい方向へ一緒に歩くことで子供の興味を探ってみましょう。
その中で目を留める絵や指をさす作品があり、少し立ち止まってお話できれば、それがなによりの大きな収穫だと言えそうです。
そして、そんな様子をママやパパは書き留めておいて、後々「こんな作品に興味を持ったのよ」「絵よりも照明の方が気に入ったんだよ」とお話できれば、子供の成長を楽しめたり、また一緒に美術館に向かうきっかけにもなるでしょう。