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2016.03.03

ひな祭りとひな人形の展示まとめ【2016年】

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 クリスマスだけにとどまらず、バレンタイン・デーやハロウィンなど、海外からもたらされた行事がやたら盛んになっていくのは、いったいどうしたことでしょう。なんとなく華やかで、特別感があって、盛り上げるアイテムが豊富だから・・・?

 華やかで特別で盛り上げアイテムが豊富な祭なら、日本にもあります! 3月3日の「桃の節句」、ひなまつりです。

 宮中の姫君、若君を中心とした雛人形の華やかさ、美しさは、かぼちゃのランタンなどとは月とスッポン。桃の花に白酒、菱餅、雛あられ、蛤の吸物をはじめとした日本各地に伝わる伝統料理は、ターキーやチョコレートどころの騒ぎじゃありません。しかも、女性が主役のお祭りなんて、なかなかないですよ~~。

 それなのに、海外の行事にくらべると奥床しいというか、控えめというか。

 そもそも3月3日の「桃の節句」は、五節句という中国から伝わった暦の上での節目のひとつで、奇数が重なる日に邪気をはらう行事に由来するという由緒正しいもの。1月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(たなばた)、9月9日の重陽(ちょうよう)が五節句に数えられています。

 3月3日の上巳の日に、中国では川につかって身を浄める禊ぎの習慣があり、平安時代に上梓が伝わった日本では、川に人がつかるのではなく、人の代わりに人形を流して厄災を祓うようになります。それが「流し雛」という風習へと転じ、平安京の貴族階級の子女が楽しんだ人形遊びから雛人形がつくられるようになります。そのようにして3月3日は桃の節句と呼ばれるようになり、江戸時代にはすでに、雛人形を飾ることが庶民の間に広がっていました。

ひなまつりの魅力再発見!

 江戸時代にはすでに日本各地で祝われていたひなまつり。
 今に受け継がれてきたその様子をつぶさに知ることができるのが、『和樂』でおなじみのフ-ド・ジャーナリスト、エッセイストの向笠千恵子さんの近著である『人形と和食つれづれ風土記』(青蛙房)です。http://mukasa-chieko.com/works/

向笠さん IMG_1913

 月刊誌『にんぎょう日本』に連載されたエッセーをまとめた『人形と和食つれづれ風土記』は三章に分かれていて、第一章 雛人形と節句人形には、ひなまつりの伝統食をはじめ、各地で連綿と受け継がれているひなまつりの様子が綴られています。
 ページをめくっていくと、日本ではひなまつりという節句が大切にされ、だれもが女の子の健やかな成長を祈り、心づくしの宴を営んできたということがよくわかります。ひなまつりとは古来、人々の慈愛の気持ちによって守り継がれてきた、家族にとってかけがえのない日であったのです。

各地の展覧会もひなまつり一色!

 ひなまつりに込められた昔の人々の心や歴史がよくわかるのが、この時期に日本各地の美術館で開催されている展覧会。宮中や武家、豪商が幸せを願う心が込められた珠玉の雛人形と対面できる、またとない機会です。

徳川美術館 特別展「尾張徳川家の雛まつり」

尾張徳川家 三世代の雛段飾り_080413.00_Trim_300dpi『尾張徳川家 三世代の雛段飾り』 明治~昭和時代 徳川美術館蔵 会期/4月5日まで ●徳川美術館 愛知県名古屋市東区徳川町1017 http://www.tokugawa-art-museum.jp/

三井記念美術館「三井家のおひなさま」

三井記念美術館 1  内裏雛『内裏雛』 三世大木平藏(1834~1895年)製 明治28(1895)年 三井記念美術館蔵 会期/4月3日まで ●三井記念美術館 東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井本館7F http://www.mitsui-museum.jp/

永青文庫「桃の節句 細川家のお雛さまとかわいい仲間たち」

永青文庫 (1)内裏雛_熊本県立美術館蔵『内裏雛』 16 代細川護立長女・敏子所持 明治~大正時代 熊本県立美術館蔵 会期/4月10日まで ●永青文庫 東京都文京区目白台1-1-1 http://www.eiseibunko.com/

遠山記念館「雛の世界」展―日本人形の美と系譜―

遠山記念館-立雛(次郎左衛門頭)江戸時代中期~後期『立雛(次郎左衛門頭)』 江戸時代中期~後期 会期/3月13日まで ●遠山記念館 埼玉県比企郡川島町白井沼675 http://www.e-kinenkan.com/

京都国立博物館 特集陳列「雛まつりと人形」

京都国立博物館 古今雛(京都国立博物館)-1『古今雛』 京都国立博物館蔵 会期/3月21日まで ●京都国立博物館 京都府京都市東山区茶屋町527 http://www.kyohaku.go.jp/

彦根城博物館 特別公開「弥千代の雛と婚礼調度」

彦根城博物館-弥千代の雛道具(屏風・小袖・挟箱・三棚)『弥千代の雛道具』(屏風・小袖・挟箱・三棚) 会期/3月8日まで ●彦根城博物館 滋賀県彦根市金亀町1-1 http://hikone-castle-museum.jp/

鹿児島市立美術館「島津家伝来のひな人形と江戸時代の絵画」

鹿児島市立美術館-ひな人形『ひな人形』 会期/3月21日まで ●鹿児島市立美術館 鹿児島県鹿児島市城山町4-36 http://www.city.kagoshima.lg.jp/artmuseum/