今年の夏、もう花火を楽しみましたか? まだおうちで楽しんでいないあなたへ、福岡のメーカー・筒井時正玩具花火製造所の美しい花火を紹介します。
筒井時正玩具花火製造所
福岡県みやま市に工房をかまえる筒井時正玩具花火製造所。昭和4年より、子ども向けの玩具花火の製造を続けて約90年、国内でも有数の歴史ある玩具花火の製造所です。そして、今では希少な存在となった線香花火のメーカーでもあります。
そもそも国内で線香花火をつくっているメーカーは非常に少なく、私たちがホームセンターやスーパーマーケットで目にする花火の多くが、中国をはじめとした海外でつくられています。このような背景から、90年代には国内の線香花火製造所が廃業の危機に陥り、国産線香花火は消えてしまうところまで追い詰められてしまいましたが、筒井時正玩具花火の3代目・筒井良太さんが線香花火の製造技術継承を申し出て、その製造所で修行し、製造所の廃業と同時に技を引き継いだのです。
四季や人生に思いを馳せる、線香花火
今回ご紹介する「線香花火 筒井時正」は、そんな国産線香花火の伝統を継承したオリジナルの商品。
火薬には宮崎産の松煙、紙は福岡県八女市の手すき和紙を草木染めしたもの。職人の手によって、一本一本ていねいに縒り上げられています。
火をつけてからわずかな時間で儚く消えてしまうイメージの線香花火ですが、国産線香花火は燃焼時間が長いのも特徴です。時間の経過に伴い、つぼみ、牡丹、松葉、散り菊…とゆっくりと変化していきます。その変化は、日本の豊かな四季にも例えられれば、幼年期から青年期、老年期へと移りゆく人生の変化にも例えられるのです。
また線香花火は、ワインと同じように数年の熟成させることによって、火花がやわらかくなり味わいが深まるんだそう。結婚祝いや誕生日など、節目のお祝いにプレゼントして、毎年ちょっとずつ楽しんでもらう、なんてサプライズもあるのです。
これらのイメージからヒントを得て、長く保存するのにも最適な桐箱に入った線香花火は、持ち手部分を花びらのように仕上げ束ねることで本物の花束のようなデザインに。国産花火ならではの性質とデザインの力で、その美しさがより一層際立つ一品になっています。
動物や富士山モチーフの玩具花火も
筒井時正玩具花火製造所では、そのほかにも子どもから大人まで楽しめる、美しい玩具花火を製造しています。
国産花火の楽しさと美しさを、商品はもちろんワークショップやデザインの力で伝えようと、さまざまなチャレンジを重ねる筒井時正玩具花火。
2018年からは、筒井時正玩具花火製造所が主体となり「玩具花火研究所」もスタートしました。ここでは花火職人・研究者・デザイナーなど様々な視点から、花火の開発製造に関わることや花火業界全体に関連する情報を編集、発信しています。ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
店舗情報
筒井時正玩具花火製造所(株)
住所: 〒835-0135 福岡県みやま市高田町竹飯1950-1
営業時間: 7月8月は11:00-18:00
定休日: 水曜日
公式サイト: http://tsutsuitokimasa.jp/