Craft
2019.09.03

三島由紀夫も愛用したメイドインジャパンの逸品。日本最古の高級シャツブランドが超おすすめ

この記事を書いた人

「蝶矢シャツ」に込められていたのは日本人の物言わぬ美学でした

ほかにもこだわりは書ききれないほどあるのですが、あまりにマニアックなので今回はここまで。これほどに精緻な佇まいを極めたシャツというのも、なかなかないのではないでしょうか。実は2年前に「蝶矢シャツ」は、イタリアで行われる世界各国のブランドが集まる展示会「PITTI UOMO(ピッティ・ウォモ)」に初出展。高い評価を受けたそうです。素材づくりから仕上げまでを自社で行うメーカーはイタリアには存在せず、「蝶矢シャツ」の製作過程のシステムや、それに伴うクオリティにいたく感動されたとか。それは日本人ならではの卓越した技術、そして「いいものをつくりたい」という情熱の賜物。デザインの強さに頼ることなく、「素直に美しい」とシャツの本場で認められたのは、うれしいことですよね。

ビスポークするというのはつまり、お客様のリクエストで商品づくりをするということ。自分のスタイルを押し付けるのではなく、デザインはシンプルだけど、高い技術で応えることができる。今でもその精神は「蝶矢シャツ」に強く残っています。日本のものづくりにおける美学は、実は見えづらいところにある──改めてそう思えた取材でした。

ちなみに「蝶矢シャツ」は、日本橋三越本店などで見ることができます。興味がわいた方はぜひお店へ足を運んでみては?

公式サイトURL http://www.choyashirt.jp/

書いた人

編集プロダクションからファッション誌のエディターに。ファッション以外に挑戦したくなった矢先に「和樂」に捕縛される。商品開発を主に担当しているが、早くもアパレルに着手し始め、人生の矛盾を感じている。