令和元年も終わりに近づいてきました。そろそろお年玉用ポチ袋の準備を始める人もいることでしょう。ありきたりのポチ袋では物足らない!そんな人にお勧めしたいポチ袋があります。渡した瞬間に笑顔が広がって、話題になること間違いなし!ツイッターやブログなどSNSでも話題のポチ袋をご紹介します。
センスが冴える、その名もコレッポチ
大阪で和紙の問屋として事業を行ってきた株式会社オオウエが、2015年より「和紙田大學」のブランド名で販売開始したポチ袋です。伝統×ゆるデザイン=ゆるデイッショナルをコンセプトに、「コレッポチ」としてユニークな商品を展開しています。
こちら「落武者」のデザインは、シュールだけど笑っちゃいますね。受け取った人がどんなりアクションをしてくれるのか、考えただけでワクワクしてきます。コレッポチは、約240年の伝統を持つ愛媛の伊予和紙に、一枚一枚活版印刷で刷り上げるなど老舗和紙問屋ならではのこだわりが感じられます。上質な紙の質感と面白さとのミスマッチが幅広い年齢層からの支持を受け、リピーターが多いのも特徴です。全国の東急ハンズや蔦屋書店などで購入できます。最近、新国立美術館内のミュージアムショップでの取り扱いも始まりました。
老舗和紙問屋として新しい可能性を探る
この商品を立ち上げた株式会社オオウエの大上博行さんは、さらなる技術向上を求めて只今海外へ留学中。製品事業を担当している弟で取締役の大上陽平さんに話を聞きました。
「大阪で和紙を専門にした問屋はうちの会社を含めて、今では数えるほどになりました」と陽平さん。昭和27年創業当時から高度成長期は和紙の需要が多く、株券や文房具、障子紙などを取り扱って順調だったそうです。その後バブルがはじけた20世紀末になると、ライフスタイルの変化が急速に進みます。障子はプラスチック障子紙に変わり、株券は電子化になったりと和紙の需要が減ってしまいます。
兄の博行さんは家業に携わるようになって、全国各地の和紙職人と接する中で、和紙の現状に危機感を感じます。和紙の良さを一般に広める必要性を感じて、ボールペンで書きやすい和紙の便箋の開発と販売を始めました。「ふんわり」「しっかり」「なめらか」と3種類の質感と書き心地の便箋をラインナップ。品質の良さとデザイン・機能性を評価され、手紙を書く高年齢の層からは好反応がありましたが、若い層まで知ってもらうには至らない。模索する中で、関西在住のデザイナー竹安聖子さんとの出会いが訪れます。この出会いがきっかけで、和紙にとぼけたデザインを施すブランドが誕生となりました。「和紙田大學」のネーミングは敷居を高く感じがちな和紙を身近に感じて欲しい、そのために一見硬そうでゆるい名前、新しい文化を伝える思いを込めて大學としているそうです。
なんでこのデザイン?ギャップが魅力
陽平さんお気に入りのデザインがこちらの「間取り」。「なんだか可愛くないですか?」とお勧め頂き、確かにじっくり見ると可愛く感じてきます。竹安聖子デザイナーのユニークな発想が炸裂しているのが、このポチ袋の重要なところ。デザインのボツは、ほとんどなかったそうです。多分、普通ならデザインしないだろうユニークな図柄が68種類。関西人ならではの「笑かしてやろう」というスピリットを感じます。
こんなゲーム感覚のポチ袋もあります。本当にあみだくじができるのがびっくりですね。
ポチ袋の裏面を見て、もっとびっくり!
こちらは不動の人気の「綱吉君~絆~」
ポチ袋の裏面は、オチになっています。こちらは幼少の頃のポチ。
結婚式のお車代用のポチ袋もあります!
裏面も手抜かりがありません!
和紙の魅力をもっと広めたい
陽平さんは大学卒業後大手印刷会社に勤務の後、インドでの勤務を経て株式会社オオウエに入社。「父からは無理に勧められたことはなかったんですが、和紙に真摯に取り組む背中を見て育ったので、いつかはこの仕事に携わるだろうと思っていました」。現社長のお父様が旅先で見つけた和紙の包み紙を持ち帰り、紙を調べている姿が印象的だったと話します。「和紙は柔らかさが魅力で、それぞれ産地によっても特徴があります。全国各地の和紙メーカーと強いパイプを持っているのが強みで、比較的少ないロット数でも作れるので、クライアントからの希望でオリジナルの和紙を作ることもありますね」。和食店からの依頼で、壁一面に貼る3メートルものおしながきを請け負ったこともあったそう。今後はコレッポチのように和紙を身近に感じてもらえるような、インテリアや日用雑貨などの商品展開ができればと考えているそうです。「今の時代に合った和紙の提案をしていきたいですね」陽平さんの夢は広がります。
コレッポチのポチ袋はオンラインストアでも購入可能です。
和紙と暮らしのよみもの&オンラインストア
うるわしウェブサイト