寺社への参拝時に見かけるお守り。近年はその種類や、カラーバリエーションも豊かになりました。自分のためだけでなく、周囲の方に差し上げたことがある、という方もいるかもしれません。ではその起源とはどんなものなのか、お守りの雑学知識とともに解説します。
そもそもお守りとは?
護符(ごふ)や呪符(じゅふ)など、災難を防ぎ守護するとされるお守り札の一種で、身につけて持ち歩いたり、柱につけておき、悪霊や邪霊から防ぐ機能をもつものです。紙・木・布・金属等で出来た内符(神体の図柄や経典の呪文、神仏の名前など)を入れ、紐でその口を閉じた状態で頒布されているものが現在主流です。
お守りの起源は?
お守りは、縄文時代の人々が魔除けとして勾玉を身につけていたのが始まりといわれ、6世紀ごろに仏教が伝播し寺で呪符が配られるようになりました。大阪府の四天王寺が所蔵する、平安時代後期の懸守(かけまもり)には、如来像が彫られた木製の円柱が納められていたことがわかっています。その他、神社の石や砂に霊力が備わっているという考え方から、旅に出る時、神社の境内にある石や砂を懐中に入れていくという風習の記載が残っています。
お守りの数え方は?
お守りやお札を数える時は、ご神像と同じように、「1体(たい)、2体」と数えます。また、お守りは、「販売する」「購入する」ではなく「授ける」「受ける」といいます。確かに、お守りを置いてある場所は、授与所といいますね!
色々あるぞ! お守りの種類
お守りと一口にいっても、その種類は多種多様。現在、お守りと聞くと一般的にイメージされるのは、錦の小袋に神札を納めた「懸守」ですが、それ以外にも、水晶や勾玉を用意しているものも。また、こどものお守りとして「背守(せまもり)」という着物の背中に色糸で飾り縫いをしたものや、布袋に小豆やお札を入れたものもあります。
ご利益も色々!
健康に関するお守り
健康祈願・病気平癒・無病息災・長寿などがあります。その他、足腰のお守りなど、体の一部分に特化したお守りもあります。
金運・商売のお守り
金運上昇・商売繁盛・財産上昇・千客万来・出世などがあります。えびす様をお祀りしているところや、植物や石などをお祀りしているところもあります。
縁結びのお守り
恋愛成就・縁結びなどがあります。日本神話の夫婦として有名な、伊耶那岐神(いざなきのみこと)と伊耶那美神(いざなみのみこと)をお祀りし、お守りを授与しているところも。
ちなみに、イザナキとイザナミってどんな夫婦だったの?そのドラマチックな恋物語を読み解く記事はこちら
日本神話「古事記」の神々を解説【日本神話の恋物語1】
こどもに関するお守り
安産祈願・子授けがあります。日本神話に登場する木花之佐久夜毗売(コノハナノサクヤビメ)を祀っているところや、お産が軽い犬など動物を祀っている神社がお守りを授与しているようです。
コノハナノサクヤビメって誰? なんで安産の神様なの?と思った方はこちらで詳しく解説しています。
一晩で子だくさん!?日本神話はこんなに面白い【日本神話の恋物語3】
学業に関するお守り
学業成就・合格祈願などがあります。学業成就は勉学において目標を達成する、合格祈願は志望校や試験への合格など、合否があるものに対してのお守りです。学問に優れていた菅原道真など、歴史上の人物を祀っている神社のお守りが多くあります。