てやんでえべらぼうめぃ! なんて、爽快にまくしたてるイメージのある江戸っ子。
でも、江戸っ子、っていったいどんな人を指すのでしょう?
江戸っ子の定義や気質・江戸言葉をご紹介します!
江戸っ子とは?
江戸に住んでいるから江戸っ子? その通りですが、実はちょっと意外な定義があったのです。
「江戸っ子」の言葉が使われはじめたのは、18世紀後半、江戸・田沼意次の時代。それ以前は「東男(あずまおとこ)」や「江戸者」などといったようです。
日本橋本町など江戸の中心部で生まれ育った生え抜きのみ、そして主に町人を江戸っ子と呼んでいたようですが、幕末などには両親ともに3代江戸で育った町民であることが条件とされるケースもありました。
その背景には、参勤交代や、地方に本拠地を持つ大店(おおだな)が支店として江戸に進出してきたことなどがあります。
当時、地方による文化差は現在より大きく、言葉や生活習慣が大きく異なっていました。
江戸っ子は、「将軍のお膝元」で育ったというプライドと美意識を持ち、独自の気風を育んでいったのです。
江戸っ子気質とは?
「宵越しの金は持たない」「竹を割ったような性格」「五月の鯉の吹流し」などと言われる江戸っ子。
では、具体的にどんな気質だったのでしょうか?
粋(いき)でいなせである、さっぱりしている、歯切れがいい、金銭への執着がない、などがプラスの面として挙げられますが、あまり考えず、けんかっ早くて見栄っ張り、意地っ張り、頑固といった一面もあったようです。
江戸っ子がつかう江戸言葉
これぞ江戸っ子! という江戸言葉を集めてみました!
「てやんでえ」
てやんでえ、はとても有名な江戸言葉の1つ。
「なに言ってやがるんでい」が短くなった言葉で、「べらぼうめ」や「あたぼうよ」と一緒に使われることも多い、代表的なフレーズ。
「べらぼうめ」「べらんめえ」
「ばか」「阿呆」といった意味で、相手を罵倒する言葉です。「べらぼうめ」が「べらんめえ」に転じたそう。
「べらぼう」は変わり者の名前とも、穀物を潰す「ヘラ棒」から転じて「ごくつぶし」の意味だともいいます。
「あたぼうよ」
当然、当たり前、の意味。「べらぼう」の「ぼう」が語尾に付いていることから、「当たり前だ、馬鹿野郎」といった意味ですが、どちらかというと愛情を込めて、俺に任せておけ! というような文脈で使われたそう。
「間尺(ましゃく)に合わねえ」
間(ま)も尺(しゃく)も、長さの単位。長さが合わない・おかしい、つまり、割に合わない、という意味。
「とーんとくる」
「とーん」は、恋に落ちたときの音を表したもの。恋に落ちた瞬間、雷が落ちた・びびっときた、そんな表現。
「肴を荒らさねえ」
肴は、酒の肴、酒のつまみのこと。それを荒らさないということは、つまみは食べない、いらない、という意味です。
さほど懐が温かくないときの見栄っ張りにも使われたようですが、酔いの回りが違うので、あまりお勧めはしません。