昔の言葉って、よく分からない……。古文の授業はあったけれど、やっても分からないし、おもしろくない……。
そんな苦手意識を跳ね飛ばす、平安おもしろスキャンダル記事が、ただいま和樂webで話題沸騰中です!
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いや、なんでここまでぶっ飛んじゃったのさ……とディスりつつ、その馬鹿馬鹿しさに笑い転げて楽しめること請け合いです。
ちなみにこの「昔の人にインタビュー」シリーズ、今後も続々公開予定なので、乞うご期待!
さて、本記事では、ここまでの破壊力はないものの、昔の言葉に関するおもしろ情報をご紹介します!
びょうびょう、びよびよ。これ、ある身近な生き物の鳴き声なのですが……いったい何でしょう?
鳴き声の正体は、犬!
正解は、犬。人間のよきパートナーである、あの愛すべきもふもふです。
現在のように犬の鳴き声を「わんわん」と表すようになったのは、意外と最近のことなのだそう。
現在確認されている、一番古い「わんわん」の例は、寛永6(1642)年の狂言本で、この江戸初期の記述以前には、「わんわん」という表現が見当たらないのだとか。
じゃあ、犬の鳴き声はなんと表していたのでしょう?
それが、「びょうびょう」や「びよびよ」だったのです。
どうして「わんわん」じゃなかった?
言葉自体が変わっていく、というだけでは説明できない、この不思議な犬の鳴き声「びょうびょう」「びよびよ」。江戸時代中頃まで、よく見られたというのですが、犬の鳴き声が「びょうびょう」とか「びよびよ」だとか言われても、いまいちピンときません。
その理由は、どうやら犬のほうにあったようなのです。
今ほど人に慣れておらず、放し飼いで、野良生活をしている個体も多かった時代。そんな時代の犬の主な鳴き声は遠吠えだったと見られています。また、山口仲美『犬はびよと鳴いていた』(光文社新書)には、「わんわん」という軽い鳴き声ではなく、もっと野性味が強くドスの効いたものだったのでは、という見解が示されています。
先日、大人の猫が「にゃあ」と鳴くのは人間に甘えているからで、野生下では仔猫だけの声なのだ、というのを聞いてびっくりしたのですが、もしかしたら犬にも似たようなことが起きていたのかもしれませんね。
アイキャッチ画像:歌川国芳『里見八犬子之内 犬坂毛野胤智』・メトロポリタン美術館より