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2019.11.27

フランス版実写映画「シティーハンター」監督インタビュー!漫画やアニメの再現度は?

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いよいよ、フランス版「シティーハンター」、『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が11月29日に公開!主人公の冴羽獠(以下、リョウ表記)はフィリップ・ラショー氏が演じ、監督も兼任。自ら北条司氏に企画を持ち込みました。当初「フランスで実写化……?」と不安そうだったファンの声もありましたが、冴羽リョウそのものの服装や名物「100tハンマー」の再現など、情報が解禁されるたびにその本気ぶりが話題に。今では公開が待ち望まれています!

「クラブ・ドロテ」というエンタメ番組の中で「ニッキー・ラーソン」のタイトルで放送され、フランスで人気を博した「シティーハンター」。ラショー監督はその番組を見て育ち、「ドラゴンボール」など日本のアニメが大好きになったんだそうです。

北条司氏に会いに行ったのが初来日だったというラショー監督。フランスー日本の約1万キロを飛び越えさせた、その魅力を監督に直撃取材。「シティーハンター愛」を語って頂きました!

『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』あらすじ

(C) AXEL FILMS PRODUCTION – BAF PROD – M6 FILMS

ボディーガードや探偵を請け負う、普段はスケベだけど凄腕のスイーパー「シティーハンター」冴羽リョウ。相棒の香に叱られながら日々仕事を受けている。ある日駅の掲示板に「XYZ」の新たな依頼が。依頼人の男・ドミニク・ルテリエは、自分の父親が開発した、香りをかいだ人を虜にする「キューピッドの香水」を悪の手から守ってほしいと二人に頼む。

その効果を香で試そうとした瞬間、香水は何者かに奪われてしまう。実はリョウも香水の効力にかかってしまっていた!香水が解毒できる効果は48時間。果たしてリョウと香は香水を取り戻すことができるのか!?

日本語吹替版はリョウ役を山寺宏一さん、香役を沢城みゆきさんが演じます。海坊主や香の兄・槇村秀幸、美人刑事の冴子にはアニメ版キャストが続投。アニメ版リョウである神谷明さんや香役の伊倉一恵さんはスペシャルゲストとして登場しており、「デラックス」な吹替版にも期待が高まります!

北条司氏と3人の冴羽リョウ!スペシャル会見から見る「シティーハンター」への愛

フィリップ・ラショー監督の来日によってアニメ版・神谷明さん、吹替版・山寺宏一さんと、3人の冴羽リョウが集結!原作者・北条司氏とのスペシャル会見が実施されました。
終始和やかだった会見の様子は「漫画やアニメを、作る側の人々がいかに愛しているか」を感じさせてくれましたよ。

まずは吹替のキャストについて質問が飛びました。最初に神谷明さんにオファーが来たものの、ご自身が「実写版はラショー監督が演じる冴羽リョウだから、アニメではないし僕ではないほうが良いと思った」と判断。辞退されました。

一方、アニメ版シティーハンターでは番組レギュラー(様々な役を演じるレギュラー)として参加していた山寺さん。オファーが届いた当初、憧れていた神谷さんの役をやるなんてとんでもないと断ろうとしたそうです。しかし、2019年2月公開「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」の打ち上げのとき、神谷さんに「山ちゃん演ってよ!」と後押しされ、演じることを決意したと話されていました。

ちなみに、この「プライベート・アイズ」で、山寺さんが演じた役をフランス版で吹替えたのがラショー監督だそうで、ご縁というのは不思議なものですね。

フランスで「シティーハンター」が人気だと聞いていた北条司氏。ラショー監督から送られてきた脚本を見たとき、その出来と、「シティーハンター愛」に感心したのだとか。アクションが大半になりがちな中、原作の重要なエッセンスをしっかり受け継いでいたので、この監督なら大丈夫だ、と思い、実写化にゴーサインを出しました。
脚本を持ち込んだときはプレッシャーで押しつぶされそうだったラショー氏、快諾を得た帰りの飛行機で「自分は世界一幸せな男だと思った」とのことです。

写真からわかる通り、ラショー監督の地毛はブロンドです。実写化にあたりダークな色に染めっぱなし、リョウのスイーパーらしいボディになるため、トレーニングで8キロ増量というこだわりぶり。その肉体美は映画本編で惜しげもなく披露されています!

(C) Axel Films Production

会見中盤で話題になったのは、香の兄・槇村(ヒデユキ)のシーン。ファンからも根強い人気の槇村ですが、映画にも登場しています。「原作の完全再現」を意気込んだというラショー監督。そのかいあってか、山寺さんや神谷さんも印象に残ったシーンとのこと、注目です!

山寺さんいわく「デレデレした声を出したあとにすぐシリアスになるから、切り替えが大変だった」という吹替収録。神谷さんが「(切り替えを)自由に楽しめるようになると楽しいんだよ!」という、長年演じてきた方ならではの発言が飛び出す一幕もありました。

監督のこだわりはロケ現場にも及んでいます。建物も原作に似たものを丹念に調べてロケしたそうで、シティーハンターファンはきっと「あっ!」となるハズ。

最初はカラスを持っていた北条司氏。やっぱりこっち!と100トンに持ち替えるおちゃめな1コマも

今回の吹替版にスペシャルゲストとして出演した神谷さんには、なんと「自ら志願した役」があるとのこと。重要な(!?)役なので、劇場で耳をすませましょうね。

終始和気あいあいだった北条司氏と3人の冴羽リョウ。全員が「シティーハンター」を愛し、原作、アニメ、映画と、それぞれ真摯に向き合っているからこそこの盛り上がりだなあ、と大笑いしながらもしみじみ思いました。

フリップ・ラショー氏に直接インタビュー!「シティーハンター」への愛

さらに、今回はフィリップ・ラショー監督に直接インタビュー!「シティーハンター」、そして日本のアニメ・マンガへの愛をたっぷりと伺ってきました♪

― 「シティーハンター」を実写化しようと思ったそもそものきっかけは?

ラショー監督:「クラブ・ドロテ」が放送されていたころ「ドロテ・マガジン」という雑誌が毎週発行されていたんです、少年ジャンプみたいなもので、アニメやマンガを紹介するページがありました。それを実家の両親がずっと取っていて、2015年にたまたま家に帰ったとき、ページをめくっていたら、「シティーハンター」を見つけて。
「この作品の実写化はいいんじゃないかな?」と思ったのが本当に最初のきっかけです。

― 実家になかったら実写化はなかったかもしれないとは驚きです。ポスターや作品を拝見すると、服装や小物など、原作をとても意識したように見えました。会見でも髪を染めていたと仰っていましたね。

ラショー監督:そう、1年間ずっとダークな色に染めていましたよ。衣装に関しては、原作のジャケットにポケットがないのは重要なポイントなので、忠実に再現したかった。既製製品だとなかなかなくて、「冴羽リョウ」を実現するためにオーダーしました。自分も、アニメやマンガの実写化でがっかりした経験があります。今回、ファンを失望させるものは絶対に作りたくはなかったんです。

― 作品の随所にこだわりを感じました。実写化するにあたって、特に気を付けたことなどありますか?

ラショー監督:ユーモアと、アクション、それにドラマチックなこと。原作にあるこの3つの要素はちゃんと入れようと思っていました。また原作にある人間関係、例えばファルコン――海坊主とリョウの、ライバルなんだけど認め合っている奇妙な信頼関係、香とリョウの関係の変化などは、映画の中で丁寧に描こうと思っていましたね。

― ラショー監督だけでなく、ほかのキャストの皆さんからも、原作の雰囲気を強く感じました。何か特別な演出などはされましたか?

(C) Axel Films Production

ラショー監督:今回のメンバーは、元々「シティーハンター」を知っている世代が多かったので、すぐにキャラクターについて理解してくれました。ただファルコン(海坊主)役の彼はそもそも映画初出演。登場シーンでは「君はターミネーターなんだ!」と演出し、キャラクターのイメージを伝えました(笑)

― フランスでは日本のアニメ・漫画がとても人気なイメージがあります。日本の漫画がフランスで人気になった理由は何だと思いますか?

ラショー監督:うーん、「クラブ・ドロテ」がカギだと思います。この番組は日本のアニメを集めて、たくさん放映してくれました。その恩恵を受けたのが僕らの世代。その頃のフランスのアニメはつまらなかったし、僕ら子どもにとって日本のアニメはすごく輝いて見えていたんですよ。異文化をどんどん吸収していくうちに、アニメやマンガに親しむようになって……、それが今のフランスのアニメ・マンガの人気につながっているんじゃないかな。

― 最後に、「シティーハンター」の魅力について教えてください!

ラショー監督:これはやっぱり、冴羽リョウというキャラクターの魅力だと思います。普段はおちゃらけていて、女好きで、2歳児みたい。でも本気になったときは無敵のスーパーヒーロー!この二つを併せ持っているというのが、作品の大きな魅力じゃないかな。

― 映画で、リョウの魅力を達成することができたと思います?

ラショー監督:そう願いますね、自分じゃ「ウィ」なんて言えないから!

フランスで公開当時のカッコイイスカジャンを身に着けたラショー監督。ポーズを取ってくださいました。

誠実に丁寧に答えてくださったラショー監督。ラショー監督の冴羽リョウの魅力は、ぜひ映画館で実際に確かめてみてくださいね!

フランスでの実写映画が教えてくれる「愛」

今回の取材を通して、まず日本人に、アニメや漫画がいかに深く愛されているかを改めて感じました。その愛がフランスへ伝わり、「外国」の人に愛され、映画化されてまた日本へとやってくる。約1万キロの距離を飛び越えた、深いリスペクトと愛を感じますよね♪
また、この映画には、「ニッキ―・ラーソン」ファンが楽しめる小ネタもたくさん。例えば、劇中歌を歌っている男性は、「クラブ・ドロテ」放映当時の主題歌を歌っていた方です。空港のシーンでは番組司会者の女性が出演しているなど、日仏両国のファンが楽しめる作りになっています!

ラショー監督は取材の最後に「日本のファンは心が広いよね、フランス人が演じるのを許してくれる」とぽろっと呟いていました。原作を大事にし、キャラクターを大切に演じ、作品の世界観を丁寧に作り上げる監督の誠実さが、公開前にして既にファンに受け入れられている理由のひとつだと思います。

アニメへの愛に人種も国も関係ない!フランス版「シティーハンター」、ぜひその目で「愛」を確かめてみてください♡

タイトル:『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』
監督:フィリップ・ラショー(『世界の果てまでヒャッハー!!』)
原作:北条司『シティーハンター』
出演:フィリップ・ラショー(冴羽獠)、エロディ・フォンタン(槇村香)

配給:アルバトロス・フィルム

Ⓒ AXEL FILMS PRODUCTION – BAF PROD – M6 FILMS
11月29日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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