京都の和菓子舗は600軒以上。日本一、和菓子を愛する都市といわれています。お店が市内の中心部に集まっているのは、歴史と無関係ではありません。古来、和菓子は、宮中や公家、寺社、茶家の特別な行事に用いられていたからでした。同じようなかたちでも、少しずつ違っていて、競うレベルが何より高い。今回はそんな京都の、必ず買いたくなる和菓子7選をご紹介します。
京都の和菓子1 亀屋良長の「花重ね」
満開の桜をまとった「花重ね」は練り切りでなかは白あん。3月中旬〜4月上旬の限定販売。
亀屋良長(かめやよしなが)
享和3(1803)年創業。名水「醒ヶ井水」が、今も店のすぐ横で湧いている。新しい和菓子への取り組みも盛ん。
京都の和菓子2 末富の「唐衣」
琳派的なデフォルメが優雅。つぶあんを求肥で包んだ「唐衣」。要予約。5月販売
末富(すえとみ)
京菓子界の至宝、山口富蔵さんのお店。裏千家家元や東本願寺などのお出入りの老舗として知られている。
京都の和菓子3 亀屋則克の「季節の干菓子」
日本の四季を上品に表した干菓子。あっさりとした甘さと口どけが特徴。
亀屋則克(かめやのりかつ)
蛤の貝殻に琥珀羹を詰めた「浜土産(はまづと)」が有名だが、季節の生菓子も定評がある。干菓子の品のよさもピカイチ。
京都の和菓子4 紫野源水の「桜の有平糖」
繊細な飴細工の「桜の有平糖」は毎年大人気の品。花6枚と葉2枚の8枚入り。3月〜4月限定販売。
京都の和菓子5 紫野源水の「ひとひら」
上生菓子の「ひとひら」は上質なつくね芋と白あずきの練り切り。3月〜4月限定販売。
紫野源水(むらさきのげんすい)
井上茂さんが手がける創作和菓子。昭和59(1984)年の創業だが、すでに伝統の域に達していて、茶人たちから絶大な信頼が寄せられている。
住所:京都府京都市北区北大路新町下ル
京都の和菓子6 老松の「夏柑糖」
寒天のなかに酸味の強い夏蜜柑の果汁をギュッと凝縮。「夏柑糖」は4月1日から、収穫した夏蜜柑がなくなるまで販売。
老松 北野店(おいまつ きたのてん)
有職菓子の伝統を受け継ぐ上七軒の名店。夏柑糖は毎年販売を待ちわびている人が多い。茶席の和菓子も絶品。
京都の和菓子7 とま屋の「わらび餅」
日本画家の故立原位貫さんの奥様である勝原やよ飛さんがひとりで和菓子をつくっている。定番の「黒砂糖のわらび餅」。通年販売。
とま屋
永観堂から徒歩圏に店を構える。店内には、ヴィンテージ家具が素敵な喫茶室があり、静かな空間で、できたてのわらび餅とお茶がいただける。夏は宇治金時も人気。
住所:京都府京都市左京区若王子町25