ある日の編集会議、セバスチャン高木編集長が言いました。「馬鹿馬鹿しいのが欲しいんだ」。
スタッフ某、考えて考えて……「馬鹿馬鹿しい」……あ、猫! はい、最近の大ヒットJ-POPの影響ですね笑
もともとモフモフラブなこともあり、じゃあいっちょ猫にまみれてみますかあ! となった次第です。
というわけで、今回のモフモフミュージア……もとい、誰でもミュージアムは、「猫」。パブリックドメイン画像から古今東西のネコチャンを集めてみました!
猫飼いさんも、飼っていない猫ラバーも、猫あんまり……なかたも、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
古代エジプトは猫作品の宝庫!
紀元前664–30年にエジプトで作られた銅像。高さ7.2cmとコンパクトなサイズですが、模様が象嵌(金?)されているなど、とても凝った作りになっています。
紀元前332–30年のエジプトで作られた銅像。こちらは高さ32cmと堂々たる威容。
実はこれ、猫のミイラの棺です。猫の頭を持つ女神・バステトの聖獣とされる猫は死後も大切に埋葬されたといい、この像には右耳に金の耳飾りも付いていたとのこと。
古代エジプトのかわいい猫作品、たくさんあります!
紀元前1990–1900年・アラバスター
紀元前1295–664年・軟質陶器
古代の猫、他にも!
紀元前1世紀ごろのイラン(ペルシャ)で作られた銀のリュトン。リュトンはお酒などを注ぎ分けるときに使われる杯ですが、古代の人々はこの器を通すことで神聖な力が宿ると考えていました。
上部から注がれた液体が、猫の胸のあたりに設けられている小さな穴から出てくる仕組みになっています。
地中海のクレタ島で栄えたミノア文明中期(紀元前1900–1600年)に作られた、カーネリアン製スタンプ。か、かわいい……。
描かれた猫たち
室町時代の日本の絵師・右都御史による『麝香猫図』。普段よく見る猫とはちょっと違うワイルドな姿ですが、麝香猫(ジャコウネコ)はイエネコとは異なる種類の猫です。日本国内には生息していませんが、作者はどこかで飼われているのを目にしたのか、絵を見るなどしたのでしょう。麝香猫は、コピ・ルアクという高級コーヒーの生産に一役買っていることで有名な猫でもあります。
こちらも日本画、豊蔵坊信海の『夢中の猫図』です。
江戸初期の作で、どこか日光東照宮の「眠り猫」を連想させます。
16世紀~17世紀のイタリア・ボローニャで活躍したAnnibale Carracciの油絵。2人の少女が猫を囲んで楽しそう。って、猫の頭上……それはサソリ!? 猫、大迷惑。
スイスのKarl Bodmerによる1860年のエッチング作品。野生の猫の荒々しさが表現された、かっこいい作品ですね!ワイルドだろお?
19世紀の中国の絵師・清 虛谷による『蝶貓圖』。花の咲く庭、猫の上空にはたくさんの蝶が舞っています。見上げる猫の表情と前足が愛嬌たっぷり!
明治の画家・川端玉章の『猫図』です。猫は後ろ姿もたまらにゃい……。
しかしこの絵が描かれたのは1868年、慶応年間最後の年、そして明治元年です。26歳の玉章は明治維新の年、何を思いながらこれを描いたのでしょう。
陶磁器の猫たち
1755年にイギリスのSaint James’s Factory(ロンドン)で作られた磁器。高さ7.6cmとコンパクトながら、毛並みなど丁寧に描かれています。右手のネズミ君は、友だちなのでしょうか? 捕まえているというより、優しく抱きかかえているようにも見えます。
1780年にイギリス・スタッフォードシャーで作られた陶器。……色付けの釉薬(ゆうやく)が意図せず流れてしまったのだろうか……。
1743年に作られた、ドイツのマイセン陶磁器。猫は男性の右手の小鳥を狙っているのでしょうか、男性にたしなめられています。
こちらもマイセン(1745年)。かぎたばこ入れで、外だけでなく、内部にもかわいい猫が描かれています。
パブリックドメインで猫画像を検索してみると、数万点という膨大な数がヒットします。
お気に入りの猫ちゃんを集めて、自分だけの美術館を作ってみませんか?
「誰でもミュージアム」とは?
パブリックドメインの作品を使って、バーチャル上に自分だけの美術館をつくる「誰でもミュージアム」。和樂webでは、スタッフ一人ひとりが独自の視点で日本美術や工芸の魅力を探り、それぞれの美術館をキュレーションしています。「誰でもミュージアム」はwebメディアだけでなく、各SNSアカウントや音声コンテンツなど、さまざまな媒体のそれぞれのプラットフォームに合わせた手法で配信。アートの新しい楽しみ方を探ります。