1300年もの歴史を今に伝える、奈良の春日大社
平成10(1998)年12月、ユネスコの世界遺産に登録された「古都奈良の文化財」のひとつである春日大社の歴史は今から約1300 年前の奈良時代に、国の安泰と国民の幸せを願って御蓋山(みかさやま)のふもとに壮麗な社殿を造営し、四柱の神々をお祀りしたことによって始まりました。
創建以来、千古の森の中に朱の柱、白い壁、自然の檜皮(ひわだ)屋根の本殿・社殿は常に新しさを保ち、壮麗な姿でたっているのですが、その秘密は20年毎に斎行される式年造替(しきねんぞうたい)という儀式によるものです。
20年に一度、御殿の修繕や調度品の新調、祭儀の厳修などを繰り返すことによって、春日大社は原初の命を連綿と継承。境内にはつねに清々しく尊厳ある〝気〟が満ちています。
60回目の式年造替を記念して「春日大社国宝殿」が誕生
昨年(2015年)3 月から今年11 月にかけての式年造替はなんと60 回目。その節目を記念して、改修工事のため閉館していた宝物殿を「春日大社国宝殿」と名を改め、2016 年10 月1 日(土)にリニューアルオープンすることになりました。
春日大社国宝殿は、王朝の美術工芸、日本を代表する甲冑(かっちゅう)や刀剣など国宝352点、重要文化財971点を始めとする数多くの文化財を所蔵しています。
その建物は建築家・弥田俊男(やだとしお)氏の総監修のもと、日本の美術館建築で活躍する精鋭が結集し、耐震補強や収蔵環境の改修・拡張に加えて、内外装の一新。唯一無二の美術館として生まれ変わりました。
開館記念展の国宝の数々をお見逃しなく!
リニューアルオープンの記念展となる『春日大社の国宝 ―千年の秘宝と珠玉の甲冑刀剣を一堂に― 』では、国宝・重要文化財の中から珠玉の名品約50 点を選び、その魅力をご紹介。新しい日本美の殿堂として、熱い注目を集めています。
日本最大級の鼉太鼓(だだいこ)の復元を展示する「鼉太鼓ホール」。龍と鳳凰を火炎にあしらった鼉太鼓一対は、春日若宮おん祭で舞楽の演奏に用いられる祭礼の象徴。重要文化財であるオリジナルは鎌倉時代につくられ、現在修復中。展示されているのは昭和50(1975) 年に復元されたもの。高さ6.5m の鼉太鼓は実際に使用されている日本最大級。
開館記念展で観ることができる、王朝文化の粋である御神宝のひとつ「国宝 金地螺鈿毛抜形太刀」春日大社
開館記念展でぜひ拝観したい、「国宝 赤糸威大鎧(竹虎雀餝)」春日大社
春日大社国宝殿開館記念展
春日大社の国宝-千年の秘宝と珠玉の甲冑刀剣を一堂に-
会期/10月1日(土)~11月27日(日) 会期中無休
開館時間/10時~17時(入館は16時30分まで)
拝観料/500円(高大生300円、小中生200円)
奈良県奈良市春日野町160 地図
春日大社内国宝殿
春日大社ホームページ