Travel
2019.08.15

そうだ、縄文へ行こう。長野県諏訪地方、現代人でも行ける縄文観光8選

この記事を書いた人

八ヶ岳縄文天然温泉 尖石の湯

八ヶ岳の登山は、どの山を選んでも生易しいものではありません。山登りで疲れたら! その体を癒やしてくれるのはもちろん、温泉です。八ヶ岳は日本屈指の火山地帯であり、良質な温泉が集中する地域でもあるのです。旅の最後にお届けするのは、100%源泉かけ流しの天然温泉「尖石の湯」です。

勾玉野天岩風呂

いかがですか、見ているだけで疲れがふっとびそうではないですか。エメラルドグリーンの温泉に足を踏み入れると、雲の中を歩くような「ふわっ」「もさっ」とした不思議な感覚が足裏を包みます。これは「湯の花」ならぬ「湯の藻」が温泉の中で成長しているから。さすが、「生きた温泉」はちがいます。

湯のあたりはとても柔らかくて、トロトロしています。そんなに熱くありませんが、このとろみのある湯船に浸かっていると、ものの5分から10分で体の芯まであったまり、出てからもずっとポカポカあたたかいのです。八ヶ岳のエネルギー、恐るべしです。

さて、温泉の質はさることながら、この施設の最大の特徴はその「秘境感」にあります。まず、大変見つけづらい。看板や標識がない。ナビにもでてこない。(ご安心ください、私達には心強いgoogle mapがついています)そして何度も道を間違えて、やっとたどり着くと、こんな感じの入口が待っているのです。

勾玉野天岩風呂入口。受付は隣接の宿泊施設にて。

取材班の第一声は「ワイルドですね」でした。そしてこの暖簾をくぐり抜けると、さきほどの原始的な露天、いや「野天」岩風呂が広がっています。脱衣場もなく、ただ小さな東屋があるだけ。周りは静かな自然に囲まれ、塀も何もありません。(外からは見えませんのでご安心を!)この秘境感、原始感も手伝って、「縄文人も、こんなお風呂に入っていたんだろうな」なんて思ってしまうわけです。

そしてなぜか、野天風呂の外には、縄文人の住居「竪穴式住居」が・・・!

温泉横の竪穴式住居

なんでも、施設のオーナー様が諏訪の「縄文力」に共鳴して作ったのがこの「尖石の湯」なのだそうです。研修や合宿所としての利用もできるそうで、そこではただの湯治にとどまらず、飲泉することでデトックス効果を期待する「温泉断食」が行われ、さらにはテレビやスマホから解き放たれた「文明フリー」な日々を過ごせるとか。心から、体から、あらゆる現代的「老廃物」が排出されそうですね。

火山のエネルギーを直接体に取り込むことのできる温泉の力には、きっと縄文人も癒やされていたはず。八ヶ岳の底なしの力を取り込んで、私達も旅の疲れを癒やしましょう。

八ヶ岳縄文天然温泉 尖石の湯
運営:グループダイナミックス研究所
住所:〒391-0213 長野県茅野市豊平10246-1
電話:首都圏事務局 044-541-2455
開館日:木~月・祝(火・水休館)
日帰り入浴時間:10:00~17:00
入湯料:大人 1,030円
子ども(5〜12歳)830円
公式サイト:http://www.togariishinoyu.com/togariishi.html

おまけ:御射鹿池

「日本の絶景」が特集されると必ずと言っていいほど登場する、長野県の名所「御射鹿池(みしゃかいけ)」。実はこちらのため池、「尖石縄文考古館」や「尖石の湯」から車で10分程度の場所にあります。


御射鹿池。「射」「鹿」という当て字からしても、名前の響きからしても、すごく縄文的です。映画「もののけ姫」に出てくる「シシ神様のお池」を思い出したのは私だけではないはず。

農林水産省の「ため池100選」の説明によると、「御射鹿池」の名は、昔この地域が神野(こうや)と呼ばれ、鍬を入れることも許されなかった神の御狩場であったことに由来するのだとか。神に奉げる鹿を射る神聖な場所だったのですね。ますます「シシ神様のお池」を思わせます。このガラスのように澄んだ水の上を、「金色の鹿」が歩くのを想像すると震えます。

御射鹿池
住所:〒391-0213 長野県茅野市豊平

書いた人

横浜生まれ。お金を貯めては旅に出るか、半年くらい引きこもって小説を書いたり映画を撮ったりする人生。モノを持たず未来を持たない江戸町民の身軽さに激しく憧れる。趣味は苦行と瞑想と一人ダンスパーティ。尊敬する人は縄文人。縄文時代と江戸時代の長い平和(a.k.a.ヒマ)が生み出した無用の産物が、日本文化の真骨頂なのだと固く信じている。