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2019.08.18

金沢の観光スポット「兼六園」見どころを解説

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金沢の観光スポットとして有名な「兼六園(けんろくえん)」。その見どころを解説します。

兼六園の歴史

大名庭園を代表する名園「兼六園」(けんろくえん)の歴史は1676年、加賀藩(かがはん)5代藩主・前田綱紀(まえだつなのり)が金沢城内に別荘を建て、庭園をつくったことにはじまります。綱紀以後の歴代藩主も庭園づくりに力を注ぎ、1851(嘉永4)年、13代藩主斉泰(なりやす)が建物を整理し、池を掘って流水を配し、植栽(しょくさい)を整備。従来の蓮池庭(れんちてい)と一体化して、ほぼ現在の形が完成。1874(明治7)年に市民へ開放されてから、他に類を見ない規模の名庭として広く知られる存在となったのです。

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約180年という長い歳月をかけて形づくられた庭園ですが、作庭の基本には常神仙思想(しんせんしそう)が貫かれていました。不老不死の仙人に憧れ、仙人になることを願うという神仙思想を今に伝えるのは、綱紀が瓢池(ひさごいけ)に築いた3つの神仙島や、斉泰が霞ヶ池(かすみがいけ)に浮かばせた蓬莱島(ほうらいじま)など。加賀藩の代々の藩主たちにとってこの庭園をつくることは、長寿と未来永劫(みらいえいごう)の繁栄に対する祈りの投影でもあったのです。

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名前の由来

この名園が「兼六園」と呼ばれるようになったのは、1822(文政5)年にさかのぼります。由来となったのは中国の宋時代に記された名園紹介といった趣の『洛陽名園記』(らくようめいえんき)。そこには、庭園に6つの優れた景観を兼ね備えることはできないが、唯一湖園(こえん)のみ共存しているという記述がありました。しかし、この庭園も6つの景観を兼ね備え、湖園に引けを取らないことから「兼六園」の名が付けられたとされます。

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6つの景観とは、広々とした様子の〝宏大〟(こうだい)、静寂と奥深さを表した〝幽邃(ゆうすい)〟、人の手によってつくられた橋などの〝人力〟、古びた趣をただよわせる〝蒼古〟(そうこ)、滝や池などの〝水泉〟(すいせん)、遠くを眺める〝眺望〟。

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兼六園、6つの景観の見どころ

1.幽邃の境地を表した瓢池
霞ヶ池とは逆に静寂と奥深さをたたえた瓢池。この違いが、庭を味わい深くしている。
2.園内最大の霞ヶ池
大海を模した霞ヶ池のスケールの大きさは、兼六園の特徴のひとつ。瓢池との対比が面白い。
3.眺望を表す卯辰山(うたつやま)の借景
眺望台から園外に目を移すと、そこには卯辰山をはじめとした山々が描く雄大な借景が。

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4.水泉の極致を曲水で堪能する
低地を流れる水泉と遠景の眺望を同時に楽しむなど不可能とされるが、それができるのも兼六園の魅力。
5.手つかずの自然を表す蒼古の姿
園内東南に位置する山崎山(やまざきやま)そばの渓流では、長い年月をかけて営まれてきた景観が楽しめる。
6.景観に彩りを添える人力の雁行橋(がんこうばし)
自然を写した提案には、人がつくった意匠が効果的に配されている。雁行橋や徽軫灯篭(ことじとうろう)が好例。

広い敷地に大きな池や築山(つきやま)を配した「兼六園」は方丈や書院から見るための庭ではない。ここは、点在する御亭(おちん)や茶屋に立ち寄りながら遊覧する回遊式(かいゆうしき)の庭園。様々な時代の庭園手法が混在しながら総合的につくられた庭は、いくつもの池やそれを結ぶ曲水(きょくすい)、築山、多様な植栽など、見どころ満載。中でも醍醐味は、上の地図に示した写真のような6つの景観。それらは3つの相反するものの組み合わせとなっていて、それぞれを見比べながら、効果的な作庭の技や美しさの違いを味わってみたい。

兼六園 基本情報

公式サイト(けんろくえん)

池泉回遊式の大名庭園
1676年、前田綱紀が作庭

住所/石川県金沢市兼六町1-4 地図
開園時間/7時〜18時
入園料/310円

アクセス/金沢駅よりタクシーで約10分。兼六園シャトルバス レトロバス「城下まち金沢周遊」号など。

兼六園周辺の観光は?

ホテルや旅館に泊まったら、兼六園以外にどこを観光しようか迷う…そんなあなたへ、「金沢1泊2日観光ガイド。日本の武家文化の美に出会う」がおすすめです。こちらの記事では、兼六園の周辺にある観光スポットを紹介しています。アートや美術館はもちろん、郷土料理店や神社も紹介しています。ぜひお読みください。