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2019.08.12

銀座グルメ!特産品と料理人のライブを楽しめる「キッコーマン ライブキッチン東京」の魅力

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レストランに行って料理人やサービススタッフから料理の解説をしてもらったり、食材の生産者のことを知ったりすると、食事がいっそう楽しく、おいしくなりますよね。
東京・銀座にある「KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO(キッコーマン ライブキッチン東京)」は、日本の各都道府県の食材と、料理人による「料理ライブ」が楽しめる店。2019年8月は福島の食材を使った特別なディナーを提供しています。コース全8品のなかから2品をご紹介し、ライブの様子をレポートします。

分野の異なる料理人がコラボする「料理ライブ」

「キッコーマン ライブキッチン東京」は、月替わりで各都道府県の食材をテーマに掲げ、ジャンルの異なる料理人がコラボしてコース料理を作り上げる、新しいスタイルのレストラン。客席にキッチンが備えられ、料理人の調理実演やトークを交えた「料理ライブ」が楽しめます。
2019年8月2日から8月30日までは、福島県産の食材がテーマです。料理を担当するのは京料理の老舗「木乃婦(きのぶ)」三代目主人・高橋拓児さんと、フランスの各地方で修業してきた「レストラン アルシミスト」シェフ・山本健一さん。

「木乃婦」高橋拓児さん(右)と、「レストラン アルシミスト」山本健一さん(中央)

メディア向けの発表会で、高橋さんは「福島牛」を使った幽庵(ゆうあん)焼きを。山本さんは福島の桃「あかつき」と春菊を組み合わせたデザートをデモンストレーションしてくださいました。

福島県産牛肉の最高ブランド「福島牛」とは?

バランスよくサシの入ったやわらかい肉質

「福島牛」は、猪苗代湖(いなわしろこ)、磐梯山(ばんだいさん)、阿武隈高原(あぶくまこうげん)など、福島県内の豊かな自然のなかで肥育・生産されている黒毛和牛。その中で社団法人日本格付協会の定める格付4等級以上のものを銘柄「福島牛」として、県産牛肉の最高ブランドに位置付けています。

色鮮やかな「福島牛」

色鮮やかでバランスよくサシの入った「福島牛」は、やわらかな肉質、風味豊かでまろやかな味わいをもつ牛肉です。

江戸時代の茶人が考案した“幽庵焼き”ってなんですか

ところで、“幽庵焼き”って知っていますか?
日本料理の焼き物のひとつで、醤油・酒・みりん、柚子などの柑橘を合わせたタレに食材を漬け込み、焼いた料理です。江戸時代の茶人・北村幽庵(祐庵)が考案したことからこの名がついています。
幽庵焼きは魚の切り身を使うことが多いですが、今回、「木乃婦」の高橋さんは「福島牛」のヒレ肉を幽庵焼きに仕立てました。「料理ライブ」ではお客様の目の前で実演しながら、この料理の発想や調理のポイントが語られます。

炭火で火入れ。高橋さんは調理をしながら解説

 今日は幽庵焼きという料理で、お肉を1時間ぐらい醤油やみりんに漬けてあります。霜降りのお肉を備長炭でおいしく焼いていきたいんですが、お肉はいきなり炭で調理せずに、まずは低温で火入れしてから、高温の炭火で仕上げていきます。中はいい色で、外側はパリッと仕上がります。

肉に季節感を添えるため、肉の脂と相性のいい茄子を合わせた

肉に合わせるのは、京野菜の「賀茂なす」。

 お肉には「賀茂なす」を合わせました。「賀茂なす」の中身をくりぬいた器に、茄子の身、ずいき、枝豆を入れて、少しだけ赤味噌を忍ばせてあります。味噌は茄子と相性が良く、肉とのつなぎ役にもなってくれるんです。そこに鰹のお出汁をかけて召し上がっていただきます。

「牛の幽庵焼き 加茂茄子出汁あんかけ」

炭火で香ばしく焼かれた「福島牛」とトロリとした「賀茂なす」、やさしい味わいのお出汁が調和したひと皿です。

福島産の代表的な桃「あかつき」

盆地性の気候が育む甘い桃

福島県は、桃の生産量ランキングで全国2位(2017年)。福島県の名産品といえば桃を思い浮かべる人も多いはずです。桃の主産地となっている福島市や伊達市等は盆地性の気候で夏は日差しが強く暑いことから、暖地を好む桃の樹の生育に適しています。さらに、果実に袋をかけずに栽培している農家が多いため、直接太陽の光を受けて色づきがよく、より甘い果実に育ちます。

「あかつき」は福島を代表する桃の銘柄
写真提供:うつくしま観光フォトライブラリ

「あかつき」は、福島の桃生産量の約半分を占める品種。肉質が緻密で糖度が高いのが特徴です。「レストラン アルシミスト」の山本健一さんは、この「あかつき」と春菊を組み合わせたデザートを供してくれました。

なぜ桃×春菊? 苦みと青い香りがキレを生む

山本さんのデザートは、ライスミルクを使ったブランマンジェ(ミルク、クリーム、ゼラチンなどで作った冷菓)の上に、福島県産の桃のコンポート、そして、春菊のアイスパウダーを添えたひと皿。
桃のデザートというのは想像できますが、なぜ春菊を合わせたのか、山本さんはライブで語ってくれました。

なぜ春菊? 山本シェフは、デザートの組み立てを語ってくれた

 桃はゆっくり火入れして香りがよく残り、ブランマンジェはコクがあり濃厚な味わい。そこにキレを出したいと考えて、春菊のアイスパウダーを添えました。春菊は液体窒素で凍らせていて、それが溶けていく間にふわっと春菊の香りがあがります。

デザートは、サービススタッフが各テーブルをまわり、春菊のパウダーをかけて仕上げる

 自分の店のお客さんに、苦みを良く使うねって言われることがあるんです。春菊もそうですが、ピーマンでも鮎でも。苦みのある食材は、僕は好きですね。

「ライスミルクのブランマンジェと桃、春菊のアイスパウダー」

桃のコンポートは果実の食感がしっかり残った仕上がりで、芳醇な香りが口の中に広がります。コクのあるライスミルクのブランマンジェと一緒に食べると甘くやさしい口あたりのデザートに。そこに春菊のアイスパウダーが加わると、苦みと青い香りで一気に繊細な味わいに変わります。

特産品と料理人のライブを楽しむエンタメレストラン

料理人によるトークと調理実演は、目の前のひと皿をより深く理解させてくれる絶好の機会。「キッコーマン ライブキッチン東京」は、2019年9月には山梨の食材を、10月には山形の食材をテーマに、様々なジャンルの料理人がコース料理を創作します。
各都道府県の名産品を知り、「料理ライブ」を堪能できるレストランを、ぜひ体験してみてください。

福島県の食材をテーマにした、8月のコース料理

店舗情報

「KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO(キッコーマン ライブキッチン東京)」
住所:東京都千代田区有楽町2丁目2-3 ヒューリックスクエア東京B1F
電話:050-3134-5158
営業時間:
レストラン18:00~(ライブ時間 18:30~20:30) ※予約制
スーベニアショップ 11:00~21:00
カフェ&バー 11:00~21:00
定休日:不定休(お盆休みあり)
公式サイト

書いた人

寺社巡り、歳時記、やきものなど、さまざまな日本文化にまつわるウィークリーブックの編集担当を経て、料理専門誌編集部へ。たんぱく質不足。炭水化物過多。お腹はゆるゆるでいいが背中はバキバキでありたいので、背筋を中心に日々トレーニングしたりしなかったり。