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2019.12.09

東京にお城の跡が100もあるって知ってた?おすすめの7城を観光ガイド

この記事を書いた人

東京23区内にお城はいくつある? 「皇居の江戸城以外に、城なんてあった?」と思う人も多いはず。実は23区内に約100、東京都全体だと200を超す城跡があるのです。今回はその中でも面影をよく残すおすすめの7城を、背景の歴史とともに紹介。キーマンは、名将・太田道灌です。

東京23区内で城めぐり! 歴史ロマンあふれる7つの城跡を徹底紹介

主君と補佐役の対立が関東に戦乱をもたらした

お城といえばイコール天守閣と思う人も多いでしょう。しかし天守はあくまでもシンボルで(ちなみに天守閣という言い方は明治時代以降の俗称で、正しくは天守です)、都内に天守のあるお城はありません。城という字が「土で成る」と書くように、外敵の攻撃を防ぐべく、土を掘って堀を作り、掘った土で土塁を築いた、戦うための防御施設が城なのです。そうした中世の城跡が都内にも数多くあり、究極的な姿が近世城郭の江戸城といえるでしょう。今回は7つの城を取り上げますが、それぞれの特徴だけでなく、その城にどんな背景があったのか、歴史上の流れの中で紹介します。さまざまなドラマがそこにはありました。

現在の東京都、埼玉県、神奈川県の一部はかつて、武蔵国(むさしのくに)と呼ばれていました。平安時代後期頃、武蔵国に武蔵七党と呼ばれる武士団が興ります。その流れをくむ豊島氏(秩父平氏)、足立氏(藤原氏)、葛西氏(豊島氏の同族)、江戸氏(秩父平氏)らは源平合戦の折、源頼朝(みなもとのよりとも)を支えて活躍しました。

室町時代に入ると、足利(あしかが)将軍は京都にあり、関東は足利将軍の一族が鎌倉公方(くぼう)となって治めます。鎌倉公方の補佐役は関東管領(かんれい)と呼ばれる職で、代々上杉氏が務めました。上杉氏は関東管領職をほぼ世襲する山内(やまのうち)上杉家と、扇谷(おうぎがやつ)上杉家の二つに大きく分かれます。

やがて鎌倉公方と関東管領はたびたび対立するようになり、これに京都の将軍がくちばしを挟んで関東は大いに乱れました。特に享徳(きょうとく)の乱(1454~83)は28年間も断続的に続き、あの戦国時代の幕開けと呼ばれる京都の応仁(おうにん)の乱(1467~77)が始まる前に関東ではすでに戦いが始まっていて、応仁の乱が終息しても、まだ戦いが続いていました。

東京23区内で城めぐり! 歴史ロマンあふれる7つの城跡を徹底紹介
太田道灌像(千代田区丸の内3丁目、東京国際フォーラム内)

書いた人

東京都出身。出版社に勤務。歴史雑誌の編集部に18年間在籍し、うち12年間編集長を務めた。「歴史を知ることは人間を知ること」を信条に、歴史コンテンツプロデューサーとして記事執筆、講座への登壇などを行う。著書に小和田哲男監修『東京の城めぐり』(GB)がある。ラーメンに目がなく、JBCによく出没。