カフェの店内から桜島がどーん!と見えて、お花や食事もSNS映えして癒されるけど、作家さんの器や張り子も並んでいて、伝統芸能の落語や座敷芸が店内で開催されているって、、、?一体どんなカフェなんだろう?
鹿児島市の宇宿駅から少し歩いた坂の途中にある「aview Cafe & Flowers」は、『桜島が見えるカフェ』として注目のスポットですが、この他にも魅力たっぷり。お店を運営する店長の中村友貴さんに、お店の魅力や楽しみ方についてお話を伺いました。
癒しスポット、どこですか?
お花で彩る店内
店内を見渡すと、まず目に入るのはあらゆる場所へ飾られているお花。ドライフラワーのスワッグが店内の壁、天井を飾り、週2回入荷がある切り花も販売しています。
中村:季節のお花を中心に、かわいいお花も、珍しいお花も、枝ものもバランスよくとり揃えています。記念日やお祝いのためのブーケやアレンジの注文はもちろん、季節のテーマを決めて開催するワークショップやプライベートレッスン(2名様以上)も行なっています。カフェを利用するお客様が、誕生日のお連れ様のためにサプライズでブーケのご注文をされることがあるのですが、これも「aview Cafe & Flowers」ならではだと思います。
鮮やかで新鮮な野菜メニュー
その日ごとに農家さんが持ってきてくれる新鮮な野菜を使用したベジプレートが人気メニュー。見た目にも鮮やかでボリュームもたっぷり。
中村:見た目にも食材にもこだわっているのはもちろん、がっつりと食べることができるメニューです。定食屋のようにも使っていただけたら。とは言えハーフサイズもあり、通し営業なので、好きな時間にその時の気分や体調にあった食事を自由に楽しんでいただけたらと思います。スイーツも全て手作りで、季節によって食材やメニューも更新されるので、いつ来ても美味しいものにめぐり会えるはず。
陶芸作品の魅力を味わう
器好きの中村さんは、「伝統的工芸品」である笠間焼で有名な茨城県笠間市で作陶する「羊窯」小林東洋さんの作品を店内に並べています。
中村:「羊窯」の小林東洋さんとその作品には、つくばにある友人のお店で出会いました。笠間の山の中にあるお家とアトリエにも何度かお邪魔したのですが、半屋外の東屋に囲炉裏があって、奥様が巨大な鍋におでんを作ってくださっていて、それを東洋さんの器でいただくという。そのスケール感や流れる時間、そこから生まれる重厚でおおらかな作品には多くの刺激をもらいました。「aview Cafe & Flowers」が始まるにあたって、鹿児島でぜひ紹介したいと思って仕入れさせてもらいました。
この他に、鹿児島県薩摩川内市の祁答院(けどういん)で作陶する、佐々木かおりさんの「野はら屋」の器も取り扱っています。
黒く力強い作風が印象的なのは、鹿児島県出身の佐々木さんが、沖縄の北窯米司工房で10年間修行していたため。そのため作品には沖縄、鹿児島の風土を感じます。
中村:「aview Cafe & Flowers」ではローカルな食材や取引のある農家さんの野菜なども販売しているので、その流れで鹿児島の器を売っているのもいいなと思っていたところに出会ったのが佐々木さんでした。佐々木さんの作風は多彩なので、黒い器のシリーズはその中のごく一部。ラフな雰囲気で気兼ねなく使えるので大好きなシリーズです。
ユニークな張り子に癒される
店内ディスプレイのように並べられていた張り子は、実際に商品として販売されています。張り子作家「前田ビバリー」さんによるもの。
中村:前田さんのことは、まだ僕がつくばに住んでいる頃に旅行で行った長崎の書店で見つけた地元の情報誌で知りました。すぐに作品を見たいと思って調べたら、関東に戻るタイミングで展示をやっていて、その足で見に行きました。そこからの付き合いで、つくばで干支張り子の行商をしてもらったり「aview」では個展を開催しました。伝統的でありながら、どこかユーモラスな作風が好きです。
日本の伝統芸能を店内で?
落語家・柳家喬太郎さんの落語会
カルチャー誌などで活躍する編集者であるオーナーのつながりの中で出会った落語家・柳家喬太郎(やなぎや きょうたろう)さんの落語会を令和元(2019)年8月に開催しました。数多くの創作である新作落語で知られ、古典落語も演じる人気落語家の喬太郎さん。
中村:やはり大人気の方なので、告知をした時にお客さんからの反応が凄かったです!かくいう僕は、落語を全くと言っていいほど体験したことがなかったのでドキドキしながら当日を迎えましたが、さすが師匠!スッと引き込まれて時間を忘れて楽しみました。2回目開催の期待も高まります。
鹿児島の座敷芸
鹿児島県いちき串木野市を拠点に活動している住吉小糸さんと住吉社中さんによる、三味線で唄って踊る座敷芸を店内で過去2度開催しています。小糸さんは男性の芸者さんで、鹿児島県にかつて多くいたという「町芸者」の文化を今に伝えています。芸の最後は、かつて鹿児島の人は皆歌って踊っていた「ハンヤ節」をお客様も交えて楽しく踊って締めます。
中村:地元の根強いファンもいる住吉社中と小糸さん。唄と踊りによる驚き、笑えて、ちょっぴり泣けるステージ(と小糸さんのコッテコテの鹿児島弁トーク!)は、鹿児島の人はもちろん、県外の方にも観てもらいたいですね。僕は生まれも育ちも鹿児島ですが、知らなかった鹿児島の姿を教えてもらいました。古くからある唄や踊りを引き継いではいるけれど、決してノスタルジックなだけでは無い、今もお座敷に呼ばれて演じられている現在進行形の芸だというのが一番面白いところだと思います。
食事以外も楽しめるお店の新しい形
「鹿児島は地元ですが、宇宿という今まで全く縁の無かったエリアで、ほとんどキャリアの無い自分が先頭に立って店をやっていかないといけないので、わからないことだらけ。プレッシャーも大きかったのですが、心強いスタッフのみんなや、つくば時代の友人・知人、鹿児島で新たに知り合った人たち、そしてもちろんお客さんに助けられながら、なんとかここまでやってこれました」と最後に中村さんよりお話いただきました 。
自然溢れる空間での食事はもちろん、幅広い作家さんを取り上げ作品の展示販売をしたり、イベントも定期的に行われ、飲食だけではない新しい店の形が出来上がっています。
疲れがたまってとにかく癒されたい、という方にすすめたいお店。
記事を書きながらインスタグラムを眺めているだけでも、自分は少し癒されました。
aview Cafe & Flowers 店舗情報
営業時間:11:00~19:00
(水曜のみ11:00~17:00)
定休日:第1・第5水曜日
住所: 〒890-0073 鹿児島県鹿児島市宇宿5-13-1 (駐車場15台)
公式サイト:http://www.aview.shop
インスタグラム:
https://www.instagram.com/aview_kagoshima/