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2019.05.02

2019年5月29日は「世界カワウソの日」。特別イベント情報!

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毎年5月最終水曜日が「世界カワウソの日」だって、知ってましたか?

最近は直に触れ合うことができるカワウソ・カフェが話題になっていて、SNSでもたくさんの「いいね」を集めるカワウソ。イタチ科カワウソ亜科に属する哺乳動物カワウソはかつて13種あったものの、環境の変化や乱獲、密輸によってその数は激減し、ニホンカワウソは絶滅し、5種が絶滅危惧種に指定されているなど、絶滅の危機に瀕しています。

そんな現状に対し、イギリスのNPO団体「The International Otter Survival Fund(国際カワウソ生存基金)」が、カワウソの保護を目的として定めたのが「世界カワウソの日」。その主旨にそって、カワウソを飼育している世界中の水族館や動物園ではさまざまなイベントが行われます。

サンシャイン水族館「カワウソワークショップ」でつくる、羊毛フェルトのカワウソコースター

かつては日本各地で見ることができたニホンカワウソ

日本在来種のニホンカワウソはかつて、日本全土に生息していました。
各地に伝わっている河童伝説は、実はニホンカワウソを見間違ったと考えられるものが多く、各地の伝承にもしばしば登場。七十二候の「獺祭魚(だっさいぎょ)」は、春になってカワウソ(獺)が魚を捕らえるようになった時季を表しているなど、ニホンカワウソは古くから親しまれていたのです。

日本美術にもカワウソは描かれています。「和樂」2015年6月号ではなんと、江戸時代の狩野派を支えた巨匠・狩野探幽が描いた「獺図(かわうそず)」が大きく紹介されていました。

『獺図』 狩野探幽 紙本着色 一幅 寛永12~19(1635~1642)年ごろ 51.4×105.9㎝ 福岡市美術館蔵(黒田資料)

正岡子規の号もあの日本酒もカワウソ由来!?

七十二候とは二十四節気をさらに約5日ずつ分けたもので、「獺祭魚」は、二十四節気の「雨水(うすい)」の初めにあたります。
「獺祭魚」とはもともと中国から伝わった言葉で、カワウソには捕らえた魚を一度並べてから順に食べる習性があり、それがまるで供物を祭っているように見えることに由来します。
それが、唐の時代の詩人・李商隠(りしょういん)が、短冊に書いた詩を並べ散らかしていたことから「獺祭魚庵」と号して以後、「獺祭魚」は書物などが散らかっている様子を表す言葉に用いられるようになりました。

近代文学に名を残す正岡子規の別号「獺祭書屋主人」は、病に伏していたときに多数の資料を枕元に置いていた様を例えたもので、子規の命日である9月19日は「糸瓜忌(へちまき)」のほか「獺祭忌」とも呼ばれています。
ちなみに、日本酒の「獺祭」は、所在地の獺越(おそごえ)からとったもので、「獺祭魚」が直接の由来ではないものの、その地名はニホンカワウソが広く生息していたことを伝えるものです。

そんな身近な動物だったニホンカワウソも、乱獲や近代の開発によって生息数が激減。昭和3(1928)年に狩猟の対象外にされたものの減少は止まらず、高知県、愛媛県を除く地域では昭和29(1954)年ごろには絶滅したと考えられ、最後に捕獲されたのは昭和50(1975)年、愛媛県宇和島市でのこと。生きた姿で確認されたのは高知県須崎市の新荘川で昭和54(1979)年に目撃されたのが最後で、平成24(2012)年、環境省はついにニホンカワウソを絶滅種に指定したのです。

カワウソのための「世界カワウソの日」

現在、日本の水族館や動物園で見られるのは、コツメカワウソ、ユーラシアカワウソ、ツメナシカワウソ、カナダカワウソの4種です。そのうち、コツメカワウソを飼育している東京・池袋のサンシャイン水族館では、「世界カワウソの日」に合わせて、5月17日(金)~29日(水)の13日間「5月29日は世界カワウソの日!カワウソWEEK+(ウィークプラス)」が開催されます。

期間中は、生態や暮らしぶりの解説を聞きながらコツメカワウソを間近で見られる「カワウソ・グリーティングタイム 」の特別ver.や、餌を水中で捕まえる姿を観察できる「カワウソ・フィーディングタイム」、観察とともに特別解説で学ぶ「いきものキャンパス」(有料)のほか、羊毛フェルトでカワウソコースターをつくる「カワウソワークショップ」(有料)などのイベントやカワウソ関連グッズなど、盛りだくさんの趣向を用意。かわいい姿を楽しみながら、カワウソの現状や保護の大切さを知ることができる絶好の機会です!

5月29日は世界カワウソの日!カワウソWEEK+(ウィークプラス)

2019年5月17日(金)~29日(水)
サンシャイン水族館

住所 東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上
営業時間 9:00~21:00(最終入場は終了1時間前 9月24日~2020年3月19日は10:00~18:00 ※変更の場合あり
入場料金 大人(高校生以上)2,200円、こども(小・中学生)1,200円、 幼児(4才以上)700円
公式サイト


コツメカワウソぬいぐるみ1,980円 サンシャイン水族館「ショップ アクアポケット」

※価格はすべて税込。カワウソの写真はすべてサンシャイン水族館のイメージ画像

書いた人

昭和のころからファッション雑誌の編集に携わり、重ねたキャリアだけは相当なもの。長らく渋谷の隣駅(池尻大橋)近くに住んでいたが、諸事情により実家(福岡県飯塚市)に戻る。以後もライターの仕事に携わることができ、現在2拠点生活中。LCCの安さに毎回驚きながら、初めて住んでみた人形町・日本橋エリアでの生活が楽しくて仕方がない!