和樂webで紹介してきた、名店の料理、つくってみましょうシリーズ。お店の歴史を知れば、あの名店の味もご家庭で再現できるかも?
1 洋食の最高峰「芳味亭」のビーフシチューをつくってみましょう
「芳味亭」は昭和8(1933)年創業の洋食店。戦前からの味を守る老舗です。中でも、1か月かけて煮込むというドミグラスソースを使ったビーフシチューは、「ビーフスチュー」とメニューに書かれ、変わらない人気。日本で、ごはんに合う味に変わっていったドミグラスソース。その魅力を支える技を教えていただきました。
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2 京料理の名店「たん熊北店 本店」の土瓶蒸しをつくってみましょう
人と人との出会いだけでなく、相性がいい食材の組み合わせを「出合い」と言います。晩秋の鯛(たい)と蕪(かぶ)、冬の鰤と大根など、ほかの相手が考えにくいほど、どんぴしゃの相性のことです。秋の食材の中でも、鱧(はも)と松茸(まつたけ)は最高の出合い。ふたつの味を思う存分引き出すのが土瓶蒸しです。秋はまだ先ですが、一足先におさらいしておくのもいいですね。
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3 江戸前料理の代表格「楽亭」のえびの天ぷらをつくってみましょう!
天ぷらは江戸前料理の代表格です。本来、江戸前の天ぷらとは、東京湾で獲れた魚介類を揚げるという意味でした。くるまえびをはじめ、きす、あなご、ぎんぽ、めごち、小柱(ばかがいの貝柱)などが江戸前のネタです。中でもくるまえびは、天ぷらには欠かせないもの。どんな大きさの、どのレベルのものを選ぶかが、天ぷら屋さんの個性を決めています。くるまえびを天ぷらに使うのは東京の好み。その甘さと歯ごたえを最も感じられる天ぷらは、不滅の人気料理です。
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4 正統派割烹!原宿「重よし」の鯖の味噌煮をつくってみましょう!
JR原宿駅にほど近い「重よし」は、食べることの大好きな人たちに教わり、その人たちにかわいがられてきたご主人・佐藤憲三さんが、独自の料理を出す和食店として、40年を超えて営業してきました。さまざまな名物料理がある中で、鯖の味噌煮は「重よし」らしい料理になっています。鯖と言えば、味噌煮が定番ですが、「重よし」の鯖の味噌煮は、佐藤さんが苦手な人に食べてもらうにはどうしたらいいのかと考えた末に生まれた方法でつくられています。それは、油で鯖を焼いて、長時間「味噌汁」の中で煮るというやり方です。
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5 もはや老舗!銀座の名店「資生堂パーラー」のカレーライスをつくってみましょう!
資生堂パーラーは昭和3(1928)年にレストランを営業しはじめた当初から、カレーライスをメニューに載せていました。当時のメニューには「チッキン カリー ライス」と「カリー ライス」が載っています。そのころは鶏肉が高級とされていたので、前者は70銭、牛肉入りの後者は50銭と、チキンカレーのほうが高価でした。ちなみに昭和5年のうな重の値段は60銭、映画は40銭、町のカレー店のカレーは10銭から12銭。資生堂パーラーのカレーの値段はうなぎと同じくらいで、それはそれは高級なカレーでした。資生堂パーラーでは、昭和の中ごろに今のような色の濃いルーができました。肉をはじめとする具は、別途火を通して最後にカレーソースと合わせます。以来40年間、カレーは同じようにつくられてきました。
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6 日本橋「たいめいけん」のボルシチをつくってみましょう!
東京・日本橋は、江戸時代から商業で栄えた町。老舗の百貨店や海苔問屋、鰹節問屋などが並びます。6階建てのビルで営業する洋食の老舗「たいめいけん」は、作家の池波正太郎も通った名店です。客層は子供からお年寄りまで幅広く、カジュアルな1階ではオムライスやスパゲッティナポリタンなど、懐かしいメニューが人気。サイドメニューとして頼めるボルシチとコールスローを、変わらず50円で出しています。2階は本格的な洋食のレストラン、5階には創業者の茂出木心護さんがコレクションした凧の博物館があります。