豪華な天領寿司が自慢!「岡山 倉敷」で、より道の旅しませんか?

豪華な天領寿司が自慢!「岡山 倉敷」で、より道の旅しませんか?

目次

民藝と瀬戸内の寿司を楽しむ白壁土蔵の町

格子窓の町家に白壁土蔵(しらかべどぞう)、薄墨色の瓦屋根。江戸時代、幕府直轄の天領地として栄えた倉敷には、今も当時の風情が色濃く残っています。古きを尊ぶこの町は、『用の美』の発信地でもあり。倉敷ガラスや備中和紙などの手仕事に、あちこちで出合うことができるのです。瀬戸内の魚を贅沢にのせた『天領寿司』もお目当てのひとつ。小さなエリアに観る・買う・食べるがギュッとまとまっていて、そぞろ歩きも快適です。
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天領の面影残す美観地区。

白壁の町・倉敷は、備中松山城の玄関港として栄えた天領地。米や綿花を運ぶ運河だった倉敷川沿いには、多くの蔵がつくられました。昭和の戦災を免れたこの町では、細い路地や曲がりくねった道が昔のままに。漆喰壁の土蔵や屋敷なども、あるべき場所に、あるべき姿で息づいています。

倉敷川沿いに美術館や民藝館が並ぶ『美観地区』の中心部と、情緒豊かな町並みに生活者の営みが溶け込む『本町通り』・『東町』。ふたつのエリアを行きつ戻りつ過ごすのが、今回の散策コースです。
スクリーンショット 2017-07-11 20.11.48まるで江戸時代のような月夜の『美観地区』。

スタートは『大原美術館』。稀代の美術品コレクターであった大原孫三郎が昭和5年に開いた、日本初の近代西洋美術館です。モネの『睡蓮』にエル・グレコの『受胎告知』。世界的名画と、ガラスの仕切りなくご対面できるのがうれしい。
スクリーンショット 2017-07-11 20.15.35『大原美術館』本館。ギリシャの神殿を模した門構えの両脇で、ロダン作の像がお出迎え。

ままかり、鰆、シャコに蛸。ばあちゃんの味がうれしい天領寿司

陽が射し込みにくいことから日浅い=『ひやさい』と呼ばれる、美観地区の細い路地。そのひやさいを抜けて、昼食に向かいましょう。さっぱり酢で〆たままかりと、甘い鰆や海老、あなご。瀬戸内の旬が並んだ天領寿司の、まあ賑やかなこと!
スクリーンショット 2017-07-18 12.00.32『郷土料理 浜吉』の天領寿司。

天領寿司の起源は、天領地の商家が祭りの日に隣人を招き、最上級の魚介を盛りに盛って見栄っぱりな寿司をふるまったこと。地元っ子に愛される店『郷土料理 浜吉』のそれは、豪華かつ上品。薄めの味ながら、素材それぞれの香りがしっかり際立って、ひと口ひと口、感激の連続です。

ほかにも、「おばあちゃんから受け継いだ味です」と素朴な祭り寿司を出す『大正亭』や、亭主が昔の文献を繙いて再現した『返し寿司』が評判の『蔵Pura 和膳 風』など、店ごとに味わいもいろいろです。
スクリーンショット 2017-07-11 20.19.45備前焼でいただく『大正亭』の祭り寿司。

美観地区へ戻ったら、柳が揺れる川沿いを歩いて『倉敷民藝館』へ。江戸時代末期の米蔵を改装した3つの棟は、「この建物こそが民藝品といわれています」と女性職員。「倉敷は昔から、ものづくりをする人への尊敬が深い町。その伝統が、本物を愛する町の気風を育みました」。世界各国の染織品やカゴ、李朝陶磁など約600点が展示される中、目を奪われたのは『倉敷ガラス』。御年84歳のガラス職人・小谷真三さんがつくるコップや花器は、ご本人の言葉を借りれば「最も素朴で美しい、生活をする人のための手仕事」です。
スクリーンショット 2017-07-11 20.21.24『倉敷民藝館』で出合える倉敷ガラス。

歩いて数分の『日本郷土玩具館』でも、倉敷張子や姉様人形、だるまなどの稀少な郷土玩具と工芸品が約5,000点展示。地元窯元の焼き物などを購入できる『SIDE TERRACE』には、温かくみずみずしい色の倉敷ガラスも並んでいました。
スクリーンショット 2017-07-11 20.23.46左/桃太郎の土人形は『日本郷土玩具館』で。右/小谷真三さんによる倉敷ガラスの筒花瓶は『SIDE TERRACE』で。

縁起かついで『米寿の石段』。振り返れば夕日に染まる瓦屋根

倉敷川畔から北へ抜けると、人通りもぐっと落ち着く『本町通り』。まんまるの杉玉を軒に下げた造り酒屋や格子戸の旅館など、昔の趣を残す町家が連なります。と同時に、ここでは約200世帯が生活者として暮らしているのだとか。なるほど、観光の町ではなく、人々が住む『本物の町並み』だから居心地がいいのでしょう。

そんな本町通りの中ほどにある阿智神社参道口で、縁起のいい石段を見つけました。その名も、88段ある『米寿段』、61段の『還暦段』、33段の『厄除段』。ふうふう言いながら米寿段を上り切ったところでふり向けば、眼下には瓦屋根が続く町並み。その美しさに足の疲れもふき飛びます。春には天然記念物『阿知の藤』が、境内の大藤棚を薄紅色に染め上げるそうです。
スクリーンショット 2017-07-11 20.28.14阿智神社へ続く88段の『米寿段』。

再び神社の階段を下りたら、本町通りから東町へ。「今日はどこ行くの?」土産物店のご主人も荒物屋のおじいちゃんも、皆おおらかでフレンドリー。心がふんわりほぐれたところで、1600品目もの旨いものが並ぶ食のセレクトショップ『平翠軒』へ。『月夜じゃないと採れないチィチィいか』だの『生じゃこのオリーブオイル漬』だの、買いすぎ必至の品揃えです。

いにしえ人とおなじ月を眺めている

富来屋本舗』で珍しい『たかきび』の餅をいただいたら、そろそろ夕暮れ。常夜灯の光に、白壁土蔵がぼんやり浮かびます。夜の川沿いは、400年前にタイムスリップしたように幻想的。江戸時代の人もこの景色を見ていたのだろうかと思いを馳せる空に、昔と同じ月が輝いています。
スクリーンショット 2017-07-11 20.30.47ほのかな甘み、『富来屋本舗』のたかきび餅。

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