車を走らせ、東へ西へ!美術館をめぐる旅 第6回 串本応挙芦雪館 前編

車を走らせ、東へ西へ!美術館をめぐる旅 第6回 串本応挙芦雪館 前編

目次

14世紀に創建され、地震や津波などの災害にたびたび見舞われながら、地域の尽力もあって再建復興を果たしてきた無量寺。現在の本堂再建時に親交のあった京都画壇の人気絵師、円山応挙に襖絵の制作を依頼したことにより、応挙、そして弟子の長沢芦雪(ながさわろせつ)の作品が方丈の各間を飾ることになります。芦雪が本堂の建築中に描いたという虎と龍の絵図を目ざし、メルセデス・ベンツのコンパクトSUVが、陽光まぶしい南紀の海岸沿いを快適に走りました。
_17A5309-トリミング-min本州最南端に位置する、紀伊半島串本町の無量寺。山門、鐘楼、本堂と、瓦葺きの屋根が太陽を受け、南紀の空に美しく映える。

『睨み合う虎と龍』が町を守り町に守られる美術館[前半]

文・野地秩嘉

トンネルを抜ければ海が見える

大阪から紀伊半島の南端にある串本までJRの特急では3時間10分。一方、車で行けば2時間と少しで行ける。
スクリーンショット 2017-08-24 11.51.42収蔵庫に収められているのが、1786年に芦雪が描いた『タイガー&ドラゴン』。本来あった本堂同様向き合って展示されていて、かなり間近に芦雪の筆跡を見ることができる。

「トンネル抜ければ海が見えるから~」(©クレイジーケンバンド)と鼻歌をうたっているうちに、同じような風景が出てきて、そして、串本の無量寺に着く。目当ての絵は『タイガー&ドラゴン』。長沢芦雪が描いた襖絵『虎図』と『龍図』だ。

無量寺は禅宗寺院。臨済宗東福寺派の別格寺院である。境内にはソテツが植わっていて、南国の気配が漂う。タイガー&ドラゴンを含む襖絵は永年、本堂にあったのだが、串本は気温も高く、雨の多い場所でもあり、経年劣化が進んでいた。
_17A5600 のコピー-min串本応挙芦雪館の本館は小規模ながら、応挙や芦雪作品のほか、伊藤若冲の『髑髏図』(写真)や白隠の作品など、見ごたえたっぷり。

1961年のこと、「襖絵は郷土の誇り、宝物だ」とする町の人々がお金を出し合い、境内の一角に串本応挙芦雪館と名づけた日本一小さな美術館を作る。それくらい、この寺にある作品は地元の人々に愛されていた。応挙芦雪館は確かに小規模だ。しかし、小さいけれど作品の質は高い。同館には、応挙、芦雪の他、伊藤若冲の『髑髏図』『蕪図』や白隠の銘品があり、これまた見事である。

同館に収蔵されている襖絵55面(重要文化財)は2009年にデジタル再製画となり、あらためて無量寺の方丈に収められた。そのため、わたしたちはまず収蔵庫で本物を鑑賞し、しかる後に、本堂へ移動して、本来の空間を体験することができる。ただし、雨の日は収蔵庫はクローズだ。自然換気の建物なので、雨が降ると館内の湿度が高くなってしまい、襖絵が劣化してしまう。無量寺へ出かける時は天気予報を確認してからにしたい。

タイガー&ドラゴン

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芦雪の『虎図』『龍図』を写真で見ると、アニメのキャラクターのように感じる。どこか愛らしく、しかも、ユーモラスな表情をしているからだ。しかし、収蔵庫で本物と相対すると、絵から発せられた『気』で身体が押し込まれてしまうほどの迫力だ。筆勢は強く、しかもスピーディである。一瞬で心をつかまれ、見飽きることがない。眺めていても、愛らしいという感想は浮かんでこない。

ところが時間をかけて全体を感得した後、ふと、目とヒゲに目をやる。すると、そこに愛らしさとユーモアを見つけるのである。そうして、ほほ笑んでいる自分に気づく。虎も龍も全体像は迫力の塊だ。しかし、目とヒゲには愛嬌がある。迫力と愛嬌の対比が、タイガー&ドラゴンの魅力なのである。
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無量寺の住職で美術館の館長を兼任している八田尚彦師も、「そうです。力強く、またいとおしい作品です」と言う。八田師は芦雪の絵にひきつけられてから、日本画を勉強した。

「わたしは毎朝、4時に起きて本堂でお勤めをしています。座るのはちょうど虎と龍の間なのです。気が引き締まります。虎も龍も仏の世界から遣わされたものなのだな、と。毎朝、清めていただいて、守っていただいていると感じています」

ここにある虎と龍は寺や住職のみならず、串本の町と人々を守っていると思われる。

美術館をめぐる旅〜串本編ガイド〜

タウンもオフロードも軽快に走る、メルセデス・ベンツのコンパクトSUVで向かった無量寺・串本応挙芦雪館。ぐるりと太平洋に囲まれた紀伊半島の海沿いドライブは、季節を問わずなんとも爽快!応挙と芦雪の障壁画に圧倒され、若冲や白隠などにもほっこり。人気画家の作品を堪能したら、本州最南端の町の美味をどうぞ。

串本応挙芦雪館

目的の美術館はココ!
応挙と芦雪の水墨障壁画が2度楽しめる日本一小さな美術館

江戸時代の人気絵師である円山応挙と長沢芦雪による方丈襖絵で国際的にも知られる、臨済宗東福寺派の無量寺。収蔵庫に本編が、本堂方丈の各部屋にデジタル高精細による再製画が収められている。本堂に隣接する美術館では、応挙、芦雪に加え、伊藤若冲や白隠の掛軸なども。
_17A5347応挙と芦雪の襖絵は55年ほど前に境内に建てられた美術館に移され、平成2(1990)年に保護性がより高い収蔵庫へ。8年前には方丈のかつてあった位置に再製画が収められ、収蔵庫で本作をじっくり眺めてから方丈で空間鑑賞するという現在の形が整った。

webサイト:串本応挙芦雪館

潮岬観光タワー

串本でしか見られない景色はココ!
本州最南端で丸い水平線を眺め話題の近大マグロでランチ

紀伊半島の先端、太平洋にちょこっと突き出た潮岬。海抜100mで360度パノラマビューのタワー展望台から見る大海原と、10万㎡の芝生が広がる光景は圧巻。タワー内にはオーシャンビューの食堂に土産物の売店、マグロバーガーなどのテイクアウトコーナーも。本州最南端の岬で、絶景と美味が堪能できる。
スクリーンショット 2017-08-18 17.20.04赤身、中トロ、大トロ、野菜が4段重に入った串本マグロしゃぶしゃぶ御膳2,800円や、完全養殖のマグロを使用した話題の近大マグロ丼1,600円がおすすめ。冬の一時期は、同じ水平線の左手から日が昇り右手に沈むめずらしい光景も。

メルセデス・ベンツ
GLA 180

南紀をドライブしたのはこのクルマ!
人気のコンパクトSUV登場!

アウトドア人気ですっかり市民権を得たSUV車。その中でも街乗りや日常使いを想定して燃費や走行性を改良、多様なライフスタイルに対応する設計で登場したニューカマーがこれ。メルセデス・ベンツ初のコンパクトSUVは、ラグジュアリーさとカジュアルさが同居した現代の気分や風潮にマッチした1台に。

【メルセデス・ベンツ GLA 180】
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右ハンドル 7速A/T 総排気量1,595cc 全長4,430mm 全幅1,805mm 全高1,510mm(S/R付) 車両本体価格3,980,000円(税込) ※撮影車両はオプション装着車です。スクリーンショット 2017-08-24 11.56.00やや高めに設定された運転席のシート位置は、小柄な女性でも前面の視界が広く、運転に安心と集中をもたらす。後部座席を倒せば長尺ものも積めるフラットで広々としたラゲッジに、任意の角度で止めることのできるトランクドアなど、ドライビング以外でも快適さをとことん追求。

問い合わせ先/ヤナセ www.yanase.co.jp/

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-取材協力/メルセデス・ベンツ大阪西淀川-
-撮影/永田忠彦 構成/小竹智子-

美術館をめぐる旅 串本応挙芦雪館 後編はこちらから!

第1回 土門拳記念館はこちらから!
第2回 石川県立美術館はこちらから!
第3回 岡田美術館はこちらから!
第4回 徳川美術館はこちらから!
第5回 軽井沢千住博美術館はこちらから!

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