〝あんこ〟名店東西11店の中から、第8弾は東京・目黒の名店「ちもと」草だんごをご紹介します。
その他の名店はこちらからどうぞ。
特集 美味しい!美味しい!あんこ銘菓店GP!
串には2個、2個だからいい
ちもとの「草だんご」東京
短い串にずんぐり丸いお団子がふたつ。もの足りないかと思いきや、よもぎの鮮烈な香りとむっちりコシのある生地、それを支える甘みとコクのあるあんこに「これで十分」。
茶席菓子以外にお客様が気軽に手の出るものを、と考えられた「草だんご」。2代目主人・石原謙(けん)さんが信条とする品のよさがこの2個という数に集約されていました。
黒のようにも見えるこしあんの濃い色の理由は、小豆を炊く際に一度もアクを捨てないことにあります。その分、入念に水にさらすことを繰り返して、小豆の中に旨みを閉じ込める。そのため、色も風味も濃厚なあんができあがります。甘みもしっかりありますが、キレがいいのもこの店の味。
昭和40(1965)年、初代が「ちもと総本店」の修業時代から懇意にしていた財界人や文化人の暮らす目黒・八雲(やくも)の地で創業。「素材重視で手を加えすぎないお菓子が好み。自分の得意なことしかやりません」と少数精鋭の菓子で勝負しています。
抹茶はもちろん渋茶で一服、もイケます
店舗情報
ちもと
住所:東京都目黒区八雲1-4-6
電話:03-3718-4643
営業時間:10時~16時
休み:水曜・木曜(変更の場合あり)
撮影/石井宏明 構成/藤田 優、後藤淳美(本誌)※本記事は雑誌『和樂(2019-2020年12・1月号)』の転載です。