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2023.10.16

世界的に有名な奇跡「信徒発見」の舞台はここ! 大浦天主堂【異国情緒あふれる長崎の国宝を訪ねる!その1】

江戸時代の日本で唯一、海外へ扉が開かれていた長崎。その時代のポルトガルやオランダ、中国との交流の足跡は、今も長崎市内のそこかしこで見ることができて、影響の大きさに驚かされます。 そんな時代を反映した国宝が、長崎市には3件あります。ひとつはヨーロッパとのつながりを示す「大浦天主堂」。あとふたつは、中国のゆかりの深い「崇福寺(そうふくじ)」の「第一峰門(だいいっぽうもん)」と「大雄宝殿(だいゆうほうでん)」。いずれも外国の趣の強い建造物で、日本のほかの国宝とは一線を画しています。

個性豊かな国宝と出合う長崎の旅へ、さあでかけましょう! 全6回シリーズの第1回は「大浦天主堂」です。

「信徒発見」で世界的にも有名になった、
現存最古のキリスト教の建築物「大浦天主堂」

八角錐の尖塔とシンメトリーなデザインが美しい大浦天主堂。

天をさす尖塔と白い漆喰(しっくい)の壁が美しい「大浦天主堂」は、幕府によるキリスト教禁教令が続いていた江戸時代の末期に創建。設計はフューレ神父とその後を受け継いだプティジャン神父のふたりのフランス人で、天草(あまくさ 熊本県)の棟梁(とうりょう)・小山秀之進が建てました。当時の人々は「フランス寺」と呼び、建築中から多くの見物人が訪ねて来ていたといいます。

大浦天主堂の正式名称は「日本二十六聖殉教者聖堂」。豊臣秀吉のキリスト教徒追放令によって処刑された人々に捧げられた教会でした。

創建して間もなくのことです、プティジャン神父のもとに、「サンタ・マリアのお像はどこ?」と尋ねる人たちが訪れました。彼らこそ、浦上地区に住む潜伏キリシタン。禁教とされた250年の時を経て、なお信仰を守り通した人たちがいたことはローマ教皇に伝えられ、キリスト教における奇跡「信徒発見」として世界に発信されました。

そんな大浦天主堂は今も、気高くも楚々とした風情をたたえています。その姿から、国宝にふさわしい重要な建造物であることがひしひしと感じられます。

ほぼ純正のゴシック様式でつくられた堂内。歴史を受け継ぐ「信徒発見」の際のマリア像やステンドグラスが現存し、荘厳な雰囲気がただよう。

国宝情報

大浦天主堂 おおうらてんしゅどう
キリスト教関連施設として初めての国宝で、現存最古の建造物。世界的に有名なカトリックの奇跡「信徒発見」の地。元治元(1864)年創建、明治8(1875)年および12(1879)年に改築。
住所:長崎県長崎市南山手町5-3
電話:095-823-2628
拝観時間:8時30分~18時(最終入場は17時30分。冬季の最終入場は17時) 
休み:なし(教会行事により休館する場合があります)
拝観料:大人1000円/中高生400円/小学生300円 
公式サイト:https://nagasaki-oura-church.jp/

大浦天主堂ミュージアムショップ「パードレ」で販売されている「金平糖CONFEITO」1,200円。ポルトガルから伝わった金平糖がいかにも長崎らしい。「パードレ」ではほかにも、大浦天主堂の正面の姿をモチーフにした文房具など、かわいいグッズがそろっている。

撮影/佐藤敏和 ※本記事は雑誌『和樂(2023年8・9月号)』の転載です。

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山本 毅

通称TAKE-G(たけ爺)。福岡県飯塚市出身。東京で生活を始めて40年を過ぎても、いまだに心は飯塚市民。もともとファッション誌から始まったライター歴も30年を数え、「和樂」では15年超。日々の自炊が唯一の楽しみ(?)で、近所にできた小さな八百屋を溺愛中。だったが、すぐに無くなってしまい、現在やさぐれ中。
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