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奈良や京都のお寺とは全然違う華やかさ!
中国らしさを正しく受け継ぐ、竜宮城のような「崇福寺」
崇福寺を訪れると、黄檗宗の寺らしい、赤を基調としたカラフルな配色に目を奪われます。堂宇はいずれも、明時代から清(しん)時代にかけての建築様式を今に伝えるもので、建材は当時の中国からの直輸入品で建てられていたのだとか。
境内(けいだい)は広くはないものの、「第一峰門」と、もう一つの国宝である「大雄宝殿」が立ち並ぶ様は、壮麗の一語です。
ほかにも境内には重要文化財に指定された建築物がそろっています。さながら文化財の宝庫でありながら、謹厳さよりも開放的で親しみやすさが勝っていて、ゆっくり過ごせる雰囲気も魅力的です。
また、掲載した写真でお分かりのように、どの建物も〝映える〟デザインばかり! 奈良や京都の寺院とは異なる崇福寺の美しさを知ると、日本の国宝の奥深さを知ることにつながることでしょう。
国宝情報
崇福寺 大雄宝殿 そうふくじ だいゆうほうでん
伽藍で最も重要な仏殿である「大雄宝殿」は、正保3(1646)年に完成。その後、日本の大工が檜(ひのき)などの日本の建材を用いて、上層を重ねている。
住所:長崎県長崎市鍛冶屋町7-5
電話:095-823-2645
拝観時間:8時~17時(変更の場合あり)
休み:なし
拝観料:300円
撮影/佐藤敏和 ※本記事は雑誌『和樂(2023年8・9月号)』の転載です。