お花見の穴場。東京国立博物館「博物館でお花見を」は桜も展示も楽しめる贅沢イベント

お花見の穴場。東京国立博物館「博物館でお花見を」は桜も展示も楽しめる贅沢イベント

目次

3月も下旬を迎え、いよいよソメイヨシノも本格的な開花秒読みとなってきました。上野公園の敷地内では早くもレジャーシートを広げたお花見客の姿が目立つようになってきました。恐らく満開になる頃には、物凄い人出で賑わい、早朝からの場所取り合戦も本格化しそうです。

ところで、意外なほどゆったりと桜を鑑賞できる「お花見の穴場」が上野公園内にあることをご存知でしょうか?それが、本日ご紹介する東京国立博物館なのです。東京国立博物館の広大な敷地内や庭園には、ソメイヨシノをはじめ様々な種類の桜が植えられ、3月中旬~4月中旬頃までじっくり楽しめるようになっています。

もちろん、敷地内に入るには無料ではなく最低限「総合文化展」観覧料金として620円を支払わなければなりませんが、その分、この時期の東京国立博物館では「博物館でお花見を」という特別なイベントを用意して待ってくれています。時期限定のスタンプラリーを楽しみながら広大な本館展示室内の「桜」や「お花見」にちなんだ作品を見て回ればちょっとした宝探し気分が味わえますし、庭園内ではコーヒーを飲みながらゆったりとお花見も楽しめます。
上野公園が混雑していても、ここに来たら場所取りの必要もありません。わずかワンコイン+αのお値段で、ちょっとした遠足以上の満足度が味わえる絶好のイベント「博物館でお花見を」。本稿では、その中身や魅力、みどころについてじっくり解説していきます!

イベント「博物館でお花見を」の内容とおすすめ注目点は?

【お花見の穴場】東京国立博物館「博物館でお花見を」は桜も展示も楽しめる贅沢なイベント!

「博物館でお花見を」とは、毎年3月中旬頃から4月中旬頃まで約1ヶ月間開催される東京国立博物館の季節イベントです。日頃から美術館・博物館に熱心に通うアートファンの中には、筆者をはじめ毎年このイベントを心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。今年の開催期間は、3月12日~4月7日までの約1ヶ月間。イベント期間中は、「桜」「お花見」にちなんだ様々な特集展示や、イベントに合わせて時期限定で開放される庭園内を散策しながらお花見を楽しめるのです。「展示」と「実物」の両方でお花見が味わえる屈指の好イベント「博物館でお花見を」について、その内容や見どころを紹介していきます。

注目ポイント1 「桜」や「お花見」をテーマとした展示がたっぷり味わえる!

東京国立博物館の良いところは、絵画、彫刻、陶磁器、金工、織物、甲冑、刀剣など、縄文時代から明治時代頃まであらゆるジャンルの文化財・美術作品を通して日本文化をたっぷり味わえるところ。今回の「博物館でお花見を」でも、巨大な屏風絵に描かれた花見の図から、わずか数センチ四方の刀の鍔(つば)に描かれた夜桜まで、バラエティに富んだ作品群を通して「お花見」を楽しむことができます。

【お花見の穴場】東京国立博物館「博物館でお花見を」は桜も展示も楽しめる贅沢なイベント!
「犬追物図屏風」(部分図)展示期間:~4月21日(日)

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加納夏雄作「月に桜花図鐔」江戸~明治時代・19世紀 クインシー・A.ショー氏寄贈
展示期間:~5月12日(日)

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左:振袖 紅縮緬地草花立涌花丸模様 江戸時代・19世紀、野口眞造氏寄贈 右:小袖 鶸色紋縮緬地源氏雲桜模様 江戸時代・18世紀、東京国立博物館蔵 展示期間:~4月21日(日)

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広瀬花楓筆 桜花図 江戸時代・19世紀、東京国立博物館蔵 展示期間:~4月7日(日)

また、どの作品が今回の「博物館でお花見を」にて特集展示された作品であるかは、作品につけられたキャプションを見るとすぐに分かるようになっています。

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嬉しいのは、これらが原則写真撮影OKということ。気に入った作品があれば、是非スマホで撮ってSNSにアップしたり、自宅でもう一度見返して楽しんでみてもいいですね。上記で紹介した作品以外にもまだまだ多数のパラエティ豊かな、「桜」や「お花見」にちなんだ展示が用意されています。ぜひ、自分なりのお気に入りの作品を見つけてみてくださいね。

注目ポイント2 桜スタンプラリーにチャレンジ!

国内最大規模の展示空間を誇る東京国立博物館・本館の展示室。初めて行った人は、一体どこに「桜」の特集展示があるの?!と迷ってしまうかもしれません。でも、そんな方でも効率よく、しかも楽しく展示を見て回れるように用意されている仕掛けが、イベント限定の「桜スタンプラリー」なのです。

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参加の方法は簡単です。まずは、本館入り口脇で配布されているスタンプラリーの台紙を受け取りましょう。台紙には、本館展示室内に用意された5つのチェックポイントの場所と、その付近に展示された「桜」「お花見」にちなんだ展示作品がわかりやすく明記されています。

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見事、5つのスタンプが揃ってスタンプラリーを完走した方は、もう一度本館エントランス横のバッジ引き換え場所に戻ってきましょう。東京国立博物館で毎年制作されているオリジナルの缶バッジがもらえます。

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受付のお姉さんに聞いてみたところ、「今年はなくならないように、制作数を増やしました!」との力強いコメントが。とはいえ、なくなってしまう可能性もあるので、是非お早めにお楽しみください。

注目ポイント3 時期限定の「庭園開放」で「桜」をたっぷり味わえる

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さて、本館内の展示をたっぷり楽しんだ後は、「博物館でお花見を」に合わせて始まった春季の庭園開放(~5月19日)も見逃せません。庭園内にはシダレザクラ、オオシマザクラ、ヤマザクラなど、ソメイヨシノを含めて早咲きから遅咲きまで10種類以上植えられた、色とりどりの桜を楽しむことができるんです。もちろん、場所取りをする必要はありません。ソメイヨシノが満開になる時期、上野公園の敷地内は毎年大混雑しますが、そんなピーク時でものんびりと庭園内をお花見して回ることができます。

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庭園の入り口に置かれた散策マップには、庭園内のそれぞれの桜が植えられた場所や種類がわかりやすく書かれていますので、ぜひ手に取りながら散策してみてくださいね。

また、3月23日、24日、30日、3月31日の4日間は、特別に19時30分まで庭園を開放。さらに、4月13日(土)までの毎週金曜・土曜はライトアップされた夜桜を楽しむことができます。楽しみですね。

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3月23日撮影。庭園の桜は30日、31日頃にピークを迎えそうです!

注目ポイント4 名建築がいっぱい!庭園内の散策を楽しむ!

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また、庭園内の見どころは「桜」だけではありません!庭園内では、日本各所から移築された歴史的な名建築をたっぷりと楽しむことができるのです。今回、庭園開放初日に回ってきたのですが、広い庭園内に点在する記念碑や灯籠、五重塔から茶室、名建築まで、様々な文化財を楽しんで回ることができます。いくつか紹介してみると・・・

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慶安年間(1648~1652)に興福寺慈眼院に建てられ、大和の三茶室と呼ばれた六窓庵。1877年、上野に移築されました。利休の国宝茶室「待庵」同様、にじり口が非常に低く、身をかがめないと入れない仕様になっています。

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六窓庵のにじり口付近にある手水鉢(ちょうずばち)。四方仏水盤といわれる形式のもので、元は山城国・法性寺(ほっしょうじ)の石塔の一つでした。

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高さ5.7mの銅製の五重塔。最上部の相輪(そうりん)には龍が絡みついています。江戸前期に制作され、基壇には5代将軍徳川綱吉の名前が線刻されているそうです。

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九条館。1934年、九条家から寄贈され、東京赤坂から移築された戦前の名建築。建物外周から建物内を見て楽しむことができます。

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九条館邸内の床貼付(とこはりつけ)に描かれた狩野派の筆と伝えられる楼閣山水図

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九条館邸内。名建築のチェックポイントの一つは「欄間」。カリンの一枚板に藤花菱が透かし彫りされています。

このように、ゆっくり見て回ると小一時間はかかるくらい充実した庭園内。ただ、当然ながら庭園内はどこでも入っていっていいわけではありません。立入禁止の柵が設置されており、庭園内の建物や文化財は原則通路や外周部から鑑賞する形になります。じっくり細部まで鑑賞するのであれば、館内同様「単眼鏡」を持っていきたいところです。

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筆者の愛用するケンコー・トキナー製の6倍モデル(ギャラリーEYE 6倍 16mm口径)屋外での鑑賞でも威力を発揮します。

また、庭園内は意外に広くて、「あれっこれなんだろう?」と思えるような庭園散策マップにも掲載されていないオブジェクトも発見できます。例えばこのあたり。

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九条館の近くにある花壇。よく見ると杭の形が・・・?

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昭和の香りが漂う裏門の守衛所。ぜひ取り壊さず保存してほしいです。

例えば、こちらの昭和な雰囲気が漂う裏門前の守衛所や、九条館脇にある庭園には「杭」で東京国立博物館の英字略称である「TNM」と表されていたり、裏側から見る本館建築の意外な面白さを感じたり。ぜひ、散策する中であなただけのとっておきの「庭園の秘密」を見つけてみてくださいね。

注目ポイント5 軽食も!コーヒーを飲みながらゆったりくつろごう!

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そして、本館の展示や庭園内の散策にちょっと疲れたら、コーヒーブレイクを楽しむこともできます。「博物館でお花見を」期間中、キッチンワゴンカーによる特設「さくらカフェ」がオープン。

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こちらでは、コーヒーや甘酒、ちょっとした軽食などを購入して、近くの特設ベンチなどで楽しむことができます。(ちなみにさくら甘酒はノンアルコールです!)

【お花見の穴場】東京国立博物館「博物館でお花見を」は桜も展示も楽しめる贅沢なイベント!

面白い事に、特設ベンチの色が「博物館でお花見を」のチラシ同様かなりビビッドなイエローなのですが、これが意外と風景に溶け込んでいる感じでしっくりくるのですよね。菜の花のような鮮やかな黄色はソメイヨシノのピンクと合わせて、色の饗宴を楽しめそうですね。

2019年春、見どころ満載の東京国立博物館!

いかがでしたでしょうか?桜が満開になる季節、全国各地の美術館・博物館でお花見や桜をテーマにした展覧会が数多く開催されますが、その中でも規模・クオリティともにダントツなのが今回紹介させて頂いた東京国立博物館「博物館でお花見を」です。お花見の「穴場」としておすすめであるだけでなく、本館展示室での桜やお花見にちなんだ展示や2つの特別展など、この時期だけの特別な展示も多数用意されています。ぜひ東京国立博物館に足を運んでみてくださいね。

イベント情報まとめ

イベント名 「博物館でお花見を」
場所 東京国立博物館
会期 開催中~4月7日(日)
公式サイト

文・齋藤久嗣

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