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新鮮な刺身とおでん、郊外の超人気店「みひろ」
金沢の飲食店が集中する繁華街・片町からタクシーで15分ほど。三馬(みんま)にあるこの店は、まだ観光客に知られていない超穴場。とはいえ、平日18時の開店と同時にほぼ満席に。ゆるりと流れる空気は残しつつ、きめ細やかな味ともてなしが人気の理由です。
昭和46(1971)年、得意な料理で職を得ていた横萩信一(よこはぎしんいち)さんの母・弘子さんが独立しておでん屋を開業。
「おでんがおいしく見えるのは、出汁が透き通っているから。と母は毎日、鍋の出汁を入れ替えていました。バイ貝は継ぎ足した出汁で味を含ませていきます。練り物は弾力がなくなるので、入れっぱなしにはしない。実は細かいところで調整はしています」。
営業が始まると、おでん番は店主の片腕として働く北川充(きたがわみつる)さんに任せて、横萩さんは魚料理に専念。
注文が入ると、一匹をさばくところからはじまり、切りたての鮮魚が和え物や酢の物に。白身魚の昆布締め、白子の酢の物など、北陸らしい一品も外せません。
海鮮に加えて常連客からの注文が多いのは、肉料理。ローストビーフ、テールシチューに加えて豚バラの串焼きも好評。
おでんに至るまでのメリハリのついた流れは、納得のおいしさ。地元の人の飲みっぷり、食べっぷりを眺めながら飲む酒も、また楽しい!
北陸らしい逸品「白子酢」
〆の一品!「なめ玉雑炊」
出汁は昆布と青魚の削り節でとります。イチオシは「ふき」
DATA「みひろ」
住所:石川県金沢市三馬3-236
電話:076-243-5149
営業時間:18時~翌3時ごろ
休み:水曜・第2水曜の前日 ※要予約
撮影/宮濱祐美子 構成/藤田 優
※本記事は雑誌『和樂(2024年2・3月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込で、価格や営業時間などは変更される場合があります。お出かけの前にご確認ください。