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2026.01.09

30種のネタが彩る、郷土のごちそう。岡山「福寿司」『備前ばら寿司』【初春に味わう「ちらし寿司」5】

その土地の食文化を反映したハレの日のごちそう「ちらし寿司」大研究の第6弾は、岡山県「福寿司」の、豊かな地元食材を集めた『備前ばら寿司』。海の幸、山の幸に恵まれた郷土の美味です。

家庭のハレの日のごちそう〝備前ばらずし〞を今に伝える「福寿司」【岡山・岡山駅西口】

現存する郷土寿司の中で、豪華と称される岡山の「ばら寿司」。
江戸時代、初代藩主・池田光政が質素倹約を奨励するなかで、ご飯の上にあれこれのせて食べた庶民の知恵から始まったとか。

「店のばら寿司は、明治初期から戦前まで、備前(びぜん 県南地域)の家庭でつくられていたレシピ。私の父が聞き込みと文献をもとに、忠実に再現したものです」と3代目主人・窪田悟さん。

細かい仕事にフォーカス!

左/寿司飯の中にも、飾り用のネタの一部を細かく刻んで混ぜ込む。右/やわらかい食感のネタが多い中で、変化球の麻の実を投入。柚子の香りも加わって、風味満点。

料理工程を見ると、地元の身近な魚である「鰆(さわら)」を効率よく使って、寿司の味に深みをもたせているのがよくわかります。

たとえば、鰆の身は酢締めにし、旨みが出た漬け酢を合わせ酢に一部使います。
さらには中骨で出汁(だし)をとり、この出汁をもとに根菜類の味を含ませるなど、鰆から出るいい旨みのおかげで、それぞれの具材の味つけは控えめ。

おまけに寿司飯に使う調味料も、ばら寿司だけは極端に少ないとか。
ネタの派手さと裏腹に、味は実に穏やか。
「優しい味でしょう? つくるたびに、昔の人が残してくれたばら寿司の価値を感じるんです」と顔を輝かせる窪田さんです。

岡山ばら寿司の原型を限りなく再現しました

「備前ばら寿司」5,000円。3日前から要予約。海の幸・山の幸合わせて30種ほどのネタが入る。備前焼の片口は延原勝志(のぶはらかすし)作。

持ち帰り用はこちら

右/持ち帰りの「備前ばら寿司」5,000円(木箱代含む)。店頭引き取りのみ、地方発送は不可。

福寿司(ふくずし)

住所:岡山県岡山市北区奉還町2-16-17
電話:086-252-2402
営業時間:11時30分~13時30分(入店)、17時~20時(入店)、日曜は昼のみ営業
休み:月曜・日曜夜
公式サイト:https://fukuzushi-okayama.jp/

【初春に味わう「ちらし寿司」】シリーズ一覧はこちら

※本記事は雑誌『和樂(2025年4・5月号』の転載です。
※掲載価格はすべて税込です。
※価格や営業時間などは2026年1月現在のもので、変更される場合もありますので、あらかじめ公式サイトなどでご確認ください。
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和樂web編集部


撮影/長谷川 潤 構成/藤田 優
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