おにぎりをおいしく食べる知恵と工夫が詰まっています

コンビニエンスストアの普及に伴い、三角形のおにぎりが主流になった現在。かつては関東が三角(頂点に神が宿ると考えられていた)、関西は俵(味付け海苔が巻きやすい形として定着)、九州は丸、東北は円盤(焼きおにぎり向き)など、その土地で育つ米の硬さや食習慣で形が異なるものでした。
具材も同様に、独自の食文化が反映されたもの。「ご当地おにぎり」を知ることは、先人の知恵を学ぶこと。旅して食べて応援しましょう。
北海道【醬油おにぎり】

函館が発祥ともいわれている、醬油を手に付けて白飯にまぶして、海苔で包んだおにぎり。醬油を吸った海苔の味わいもまたよし。具材はたらこや筋子など。
青森【うにぎり】

津軽海峡産の甘塩うにを佐井(さい)産岩海苔で包んだ「うにぎり」。
写真は佐井村「津軽海峡文化館 アルサス」の売店「ちょこっと」(電話:0175-38-2255 ※冬季は休業)のおにぎりコーナーで販売中のうにぎり(1個700円)。
山形【おみ漬けおにぎり】

山形青菜は大きいよ

雪が積もる前に収穫した山形青菜(せいさい)を天日干しの後、漬物にすれば「おみ漬け」が完成。シャキシャキの歯応えがおにぎりと好相性。
東京【アミの佃煮のおにぎり】

佃島(つくだじま)が産地なので佃煮と呼ばれます

小魚や貝を醬油と砂糖で甘辛く煮た佃煮は、江戸時代に生まれたご飯のお供。小さな体に旨みが詰まったオキアミが江戸っ子に人気。
長野【きな粉むすび】

かつて近所の人が集まり農作業をしていた「結(ゆい)」際の、小腹満たしの定番がこれ。昔は自宅で育てた大豆を石臼で挽いていたとか。
富山【とろろ昆布のおにぎり】

北前船(きたまえぶね)の寄港地だった富山は、日々の食卓に北海道産の昆布が欠かせない。おにぎりにとろろ昆布をまぶして食べるのが好まれる。左が白とろろ、右が黒とろろ。2種類をお好みで。
大阪【かやくむすび】

油揚げ、にんじん、ごぼうをだしと薄口醬油で炊いた「かやくご飯」はおかずとご飯が同時にとれて合理的。大阪商人の食の知恵!
和歌山【めはりずし】

寿司飯ではなく白飯を、高菜の葉の漬物で包んだおにぎり。和歌山以外でも奈良や三重の山深い地域で食べられている。
写真は那智勝浦の「お食事処 二代目」(電話:0735-52-1670)のめはり寿司640円、豚汁400円。
山口【わかめむすび】
パリパリの干しわかめ

日本海に面する北浦(きたうら)地区のわかめが有名。干しわかめを湿らせて刻んだものをまぶしただけ。素朴ながら天然の塩けと磯の香りが美味。
香川【いりこ飯のおにぎり】

伊吹島(いぶきじま)を筆頭に瀬戸内海では、カタクチイワシ(いりこ)漁がさかん。季節の野菜にいりこを丸ごと炊き込んだご飯は手軽で栄養価も高い。
福岡【かしわおにぎり】
うどん店に欠かせないサイドメニュー

九州全般で好まれる鶏肉入り炊き込みご飯。甘口醬油が入り、色も味も濃いめが特徴。福岡ではやわらかいうどんとセットが定番。
沖縄【あんだんすーのおにぎり】
ツナでつくる人もいます


あんだんすー(油味噌の方言)は、三枚肉を炒めて味噌と黒糖で味付けした常備菜であり、保存食。甘口味噌が白いご飯にぴったり。
※おにぎり、おむすびの名称はその土地に伝わる呼び名を基本としました。形は今つくられているものを参考にしています。

