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読み物
Culture
2020.08.15

漢字クイズ!「山姥」って何と読む?かつて渋谷の街にも出没!?

この記事を書いた人

子どもの頃に絵本の読みきかせで知った「山姥」。「やまんば」とも「やまうば」とも呼ばれる老女の物の怪(もののけ)の話は、おどろおどろしい絵の印象もあって、とても怖かった記憶があります。かつて渋谷の街に出没したヤマンバギャルが、注目された時代もありました。怖くて気になる山姥をご紹介したいと思います!

怖い?優しい?山姥伝説

人里離れた山中で道に迷った旅人は、美しい婦人と出会います。宿へ招かれて食事を提供してもらい、一安心とぐっすりと眠ります。しかし、この婦人は恐ろしい山姥だったのです。白髪頭に血走った目、牙を生やした姿に豹変した山姥は、バリバリと旅人を食べてしまったのでした。こ、怖い!

山姥は山の中に住む特別な力を持つ妖怪で、恐ろしいイメージが定着していたようです。1700年代の江戸時代の絵画には、白髪頭の恐ろしい形相で、角がはえたり、牙が出たりした山姥が描かれています。

日本全国に残る伝説に目を向けると、バラエティに富んだ山姥が登場します。秋田地方に残る『糠福米福(ぬかふくこめふく)』では、薄幸の娘を救う救世主のよう。糠福は、継母と連れ子の米福からひどい仕打ちを受け、辛い日々を送っていました。山の中で山姥と出会った糠福は、何かと心の支えにします。ある時、山姥の計らいによって糠福は祭りに出かけて、村長の息子に見初められます。糠福は急いで帰ったために履き物の片方が脱げてしまい….。あれ、これってシンデレラ?糠福もシンデレラが王子と結ばれたように、村長の息子とめでたく結ばれて幸せを掴む結末です。この山姥は、グリム童話に登場する良い魔女のようです。

街を闊歩していたヤマンバギャル!

1999年から2000年頃、渋谷の街を派手な化粧や挑発的なファッションで歩く女性達、ギャルがブームとなった時代がありました。ギャルファッションはエスカレートしていき、ついにド派手なヤマンバギャルが登場したのです。

脱色した長い髪の毛が、手入れをしていない白髪の山姥をイメージさせることから「ヤマンバ」と名付けられたようです。真っ黒に焼いた肌と対照的に白い色のグロスやアイラインを施した独特のメーキャップで、街を闊歩していました。しばしばマスコミで取り上げられ、一般人のヤマンバギャルが雑誌やテレビ番組に登場していたのが懐かしいです。私は1度電車の中で遭遇したことがありますが、間近に見る異次元ファッションの迫力に驚いた記憶があります。ヤマンバギャルは徐々に衰退し、現在は見かけられなくなっています。一説にはヤマンバギャルのメイクや服装が過激化していき、その姿が世間に受け入れらなかったので衰退したと言われています。

金太郎のお母さんだったの?

江戸時代、寛政後期に喜多川歌麿が描いた山姥は、母性に溢れた優しい姿です。この山姥は全然怖くないですね。髪の毛はぼざぼざですが、美しい黒髪で顔も美形です。

喜多川歌麿 1795年頃 『山姥と金太郎』 メトロポリタン美術館

歌麿が描いたのは、金太郎を慈しむ山姥です。金太郎にはいくつもの伝説が存在しますが、山姥が雷神の子をはらんで産まれてきたのが金太郎という説を取り入れています。歌麿は山姥と金太郎のテーマが気に入っていたようで、多くの浮世絵を残しています。

ゲームの世界で生きる現代の山姥

スマホやパソコンが浸透している現代では、山姥は人気ゲームによく登場しています。プレイヤーに立ち塞がる山姥は強敵で、とても怖い存在のようです。SNSでは、「山姥怖い!」とか攻略の情報共有などで盛り上がっています。怖くて恐ろしいけど、心惹かれる存在の山姥は、時代ごとに形を変えながらこれからも伝えられていくのでしょう。

書いた人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。十五代目片岡仁左衛門ラブ。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。