厳しい残暑が続く2020年の夏。本来なら、「夏だ!ビーチだ!リゾートだ!」と、そんなウキウキした気分になる季節ですが、あいにく今年は世界的なコロナ禍の真っ最中。遠い南国リゾートへと飛ぶこともできません。今年の夏は、自宅でゆっくりするか、、、と我慢の巣ごもり生活を続けていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
しかし、たとえ楽園リゾートに行けなかったとしても、「限りなく楽園に近い開放的な気分を体験できる」ならどうでしょう?
そこでおすすめなのが、「楽園写真家」として著名な三好和義さんの写真作品。
三好さんは、高校在学中、沖縄をテーマとした写真展を初開催して以来、南国リゾートから古都の聖地まで、一貫して「楽園」というテーマで40年以上もプロの写真家として最前線で活躍する人気写真家です。
撮影:黒石あみ(小学館)
折しも、最新の写真集『日本の楽園島』の出版を記念して企画された三好さんの写真展が新宿のニコンプラザ新宿GALLERYで8月20日からスタートしました。5月下旬には、小学館で三好さんの超大型サイズの写真集SUMO本『東大寺』が発売されたご縁もあって、今回本展会場内で三好さんにインタビューのお時間を頂き、本展を取材をさせていただきました。
「布団に入る前に必ず三好さんの写真集を眺めてから寝る」「三好さんが撮影した楽園を聖地巡礼してみた」など、熱心なファンも多い三好和義さん。一体、彼の写真にはどんな魅力があるのでしょうか?
そこで、本稿では展覧会の紹介を含めって、三好さんご本人から「楽園」の魅力、写真術について語って頂きました!
展覧会「日本の楽園島」とは?
撮影:黒石あみ(小学館)
今回取材でお邪魔した展覧会は、新宿にあるニコン直営のギャラリー「ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 1・2 」で開催中の「日本の楽園島」という展覧会。2019年1月~2020年1月にかけて、三好和義さんが八丈島をはじめ、西表島、久高島、伊平屋島、伊是名島など沖縄の離島群などを合計10回に渡って撮影した最新の作品を展示しています。
撮影:黒石あみ(小学館)
会場に入ると、南国の楽園を写しだした様々な大きさの風景写真がお出迎え。清潔感のあるホワイトキューブの中で、澄み切った濃い「青」から、エキゾチックな熱帯植物を想起させるビビッドな「緑」など、非常にあざやかな色彩が一斉に目に飛び込んできました。一気にテンションが南国気分へと高まっていきます。
そして展示室の中心には、話題のSUMO本『東大寺』もありました!
※取材記事用に、特別に許可を得て展示ケースを外して撮影しています。撮影:黒石あみ(小学館)
本書は、5月25日に発売されたばかりの見開き1メートルの超巨大な写真集。小学館の新レーベル「SUMO本」シリーズ第1弾として、SNSを中心に大きく話題になりました。少し前に、和樂webでも本書を徹底レビューした記事を書いています。もしよろしければご覧ください!
★参考記事「見開き1メートル!前代未聞の巨大なアート本「SUMO本」が開く新しい読書体験とは?」
https://intojapanwaraku.com/jpart/102560/
SUMO本『東大寺』は、その規格外のサイズから、インパクトが絶大。取材当日も、本書を見た来場者の方からスタッフの方に質問が集中していました。(ちなみに、会場のスタッフの方にお願いすれば、展示ケースを外して中身を見ることも可能です!)
受付には、本展と連動して9月10日に発売が予定されている三好さんの写真集『日本の楽園島』のサンプルも展示中。誰でも手に取って読めるようになっていました。「展覧会では展示しきれなかった写真も多数収録されているので、是非見ていってくださいね」とのこと。僕も三好さんから直接オススメのページを読ませて頂きました。
こちらは、西表島観光の目玉の一つとしても有名な「バラス島」。サンゴ礁でできた小さな無人島です。まるで映画のワンシーンを見ているような白い砂浜、高い空、マリンブルーに輝く透明のビーチ・・・。まさに絶景です。砂浜の中央にぼつんと立った二人の人影が、絶景のスケール感を強調していますよね。この1ページを見ただけで、猛烈に欲しくなりました!!
撮影:黒石あみ(小学館)
それにしてもどの写真もビビッドな色使いで、発色の美しさが抜群です。色彩のグラデーションも非常に滑らかで、被写体の立体感や風景の奥行き感も際立って見えました。僕も最近はよく地元の水辺の風景を撮影するのが好きなんですが、会場で、試しに僕がスマホで撮った東京下町の水辺の風景と三好さんの展示作品を見比べてみたら、悲しいくらいに僕の写真はダメダメでした。
・・・では、一体三好さんの風景写真は何が凄いのでしょうか?僕のような素人の撮影した作品と何がどう違うのでしょうか?
三好和義作品の凄さを徹底検証!
そこで、本稿では、三好さんの「楽園」を鑑賞する時の3つの注目ポイントをピックアップしてみました。
三好さんの写真は一体どこが凄いのか?!三好さんの写真集や展覧会を見る時、何に一番注目すれば良いのか?このあたりがわかってくると、もっともっと三好さんの作品が楽しめるようになるはず。
見どころ1:美しすぎる「青」の世界
三好さんは構図や色彩、天気や時間帯など、撮りたい「楽園」のイメージをあらかじめしっかりと心に思い描いてから撮影に臨まれるといいます。そんな三好さんの南国を扱った楽園シリーズで、一番のハイライトとなっている色彩が「青」です。
実は三好さんの青色には非常に大きな特徴があります。
それは、「空の青」と「海の青」の特徴的な色彩です。試しに展示会場のいくつかの作品を見てみましょう。
撮影:黒石あみ(小学館)
驚いたことに、空の「青」のほうが、海の「青」よりも濃い青色で表現されているんです。
まず、上の5枚の写真の中で、右側の一番大きな作品をよく見て下さい。上空に行くに従い、美しくグラデーションを描きながら空がネイビーブルーやインディゴブルーといった濃紺色になっていきますよね。これに対して、海の青色はマリンブルーやエメラルドグリーンに近い、透明感のある青で表現されています。
なぜこれが驚きなのか?
それは、素人の写真とはまるで正反対の色使いがなされているからなんです。
試しに、僕が最近、渾身の気合を入れて(?)スマホで撮影した横須賀の港の写真を見て下さい。梅雨が明けた直後、8月上旬の快晴の日の正午頃に撮影したものです。ちょっとブルーで全体的に補正していますが、ほとんど何の加工も行っていません。
何も考えずに海辺の写真を撮影すると、普通はこうなりますよね。空は水色、海は濃紺色になるわけです。
それではもう一度三好さんの写真を見て下さい。空は濃紺色、海は水色で表現されていますよね?!僕の写真とは真逆の色使いです。
撮影:黒石あみ(小学館)
そう、これが三好さんの「青」の表現力の凄さなんです。プロと素人の違いなんです!!
お聞きしてみたところ、実は三好さんの中で、「空」と「海」それぞれに、理想とする「青」のイメージがあるのだそうです。すなわち、「空」は、三好さんの地元・徳島の藍染の青、「海」は、元や明の時代に作られた中国青磁の青。南国の海景を撮影するときは、いつもこの2つの青を強く意識しながらいつも作品を制作されているのです。
これにプラスして、三好作品を展覧会で見る時に見逃せない意外な要素が「プリンター」の表現力なのです。
えっ、どういうこと?って思いますよね。
なぜプリンターが展覧会に関係するのか?
なぜなら、写真展では、絵画や工芸の美術展と違って、作品の元となるデジタル画像を印刷機で出力するまでが制作工程となるからです。浮世絵展で、浮世絵の摺りの出来や状態までが鑑賞の対象となるのと同じことですね。
そして、この印刷工程に人一倍こだわって、常に最新技術・最良クオリティを追求するのが三好さんの凄いところ。EPSONのラボを借りて、そこで自らプリントまでご自身で手掛けます。
実は、本展から出力用のプリンターにEPSONの最新鋭機「SC-PX1VL」という機種を投入しているとのこと。そしてこの「SC-PX1VL」は、特にブルーの表現力に磨きがかかっているというのです。もう完璧ですね。
ですから、この凄まじい表現力の一端を担っている縁の下の力持ちとしての「プリンター」の印刷技術に着目するのも、三好さんの「青」を鑑賞するときの大事な要素なのです。
見どころ2:深遠な「黒」の再現力!
展覧会場を見回してみると、会場の一角に少し照明が落とされ、黒い壁に作品が展示されているセクションがあります。ここでは、主に夕暮れや夜の楽園が見せる様々な表情を楽しむことができるんです。
そしてここで注目してほしいのが、「黒」の色彩の豊かさ。夕暮れ時のあざやかな色彩のグラデーションに混じって、迫りくる夜の闇が様々なニュアンスで表現されています。
これの何が凄いのか・・・というと、たとえばあなたが今晩にでも手元のスマホで、適当な夜景をオートモードで撮影したとします。すると、撮れた写真の大半はどうなっているでしょうか?おそらく、薄闇の中で肉眼でかすかに捉えることができていた風景は、画像だと不鮮明になったりブレていたり、真っ黒に埋没していたりしているはず。少なくとも、肉眼で見た実際のイメージよりも、遥かに色彩の表情が乏しいことが多いのではないでしょうか。
そう、風景写真では「黒」を表現するのが一番難しいのですね。光が当たらない、影の部分の調子をどう整えるか。プロの写真家でも毎回頭を悩ませるといいます。
しかし、三好さんの手にかかると、俄然「黒」が画面上に輝きだします。明るい灰色から、漆黒の闇まで、一つの作品の中に自然な階調を描きながら無数の「黒」が豊かに表現されているのですね。
実はここにも「青」同様、最新鋭のプリンタ「SC-PX1VL」が大きく貢献しているのだそうです。インクや転写技術の進歩で、今までなら単純に真っ黒に潰れてしまっていたシャドウ部の黒が非常に綺麗に表現できるようになった。そしてその最新鋭のプリンタを完璧に使いこなせるメカへの強さが、三好さんの強みの一つでもあるのです。
見どころ3:決定的瞬間や繊細な細部を捕らえた驚異の写真世界
三好さんの撮影する「楽園」を味わい深くさせている重要な要素が、動物や植物といった生き物の存在です。
自らの著書でも「撮りたい構図が決まったら、あとは何と組み合わせて撮影するか考える。それが印象深い良い写真を撮るコツです」と強調されていますが、三好さんの写真作品を鑑賞する際は、生彩を放つ様々な生き物たちの姿に要注目。動植物のディテールを美しく描出する真に迫った撮影技術は、大きな見どころの一つです。
たとえば今回の会場でも何枚か非常に印象的な作品が展示されていましたので、少し動植物の部分だけをクローズアップして見てみましょう。
こちらのヤギ。頭を斜め上に持ち上げ、虚空に何かを見つめているような、ちょっとコミカルな表情が写し取られていますよね。毛並みに注目です。ふわりとした柔らかそうな長いアゴヒゲが、1本1本光に当たって金色に輝いていますよね。
こちらはまさに亜熱帯の森の中で、小鳥が花の蜜を吸い出そうとする決定的な瞬間を捉えた写真。中央の鮮やかなピンクが、ぼかされた背景の濃い緑の中で非常に引き立っています。うぐいす色の小鳥の引き締まった毛並みや、針のように細かい花びら一つ一つまでじっくりと楽しむことができますね。
こちらは動植物ではありませんが、まるでガラス細工のような波打ち際を捉えた写真。滑らかに透き通った波が、時間が止まったかのようにピタッと静止して写し取られています。
実は、このようなヤギの毛並みの艷やかな質感や波打ち際の透明感は、デジタルカメラのカメラ本体やレンズの進歩に拠るところが大きいのだそうです。高画素かつ素早いシャッタースピードで撮影が可能になったからこそ、こうした真に迫った写真が実現できているのですね。
最新機材、最新技術を躊躇なく試して取り入れる好奇心と柔軟性
撮影:黒石あみ(小学館)
上記で、驚異的な「青」の美しさ、豊かな「黒」の表現、動植物の真に迫る描写と、三好和義さんの写真作品の3つの「みどころ」をピックアップしてみました。実は三好作品のこれらの注目点を作り出している、ある重要な土台となる要素があります。
それが三好さんの「最新技術への飽くなき探究心」なのです。
しかし、こうした最新の技術動向や機材の進歩にキャッチアップするのは思ったより大変なのではないでしょうか?
実際、僕も仕事上デジタル一眼カメラを抱えて取材現場に行きますが、実装されている無数の設定やスイッチをほとんど触ったことすらありません。ちゃんと勉強したほうが良いことは頭でわかっていても、カメラに密集するスイッチやボタン類を見ているだけでクラクラしてきてしまいます。
でも三好さんは違うのです。常に最新機材、最新テクノロジーに精通し、撮影現場でどんどん試していきます。デジタルの力を最大限に活用して、ときには壮大で、ときには緻密な「楽園」の美しい世界観をバージョンアップさせ続けているのです。
しかも三好さんはこうした現場で得た知見を惜しみなく披露してくれるのが凄い。
『三好和義 富士山 極上の撮影術』『三好和義の「楽園写真術」』といった一連の著作では、構図の撮り方、日時の選び方はもちろん、最新のデジタル写真術を包み隠さず公開してくれています。
本展でも、撮影で使用した主要な機材は全て展示されていますし、インタビューの際も「この写真はこう撮ったらいいんだよ」と故郷の徳島弁まじりで優しく解説してくださり、改めて三好さんの写真に対する深い愛情と飽くなき探究心を感じることができました。
そこで、ここからは、三好さんご自身に登場していただき、生涯追求するテーマ「楽園」の魅力について語っていただくことに致しましょう!
三好和義さんにインタビュー!「楽園」の魅力をじっくりお聞きしました!
三好和義さんが「楽園」に強く惹かれたきっかけとは?!
撮影:黒石あみ(小学館)
--早速ですが、三好さんが「楽園」というテーマに強く惹かれたきっかけや理由を教えて下さいますか?
三好:中学生の時、好きだった昆虫採集のために、沖縄に一人で旅行したのが「楽園」を意識するようになった最初のきっかけですね。本島だけでなく、宮古島や石垣島など離れた島にもその頃から行っていました。
--凄い!中学生から一人旅で沖縄に行かれたのですね。
三好:そう。もう一つ挙げるならば、僕の生まれた徳島の実家がバナナ屋を営んでいたというのも大きいです。だから常に南国のイメージが人一倍身近にあったということなんですよね。両親がバナナ屋を辞めた後は、そのバナナ倉庫がいつしか僕の写真の暗室へと変わっていったんです。
--凄い!三好さんが「楽園」写真家になることが、まるで運命づけられていたようなエピソードですね!
三好:中学生の頃からすでに南国の楽園にあこがれていたんです。僕にとって楽園の原点は沖縄から始まりました。だから、今回改めて沖縄を中心に訪ねて回り、以前から行きたかった初めての離島も初訪問することにしました。
三好さんが感じた「日本の楽園」とは?海外の楽園との違いって?
撮影:黒石あみ(小学館)
--すると、今回の写真展「日本の楽園島」や同タイトルの写真集は、いわば三好さんのルーツを知ることができる作品が詰まっているのですね。ところで、これまで三好さんはモルディブやタヒチなど世界中の楽園を撮影されていますよね。日本の楽園と世界の楽園を比べると、何か特徴的な違いなどは感じられましたか?
三好:やっぱり日本の楽園には多様性が感じられるので面白いですよね。気候や植生の違いによる風景の違いもありますし、海の深さや周囲のサンゴ礁の種類が違うと、海の色だって変わってきます。奄美大島と八丈島では、全然違うブルーがありますからね。これに撮影する時間帯や天候による変化が加わると、色彩のバリエーションは無限に広がってきます。面白いですよ。
撮影:黒石あみ(小学館)
--本展「日本の楽園島」では、日本の亜熱帯に咲く草花の美しさも際立っていますよね。三好さんは、こうした野草や花々を撮影する時に何か意識されていることはありますか?
三好:透明感ですね。イメージするのは、例えば教会の中で見るステンドグラスのような透明感。植物を撮る時、気持ちが引き込まれるような透き通った感じや、リアルな立体感をどうやって出そうか考えています。順光では引き出せないので、アングルを微妙に調整したり、光の向きを変えながらファインダーの中で気持ちを高めていくのが重要になります。
そうした微妙な調整が欠かせない撮影の時には、今回から使い始めた最新のミラーレスカメラが絶大な威力を発揮してくれたので助かりましたね。例えば、絞りを開放してバックをぼかして、スコールに濡れたハイビスカスの花びらを出したいなぁと思った時、撮れる映像を電子ビューファインダーの中でリアルタイムに見ながら撮れるのは大きかったですね。アングルを微妙に調整したり、光の向きを考えながらファインダーの中で気持ちを高めていくことができるので、より良い写真が撮りやすくなったと思います。
南国のビーチだけじゃない!東大寺も室生寺も楽園!!
撮影:黒石あみ(小学館)
--日本の楽園といえば、やっぱり連想してしまうのが三好さんが撮影テーマとして長年探求されている「東大寺」です。3年前からは、お寺の近所に別宅を構えられるなど、よりじっくりと腰を据えて取り組んでいらっしゃいますよね。ところで、「東大寺」と「楽園」の共通点ってどのあたりにあるのでしょうか?
三好:仏教的世界観で見ると、華厳宗の大本山である東大寺は「理想郷」や「宇宙」といったイメージを表現しているところなんです。僕は、楽園に対して、パラダイスでもあるけれど、同時に理想郷というイメージも持っています。沖縄の言葉でいえば、「ニライカナイ」ともいいますよね。だから、自分の中では南国のビーチも東大寺もすべて「楽園」というキーワードでつながっているんです。
撮影:黒石あみ(小学館)
--なるほど!確かに、三好さんが撮影された大仏殿からは、特に宇宙を想起させるような壮大なイメージがあります!
三好:そうですね。だから、この会場の中で、東大寺の本があっても「理想郷」という点でちゃんと繋がりがあるんです。実際、少し前に東大寺の本坊で開催した写真展「天平の楽園・東大寺と正倉院」では、東大寺だけでなく、僕が撮影した世界中の楽園の写真を一緒に展示しました。セイシェルのバード島の夕暮れの写真を、約3mの巨大な掛け軸にして展示する試みも好評でした。
--その展覧会は見てみたかったです!!
三好さんの作品は写真展で楽しんでこそ!
撮影:黒石あみ(小学館)
今後「楽園」ではどこか撮ってみたいような場所はありますか?とお聞きしたところ、国内での有力な候補地として、長崎の五島列島を挙げて頂いたのが印象的でした。1000万本以上自生すると言われる野生の椿や、数百年受け継がれてきたキリスト教文化とのつながりに特に惹かれている、とのこと。
単に絶景・美景を打ち出した南国のパノラマ風景だけでなく、東大寺や室生寺、四国八十八箇所など、日本人のルーツに迫る精神的な楽園をも追いかけてきた三好さんらしい、興味深いチョイスです。独自に発展を遂げた日本の土着的なキリスト教遺産に対して、三好さんがどう挑んでいくのでしょうか。今から非常に楽しみですね。
最後に、和樂web読者に対して頂いたメッセージで、本記事を締めくくりたいと思います。
「写真集や雑誌など、印刷で見る世界も多様性があって面白いのですが、僕としては是非写真展に足を運んで頂きたいです。色の深さや世界観に浸るというのは、足を運んでこそ得られるものだと思うんです。是非、東京展、もしくは10月の大阪展に足を運んで見て頂けると、楽園の世界をもっと深く体験できると思います。また、僕の写真を見ていいな、と思った場所があれば、コロナ禍が落ち着いた時にでもぜひ実際に現地へと足を運んでいただけたら嬉しいですね。」
三好和義写真展「日本の楽園島」展覧会情報
撮影:黒石あみ(小学館)
展覧会名:「企画展 三好和義写真展「日本の楽園島」
<東京>
会場:ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 1+2
会期:2020年 8月20日(木)~9月7日(月)
開館時間:10時30分~18時30分 ※日曜休館
公式HP:https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/schedule/tokyo/
<大阪>
会場:ニコンプラザ大阪 THE GALLERY
会期:2020年 10月開催予定
開館時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)※日曜休館
公式HP:https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/schedule/osaka/
SUMO本『東大寺』関連情報
撮影:黒石あみ(小学館)
★取材記事「見開き1メートル!前代未聞の巨大なアート本「SUMO本」が開く新しい読書体験とは?」
https://intojapanwaraku.com/jpart/102560/
★SUMO本についての各種SNSはこちら
公式HP:https://www.shogakukan.co.jp/pr/sumo/todaiji/jp/
公式Twitter:https://twitter.com/sumo_books
公式Facebook:https://www.facebook.com/sumo.books
公式Instagram:https://www.instagram.com/sumo.books/
★SUMO本『東大寺』展示情報
2020年8月24日現在、以下の3箇所にてSUMO本『東大寺』の実物が手にとってご覧いただけます。
・銀座蔦屋書店(当面展示・販売中)
・ニコンプラザ新宿GALLERY(展覧会場で会期終了まで展示中)
・啓林堂書店奈良店(当面展示・販売中/特集ページはこちらから)